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【悪性リンパ腫・闘病記①】偶然の腫瘍発覚

悪性リンパ腫という血液癌が発覚した私は、地元の大学病院で治療を行っている。親戚に癌に罹った人はいないので、癌保険を勧められたときも「まだ罹らないだろうから入りません!」と威勢よく断った。26歳の夏。私はまだまだ若いのよ!!

あれから一年後、27歳になった私の胸に約8センチの腫瘍が発覚したのは、必然のようで偶然のような出来事からだった。あまり重い雰囲気な文章にしたくないので、皮肉的、ときにチャーミングに闘病記を綴ろうと思う。あまり肩肘張らずに読んで欲しい。そして、同じ病気に罹った人や疑いがある人、大切な人が癌になった人たちにとって何かの参考になれば嬉しいな。


2024年7月中旬、いつものように軽トラックに乗って花農家に出向いていた。私の職業は「フローリスト」。お花屋さんと言ったの方がわかりやすいだろうか。花を束ねるだけでなく、育てることにも挑戦したくなった私は、今年度から長野県の農家さんに研修生として受け入れてもらい、山の中で刺激的なフォレストライフを堪能していた。

その日は雨が降っていて、山の中で運転を誤った私は側溝にタイヤを脱輪してしまい「やっちまったな!」と師匠にイジられて笑っていた。帰り道はたまたま手伝いに来てくれた従兄弟と恋バナで盛り上がり、帰宅後は普段通り家で過ごしていた。夕飯を食べ、シャワーを浴び、あとは寝るだけ。

「おっと、薬を飲むのを忘れてた」

午後22時の出来事だった。

この日の前日、私は皮膚科に行っていた。元々アトピー体質で、毎年夏場になると関節に汗疹ができることに悩まされるのだが、今年は背中や腰回りにも湿疹がたくさんできてしまい、屋外での農作業中に激しい痒みに悩まされていた。このままでは皮膚が爛れてしまうと思って皮膚科に行き、塗り薬と「デザレックス5mg」という飲み薬を処方してもらった。

この薬を就寝前に飲んだのである。5分後、原因不明の喉の痛みが襲ってきた。どんどんどんどん痛くなる。口の中も痺れてきた。あれ?呼吸もし辛くなってきた…。幸いにもその日は恋人が家にいてくれたので、救急医療電話相談(#7119)へ代わりに電話をしてくれた。マジでナイスプレー。

「薬の副作用が疑われます。すぐに救急車を呼んでください!」

電話口からの言葉は私の耳にも届いた。約10分後、救急車が到着。突然、夜間救急センターへと搬送された。

点滴を打ちながら、「どうしてこうなった?」と状況に対して疑問しか湧いてこなかった。明日も朝早いから早く帰らなきゃと焦ってもいた。さらに、通常アナフィラキシーショックは全身に湿疹が湧き出てきたり痙攣が起こったりするのだが、ピンポイントで「喉」だけに反応することは前例がなかったらしい。だから病院側も「様子を見ましょう」としか判断できなかった。ちなみに、現在も原因がわかってない。しぶしぶ入院を決断し、一方で喉の痛みは酷かったのでレントゲンを撮ることに。喉の炎症は気管支から来るので胸部を撮影。その後、点滴を打ちながら少し気持ちが落ち着いた私は静かな病棟で浅い眠りについた。

翌朝、幾分か痛みが減って呼吸もできるようになったので安心した。正直、救急車を呼ぶのは大袈裟だったかな?とも思った。医療従事者に迷惑かけちゃったかなーと少しだけ反省をしていると、主治医の先生が神妙な面持ちで「少しだけお時間よろしいですか?」と声をかけてきた。不穏な雰囲気を察知した。

昔から身体はあまり強くなく、インフルエンザは毎年のように罹るし、下痢はしやすいし、コロナに関してはワクチン打った翌月に感染。しっかり40度ほどの熱が1週間続き、地獄を味わった。でも入院はしたことない。手術もない。「小さな病気には罹りやすいけど、大きな病気には罹らない」ことが病弱な私にとって小さなプライドだったのに。

「肺の近くに大きな腫瘍が発見されました」

全身が硬直し、一瞬で喉が渇いた。

-次回へ続く-

【悪性リンパ腫・闘病記②】期待なんてするもんじゃねえ!!

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