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第1話 「再会と邂逅」
春、私はとうとう中学生になった。入学式当日、初めての光景が私を迎えた。
着慣れない制服。小学校よりもやや広い教室。30人を超えるクラスメイト。見知った顔が3分の1、それ以外は知らない顔と名前だらけだった。担任の先生は、30代の国語の教師だった。彼の第一印象は、「親しみやすい」という一言で足りるほどで、少し安心している自分がいた。
この時は、まだ。
入学したばかりなので、席順は出席番号順だった
僕が僕になるまで 第2章〜First Adolescence〜プロローグ
大人になった僕は、同じような悪夢を何度も見るようになった。それは、中学校時代の夢だった。中学生の僕が、教室で過ごしている夢をよく見るようになったのだ。
でも、どうしてこんな悪夢ばかり見るのだろう。考えてみると、1つだけ心当たりがあった。
僕は今年、成人式を迎えた。その成人式では、中学時代の同窓生に会うことになっていたのだ。しかし、僕はそのことに不安を抱いていた。その不安が、夢に現れた