ドラマ【虎に翼】名台詞集 (1~13週)
2024年NHK朝ドラ「虎に翼」より、心に残った台詞をまとめました。
*鑑賞時に書き起こした台詞を記録しているため、表記や文言は脚本と異なる場合があります。恐れ入りますがご了承いただけますようお願いいたします。
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▼第14週~はこちら
第1週
ここに自分の幸せがあるとは到底思えない
女は結婚するもの。それこそが女の幸せだ。
当たり前のようなその価値観にどうしても納得のいかない寅子が、女として歌を披露しながら言った心の叫びです。
先生は私の話を遮らなかった
穂高先生と出会い、結婚ではなく大学に進学し法律を学びたいと決めた寅子が、母のはるに言った言葉です。
「当たり前」とされる価値観に違和感を抱きながらも、それ以外の世界を知らなかった寅子にとって、穂高に出会い、穂高が自分の話を聞いてくれたことは、とても大きな刺激となりました。
頭の悪い女のふりをするしかないの
進学を選ぼうとする娘に、母のはるがかけた言葉です。
結婚をして家庭に入ることが本当に幸せなのか、疑問を抱きながら生きているのは寅子だけではない。
はるも、色々な思いを飲み込みながら今の人生を選択してきた女性の1人でした。
世の中の難しさ、現実の厳しさを知っているからこその、娘の幸せを心から願う母親としての言葉でした。
無責任に娘の口を塞ごうとしないでちょうだい
女が男と肩を並べるのは無理だと寅子に言う桂場に対して、寅子の母・はるが言った言葉です。
口を塞がれてきた1人の女性として、そして娘の可能性を本心では奪いたくない1人の母親としての、とても強い言葉でした。
自分の娘の人生に責任を持つ母親として寅子を説得しようとしてきたはる。
何も知らない男が簡単に無責任に寅子の口を塞ごうとしたことが許せませんでした。
第3週
誰かをけなしていいわけじゃない
自分と周囲の熱量の差を感じて苛立つ山田よねに対して、寅子がかけた言葉です。
事情や境遇は違えど、皆それぞれの想いを持ってこの場所に学びにきている。
寅子は、よねのことも、涼子のことも否定しない。
皆がここで学ぶ仲間なのだと、この地獄で闘う同士なのだということを、まっすぐによねに伝えた台詞でした。
今日があったから
法廷劇の題材について議論を深めようと取り組んだ時に、その題材自体が、大衆の関心を惹くように教授に脚色が加えられたものだったと知り、1日を無駄にしたと怒ったよね。
そんなよねに対して、隣で話を聞いていたはるが言った言葉です。
良いことばかりでなく、悪いことも、腹が立つことも、虚しく思うことも、"今日があったから"、経験出来たこと。
結果がどうであれ、社会がどうであれ、そのことに向き合った自分の時間を、自分の気持ちを、自分のことを、無駄だなんて言うべきではない。
そんな思いが伝わる台詞でした。
居場所になりたいの
学校での友人との出会いや、親友の結婚など、さまざまな経験をしながら、寅子の法律に対する思い、なりたい弁護士像が少しずつかたちづくられていく、その様子を感じられる台詞でした。
勝つとか負けるとか、罰を与えるとかこらしめるとか、そういうことよりも、まず苦しい思いをしている人の思いに寄り添いたい。
そんな寅子の気持ちが感じられます。
第4週
幸せならなんでもいいよ
寅子の部屋に酔っ払って帰宅した父・直言がやってきて、寅子にかけた言葉です。
寅子の進路に対して、本音では心配していたであろうに、これまで何も言わず、穏やかに背中を後押ししてきた父。
このまま法の道を進んでも、別の選択をしても、寅子が幸せであればなんでもいい。
父親としての想いが感じられる台詞でした。
一方で、この台詞には何やら不穏な出来事の伏線のような印象もあり。
お父さんに何も起こらないと良いのですが…。
今後どうなるのか、父娘の関係にも注目です。
君とは議論はしないぞ
寅子や花岡たちとハイキングにやってきた轟が、よねに対して言った言葉です。
今日はハイキングだから、いつものような小言の言い合いや議論はしない。
普段は議論が白熱し言い合いのようになってしまう相手とも、嫌な空気は引きずらずに、オンとオフをしっかり切り替える。
おそらくこの後の物語でもキーになってくるであろう、轟のフラットでおおらかで男らしいところが垣間見える台詞でした。
いつ男になりたいと言いましたか
ハイキングで花岡と言い合いになった寅子が言った言葉です。
女性が男性と同じように学びの機会を得て、働く機会を得ようとしていく時、男性が社会の中でつくりあげてきた価値観や基準値がベースになることは、今の時代にも多い。
女性が機会を得ていくことと、男性に合わせていくこと、男性のようになることは、イコールではないはずなのに。
今の時代にも通じる台詞だったと思います。
特別扱いされたいんじゃない
ハイキングで言い合いになった花岡と寅子の会話です。
花岡は、いわゆる女性蔑視の人物だとは現時点では思いません。
寅子たちが法を学ぶことを認めていないわけではないと思いますし、ある程度のリスペクトもしているように感じます。
でも花岡はきっとそれを、いつも頭で考えて意識して実践している。
例えば轟は、もっとフラットで、授業やハイキングのシーンでも表現されているように、女だからどうこうという考えをそもそも持っていない、しないように見えます。
一方花岡は、いつもあるべき自分の姿を意識して、頭で考えて寅子たちに接している。
花岡のそれが間違っているとは思いませんし、この時代にそうやって行動が出来る男性は貴重だったのだろうと思います。
それでも、根底にあるしみついた価値観が零れ落ちてしまった。
そんな台詞でした。
俺が男らしさだと思っていたもの
退院の日に花岡に轟がかけた言葉です。
轟の中にあり貫こうとしていた男の美徳。
たとえば弱い者を守るとか、信念を貫くとか、強い意志を持ち己に負けずに進むことなのかなと思います。
轟ももしかしたら、女なんてと昔は思っていたかもしれませんが、寅子たちと接するうちに、その美徳を彼女たちが持っていることを知った。
きっと彼女たちを尊敬し、憧れるような想いが、素直に湧き上がってきたのだと思います。
これが、轟が寅子たちに対してフラットに接していた背景だったのですね。
花岡もきっと、轟にとっての男の美徳を持っていた人物だったのだと思う。
変わってしまいそうな花岡を見過ごせず、まっすぐに想いを伝えたこの轟の言葉は、今の時代にも通じるものがあり、心に残りました。
本当の自分があるなら、大切にしてね
退院して花岡が梅子にハイキングのことを謝罪をした時の会話です。
花岡も花岡で、"男として" "男らしく"の呪いとプライドの中で、自分を演じたり、葛藤したり、迷ったりしながら過ごしていたのでしょう。
男も女もみんな、必死だったんですよね。
梅子さんの言葉は、そんな花岡を否定せずに包み込むような温かいものでした。
母親を幼い頃に無くした花岡にとって、きっとこういう言葉をかけられたことはなく、常に父親に男らしくと厳しく育てられたのかもしれません。
花岡の心が少しほぐれた会話でした。
第6週
私達すごく怒っているんです
試験に合格し、日本における女性初の弁護士となった寅子。
記者が集まる会見の場で、「日本で一番優秀なご婦人だ」と言われ、合格してから周りに祝われながら何かずっと心にひっかかっていた寅子が、言った言葉です。
男性と同じように、死に物狂いで努力して、今この場所に立っている。
そのことが、女性だからというだけで注目を浴び、だけどこの先、男性と同等の権利は保証されていない。
寅子のようなこういう方々の血のにじむような努力と、歯を食いしばった日々と、流してきた涙、虐げられてきた時間、その積み重ねがあって今に至るのだと、あらためて認識させられます。
時代を変えるのは、劇的なひとつの出来事ではなく、小さな声のひとつ、小さな一歩のひとつの積み重ね。
いつの時代も、そのことは変わりません。
第7週
手段として私は結婚がしたいんです
ようやく念願の弁護士になれたものの、女だから、未婚だからという理由で、一向に法廷に立つことが出来ない寅子。
佐賀に戻った花岡が婚約したことを知り、悩んだ末に、見合い相手を探してほしいと両親に頼んだ寅子が言った台詞です。
若い頃の寅子であれば、そんな世の中に対して、おかしいと声をあげたかもしれません。
けれど、大人になり、資格も得て、社会の中で弁護士としての道を切り開いていくために、あれやこれやと声を荒げるだけではどうにも動かない現実を打開するために、手段として結婚を考える。
とても寅子らしく、また、こういう思いをしながら自分の居場所や実績を掴んできた女性たちが多くいたのであろうということを感じさせる台詞でした。
猪爪も奈津子さんも侮辱する行為
佐賀へ移ることをきっかけに、寅子に対して本音を打ち明けることなく去った花岡。
婚約者となった奈津子は、自分の転勤があればついてくることができるし、親の介護もすると言ってくれている。
自分の都合で寅子から弁護士という夢を奪えないからその選択をしたという花岡に対して、轟が言った言葉です。
花岡の立場や思いも理解は出来るものだと思いました。
このシーンのこの轟の台詞は、寅子だけでなく奈津子についても言及しており、轟の女性に対するフラットさがよく表れている台詞で、印象に残りました。
第8週
守りたいのがそれぞれ違う
依頼人がついていた嘘を見抜くことが出来ず、正しい判決へと導くことが出来なかった寅子。
寅子が落ち込む様子にいちはやく気付いた優三が、寅子にかけた言葉です。
ずっと正しい人のまんまだと疲れちゃうから
落ち込む寅子と川沿いで美味しいものを食べながら、優三が穏やかな口調で言った言葉です。
この言葉を受けた寅子の心は、優しくほぐれていきました。
絶対満点なんてとれないのに
夫の実家がある鳥取へ移り、弁護士を辞めることになった久保田が、寅子にその報告をした時に言った言葉です。
この言葉を受けて寅子が心の中でつぶやいた言葉は、「なんだよ」。
仲間の想いも背負い共に弁護士となった久保田さえも、志半ばで弁護士を辞めることとなり、寅子の中にはさまざまな想いがよぎるものの、昔のように「はて」と自分の主張をすることが出来ませんでした。
夢を掴み、仕事に就き、結婚も妊娠もして、それでも、どんどん孤独になっていく寅子です。
私は今私の話をしてるんです
依頼が立て込み母校での講演会直前に倒れてしまった寅子。
目を覚ました寅子が、穂高に悩みを打ち明けた際の会話です。
寅子は、仲間が法曹界を去り、「もう私しかいない」という想いで、孤独と不安を押し殺しながら、自分が歩みを止めてはいけないとなんとか立っていた。
最後の一人になりたかったわけではないけれど、なってしまった以上、仲間の思い、婦人たちの思いと未来を背負って、ここで歩みを止めてはいけない。
そんな寅子に対して穂高がかけた言葉は、今の寅子にとっては、とても受け入れられるものではなかった。
戦争の中、男性も男性で、夢や仕事を志半ばで断念しなければならなかった。
女性も男性も、今この時代では成し遂げられないことがあって、次の未来へのバトンを繋ぐために、奮闘していた。
けれど、寅子にとっては、当人にとっては、自分の人生です。
時代の橋渡しでもなく、繋ぎ役でも、今の、この、自分の人生。
「私の話をしてる」という寅子の叫びは、心に迫るものでした。
寅ちゃんの好きに生きること
優三が戦地へ赴く前、寅子と二人で過ごした最後のひとときの中で、優三が伝えた言葉です。
もうしばらくずっと、社会や寅子自身によって寅子にかかっていた呪いのようなものを、出征前に優三が優しく穏やかに解いたようなシーン。
これからを生きていく、ひとりの人間としての寅子の人生。
いちばん大切なものを、寅子がどこかでいちばん求めていた言葉で、きっといちばん言ってほしかった人から、受け取ったシーンでした。
第9週
生きてるうちにお別れ出来るんだから
優三の死を半年以上隠していた直言。
そんな直言に対して言いたいことも言えずに距離を置いていた寅子と、なかなかあやまることが出来ない直言の様子を見ていた花江が、寅子に言った言葉です。
この前に、寅子の兄であり花江の夫である直道と、寅子の夫である優三を、戦死で会えぬまま亡くした寅子と花江。
生きて向き合い話すことが出来ることの尊さをいやというほどわかっている二人だからこそ、あえて花江がここで口にした言葉は、とても重く、そしてまっすぐなものでした。
許したくなかったら許す必要ない
優三の死を隠していた件で、ひたすら謝る直言。
半ば呆れたように何も言えない寅子に対して、花江が言った言葉です。
花江は"寅子の兄の妻"ではなく、やはり学生時代からの"親友"で、そんな花江が、いざという時にぐっと呑み込んでしまうくせのある寅子に、ここでこの言葉をかけてあげたことが、とても心強かったです。
人は、傷つけられたり、謝られたりした時、相手を許すか許さないかはされた側に委ねられるもの。
された側にとっては、許すことも、許さないことも、苦しい。
でも、"許さなければならない"でも"許してはいけない"でもなく、"許したくないなら許さなくていい"、そう言ってくれた花江の言葉には、寅子に寄り添う愛情が感じられます。
お父さんだけだったよ
優三の件をきっかけに、実は今まで黙っていた些細なことを突然次々と打ち明け、謝った直言。
そんな直言に、寅子が言った言葉です。
振り返ればいつも、直言は寅子のことを否定せず、寅子が行きたい場所でやりたいことを出来るように、頼りないながらも大きな愛情で見守ってきました。
頼りなくて、へたれで、かっこ悪くて、弱くて、だめなお父さん。
でも、寅子は、お父さんにたくさんの愛情を注がれてきたことを、ちゃんとわかっている。
直言にとっても、寅子は、いくつになっても、何をしていても、いつだって可愛い可愛い娘だったんですね。
体調を崩し、この会話の数日後に息をひきとった直言でしたが、直道と優三が理不尽にも戦死で亡くなり紙きれ一枚で突きつけられた死に対して、こうしてしっかりと会話をし家族に見守られながら亡くなっていた直言の最期の平穏さが引き立つ構成でした。
人生を全うして最期を迎えられること。
その尊さを伝えてくれる回でした。
贅沢ではありません。必要なことです。
気を落とし感情を閉ざしたような様子の寅子に、はるがそっとやってきて、少しのお金を渡してかけた言葉です。
心を守るために、ちゃんと立ち止まって、ちゃんと向き合って、ちゃんと涙を流して、ちゃんと悲しむ。
時代は違えど、そうする余裕もなく慌ただしく過ぎていく日々のなかで、こういった自分のための時間をちゃんと取ることの大切さを感じさせるものでした。
男だからってあなたが全部背負わなくていい
憲法改正を受け、あらためて法曹界で働く決意をした寅子が、進学を諦めて一家の大黒柱として働かなければと自分の夢を押し殺していた直明に対してかけた言葉です。
この言葉を受けた直明は、子どものように「勉強していいの?」と言い、帝国大学への進学という夢を叶えていきます。
みんなが自分らしく自分の人生を生きる。
そのことが明文化された憲法の条文と、出征前に優三が寅子にかけた言葉は、共通点があります。
様々な経験を経て再び前を向いた寅子が、そして猪爪家が、一歩歩みを進めた瞬間でした。
第10週
前も今も全部君だよ
東京で偶然再会した寅子と花岡の会話です。
お互い、年齢を重ね、環境も変わり、様々な経験をして、なりたい自分とのギャップや、やりたい仕事とのギャップ、そもそも自分がどうしたいのか、何が正しいのか、迷いの中にいた。
そんな中で、かつてのお互いを共有する"同志"として、久しぶりに会話が出来たことで、お互いの心が少し穏やかになり前を向いた瞬間でした。
花岡の言葉は、以前学生時代に、花岡が梅子さんからかけてもらった言葉です。
出会った仲間から受けた大切な影響を胸に、それぞれが生きている。
懐かしさと、変わってしまったことと、変わらないことを、感じられるシーンでした。
国民にこの民法をどう使ってもらうか次第
憲法改正案がまとまった際の会話の中での寅子の言葉です。
条文をひらがなにし、口語体を採用したのも、より広く国民が理解しやすいようにという寅子のアイディアが発端でした。
憲法は、どこか遠くで勝手に決まっているものではなく、暮らしの基盤となる身近なもの。
忘れがちなそのことを思い出させてくれる台詞でした。
第11週
ひっくり返るもんのために死んじゃならんのだ
家庭裁判所がなんとか立ち上がることになり、事務所に花岡が遺した最後の絵画を飾った多岐川が、寅子や皆の前で言った言葉です。
その絵画は、寅子が花岡に最後に会った時に子どもたちへと渡したチョコレートが、花岡の手のひらから子どもたちへ渡されるシーンを描いたものでした。
もう逃げる自分を責めたくないから
汐見が多岐川のことを寅子に語った際の言葉です。
多岐川は過去、自分が死刑判決を下した死刑囚の執行に立ち会い、怖くなり、重大事件を扱う場から逃げた。
その後、戦後に日本に戻り、子どもたちの姿を見て、子どもたちの未来のための仕事をしようと決意し、家庭裁判所の立ち上げを担うようになりました。
一度逃げた自分を責める苦しみは、寅子にも重なる部分がありました。
何かを辞めること自体は、悪ではないし、他者から否定されるべきことではありません。
けれど、自分自身がそれを"逃げ"だと思ってしまったら、自分の弱さやずるさを背負う日々は、とても苦しいもの。
もうそんな想いはしたくない。切実な意志と覚悟が感じられる台詞でした。
第12週
自分の身だけでおさまらん善意は身内がしんどいだけ
戦争により孤児となり行き場をなくした少年・道男を、自宅で預かることにした寅子。
実際には寅子は働きに出ているため、日中自宅には母や花江といった女性と子供しかおらず、そんな状態で道男を預かって大丈夫か、軽率ではと同僚たちが言う場で、多岐川が言った言葉です。
真っ当な大人はね、一度や二度の失敗で、子供の手を離さないの。離せないの。
戦争孤児となった道男。
父親は酒飲みで暴力をふるい、母親は空襲の時に道男を置いてそんな父親を探しに行って二人とも死んだ。
愛されることを知らず、大人や世の中を、優しさをつっぱねった道男に、寅子が言った言葉です。
よくここまで一人で生きてきたね
心臓を悪くし最期を迎えようとしていたはるが、道男を抱きしめて、言った言葉です。
一人で踏ん張って生きてきた道男、そうするしかなかった道男を、大きな愛情で肯定したはるでした。
嬉しいねえ。来てくれるのかい。
寅子から道男の話を聞き、自身の寿司店で住み込みで働かないかと声をかけた笹山。
働くと言った道男に、言った言葉です。
「手が足りないから助かる」ではなく、「あなたが来てくれるなんて嬉しい」。
こういう言葉を、渡せるようになりたいと思いました。
どこへ行っても邪魔者扱いされてきた道男にも、響いたはずです。
第13週
知ると理解は別物
大庭家の遺産相続について、改正された法の内容を知っているはずの大庭家の長男が頑なに意見を変えずこじれていた際に、家庭裁判所の調停委員・根本が寅子に言った言葉です。
知ると理解は別物。さまざまなことに通じる言葉です。
闘ってきた、闘おうとしてきた、闘いたかった方たちです
ラジオに出演した寅子が語った言葉です。
この物語に常に流れる、寅子の信条であり、作品のメッセージです。
全部捨てて私はここから出て行きます
大庭家との決別を決めた梅子が、最後に大庭家の前で言った言葉です。
この後、梅子は「ごきげんよう」と言い、部屋の戸を開け、家を出て行きました。
また全部私のような人間に面倒を押しつける気だなって
民法第730条についての梅子の言葉です。
大庭家との決別をした後、寅子と花江とお茶をしながら、晴れ晴れとした表情で語った梅子でした。
それでお母さんが笑って暮らせるなら
母・花江が道男へ好意を寄せているのではないかとずっと不安だった直人。
道男と一緒になってもいいよと意を固めて花江に伝えたものの、花江が道男と会うと機嫌がよくなる理由が、父・直道が夢に出てくるからだと知り、ほっとしながら、花江に伝えた言葉です。
子どもなりに精一杯考えた直人の結論が、お母さんに笑っていてほしいということ。
その思いに胸を打たれるシーンでした。
自分が幸せじゃなきゃ誰も幸せになんて出来ない
はるが亡くなり、家を支えなければと孤独に奮闘していた花江。
自分が暗い顔をしていたせいで息子たちに気を遣わせてしまったとこぼした花江に、梅子がかけた言葉です。
お願い、手抜きをさせてください
梅子と話し、寅子の活躍をよろこび、家族と過ごしていた時に花江が言った言葉です。
この言葉を受けて、息子たちは心からの笑顔を見せ、嬉しそうに花江に抱きつきました。
全てを背負い、自分を犠牲にして、誰かのために捧げる。
それが美とされる傾向がある世の中で、本当に必要なことは、こんな風に助けてほしいと口に出せる強さと、それを受け入れる強さだと思います。
以上、ドラマ「虎に翼」の名台詞集でした。