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【エッセイ】 答え

14年前に書いた日記が引き出しの奥から出てきた。
それはさながらタイムカプセルのようなもので、当時の忌々しい記憶が事細かく記された呪物のようなものだった。状況も説明されていて、その上で自分自身が感じた悲しい気持ちと苦しい気持ちが全て、詰め込まれている。
14年前だけでなく、18年前のものもあって中々に興味深い。その時も相変わらず、悲しくて苦しんでいた私がいて、辛かったらしい。ページを捲るごとに書いた文字が少し大人びたりして年齢を重ねたことを知る。
正直、読んだ瞬間思わず笑ってしまった。
面白いくらい今と何も変わらなかったからである。
ああ言われて辛かっただとか、こう言われて嫌だっただとか。
結局、いくつになっても抱える悩みも苦しい思いも人間関係からくるのだと教えてくれたノートだったと思う。

最近、「愛するということ」という本を読んだ。

エーリッヒ・フロムの書いた本で、愛するということは技術だと教えてくれた本である。
さっき日記を開いて笑い飛ばせたのも、この本を読んだからできたといっても過言ではない。そのくらい、私にとっては強烈で鮮明な言葉が書かれていて、美しかった。
ずっと悩んでいた問題の答えを本から受け取れた私はとても嬉しくて、しばらく本を眺めて読み返したものである。
これだから、読書はやめられない。
あとは自分で答えを出すだけなので、そこはまたマイペースに見つめ直していこうと思う。

気がつけば深まる寒さと秋の空。
読書が捗りそうな気候のお供を探しに、また本屋へと向かう私でした。

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