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わたしのジムを起こしにゆく

すっかり読書ハイになりつつあります。

どうしても、表紙が忘れられない本があって。

昔懐かし、タウンページのような色合い。
タイトルにしては、ちょっと肩の力が抜けているフォント。

この色合いとフォントが忘れられなくて、
迎えにいきました。
むしろ、そちらのほうにばかり気を取られていて、こんなにでかでかと書かれた『マンガでわかる』の部分をすっかり見落としていたくらい。

ポンコツですねぇ。

本を開いて、うぉ、マンガじゃん!
と驚きました。
帯のマンガでわかる、
の文言に気づいたのはたった今。

事務仕事、もちろん会社勤めしていると切り離せないのですが、苦手意識がありました。
数字が苦手だからです。
文書を作るのは苦にはならないのですが、仕事に関係する文書には、必ず数字がくっついてくるので。

それが生きのびるための事務、とくる。

苦手ですが?!とタイトルを見てドキッとしたのは、たぶんわたしだけじゃないはず。

本書では、好きなことをしていくために必要なのが事務である、と書かれています。
好きなことで生きていく、が有名になったYouTubeの広告もありましたが…。

いやいや、待て待て。
人生そんな甘くないっしょ。

と思う大人も多いはず。
わたしももちろん、憧れはするけれど、そう思っていたひとりです。

少し風向きは変わってきていると思うけれど、嫌なことを我慢してこその報酬だ、みたいな給与に対する感覚は、まだまだ根強いと感じています。

そんなふうに教えられて育ってきたからね、
そりゃそう。

誰だって嫌な仕事をしたくはないけれど、
それじゃあ暮らしていけないよ、とか。
嫌な仕事をしてくれる人がいるから、
回っているんだよ(だから我慢しよ)、とか。
それもそれで一理ある。
白黒つけられないのが、生きていくことですよねぇ…。

*****

本作は、著者と、著者のイマジナリーフレンド(とあとがきで書かれている)ジムの会話を中心に、生きのびるための事務を著者がジムに教わり、実践していくことで進んでいきます。

①今かかっているお金を整理する
②今の暮らし方を整理する
③未来の暮らし方を設計する
④労働はギリギリまで減らし、『仕事』に時間を使う。

ざっくりとですが、
ジムの教えの基本はこんな感じ。

無表情で、淡々としているけれど、時々名言をするり、とところてんみたいに会話の合間に出してくる、ジムがチャーミング。

自分を責めることと、肯定することは必要ない、
それは無駄ですよ。

とさっぱり言い退けるジムは、やっぱり無表情。
推せる…!なんかこのキャラめちゃ推せる…!

note書いていても、スキが多くつくと嬉しくて、気合い入れて次の記事も書いてみたりする。
でも、次も同じようにスキがつくわけじゃない。

あれ、舞い上がって変なこと書いた?
おやおや、調子に乗ったか…?
わたしってやっぱり文章向いてないのか…?

と、ヒヤリとしたことのある方もいるはず。
いや、確実にひとり、ここにいる。わたしだ。

文章を書くのが好きだから、書いている。

その事実だけで楽しくて幸せであるはずなのに、どこかで他人の評価に、左右される自分もいる。

たくさん読んでもらえたなら、それはそれで幸せなことなのですが、『スキをたくさんもらうこと』が目的にすり替わってしまうと、本来の書きたいから書くんだ、というところからズレてしまうんですよね。

THE FIRSTのオーディションで、BE FIRSTのソウタくんが合格した時。
SKY-HIがこんなふうに話していたのを思い出しました。

淡々と、やるべきことをやるだけなので、というマインドがある。

評価は受け取るけれど、そこと『やるべきこと』は切り離して、ブレずに続けていくこと。
仕事の中身は違っても、誰にでも必要なことなんだろうと思います。

今だれでも評論家みたいになれちゃう時代ですから、余計に。

読み終えたわたしの感想はひとつ。
わたしのジムさん、起きてくださーい!
いきますよ!

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