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アニマルウェルフェアについて考えた日

「毎日いただく食はどのような環境でどのようなものを食べて育っているのだろう?」
とふと気になったことがきっかけで、牧場巡りをはじめました。


アニマルウェルフェアという言葉との出会い

スーパーでみかけた「放牧卵」

ここ数年、スーパーで「放牧卵」や「平飼い卵」というのを見かける機会が増えました。
みなさんも同じでしょうか?
このとき私、
「放牧卵って書いてあるけど、書いてない卵ってどんな卵なの?」
と気になりました。

調べるとわりと衝撃的な画像や動画がたくさんでてきて、調べた自分に一瞬後悔をしました。
そして、
「そうか、安く安定して流通させるって、こういう現実があって成り立っているのか」
と思ったのです。

「アニマルウェルフェア」を知る

山梨県「黒富士農場」

放牧卵や平飼い卵について調べると、頻繁にでてきたのが
アニマルウェルフェア
というキーワードでした。

みなさんは「アニマルウェルフェア」という言葉はご存知でしょうか?
その時のわたしはまだ、過激な「動物愛護」と同じかな?くらいに思っていました。

最近までその言葉があることすら知らなかったのですが、実は日本では2011年に農林水産省が
「アニマルウェルフェアの考え方に対応した飼養管理指針」
というのを発表されていたそうです。

10年以上も前から・・?
それって一体なに・・?
以下に一般的に言われている「アニマルウェルフェア」の定義について記載してみます。

・空腹と渇きからの自由(良好な影響の提供)
・不快からの自由(良好な環境の提供)
・痛み・損傷・疾病からの自由(良好な健康の提供)
・恐怖と苦悩からの自由(精神的苦悩を与えない経験の提供)
・正常行動発現の自由(適切な行動の提供)

朝日新聞SDGs ACTION!


「アニマルウェルフェア」は、
動物にも最低限でも当たり前の生活環境を整えてあげよう
ということだと分かります。
だけど実際は、それがなかなか難しい。
なぜなら私たちは安く安定的な商品を求めるから。

生産者さんの思い「アニマルウェルフェアだけを徹底したいわけじゃない」

アニマルウェルフェア牧場を訪ねて

アニマルウェルフェアについて知りたくなった私は、見学を申し込み、旅立ちました。

そして、代表の方のお話しをたくさん聞かせていただきました。

「人に動物に環境によいと思うことをする。それが消費者に”美味しい”を届けることにつながる」

ということや、

「アニマルウェルフェアというだけではない。人と動物と環境によいこと、命の循環を大切にしている。
だからこそ美味しくなる。それが持続可能な酪農(畜産)にもつながる」

といった話など、考えさせられることの多い時間となりました。

土づくりからこだわりを持ち、良い牧草を育て、動物たちの糞尿は良い堆肥となり、土に循環する・・
決して動物のためだけではないということ。

人にも環境にも良い循環をもたらすということ。

景色とともに消費者へ伝えたい地域の牧場


「牧場を一つの地域の魅力、風景の一つとして伝えたい。牧場風景をまるごと楽しむために足を運びにきてほしい」とおっしゃる代表の方もいらっしゃいました。

青森県「SASAKI FARM」さん

この景色は日本の未来に残したい!
ただの消費者である私ですが、強く思いました。

アニマルウェルフェアを広めたい

実際に代表の方の思いを伺うと、広めたいと思うようになりました。

「アニマルウェルフェアではない様々な育て方があっていい。
けれど何も知らないよりも、知った上で消費者は選ぶほうがきっと食事がより楽しくなる。
美味しさの違いも増えたほうがきっといい。」
そう、思ったのです。

自己中な考えかもしれません。
それでも、月に1度、半年に1度、
「購入してみようかな。牧場へ行ってみようかな」
と思ってくれる人が一人でも増えることで、持続可能で地域が盛り上がるきっかけになる。

そう信じているので、わたしは発信しつづけようと思いました。