【海のはじまり】水季の名前の由来
7月期 月9ドラマ「海のはじまり」。
シナリオブック上巻をじっくりと読みながら余韻に浸っている私です。
第6話、水季が海を産むと決めた理由のひとつに弥生のメモが関わっていた、ということが明かされた美しい円環の回でしたが、シナリオブックで台詞を追っていると、朱音さんが水季の名前の由来について話をするシーンがありました。
ゆき子さんが夏から海や水季のことを聞き、初めて南雲家を訪れるシーン。
ゆき子さんが水季の遺影に手を合わせ、翔平さん朱音さんと少しお話ししたあの場面です。
その時の会話の中で、朱音さんが水季を「水季」と名付けた理由についてゆき子さんに話す台詞がシナリオブックにはありました。
地上波では放送になく、どの段階でカットされたのかはわからないので、撮影されたかどうかもわかりませんし、円盤にも入らないシーンかもしれません。
そのためここでのネタバレは控えますが、シナリオブックに書かれていた水季の名前の由来を知った時、朱音さんと水季の親子の関係を、朱音さんから水季への広く深い愛情を、より深く、よりくっきりと感じ取れたような気がして、とても心に沁みました。
長い不妊治療の末にようやく授かった大切な娘。
本編では、そんな水季へ朱音さんが託した大きすぎる愛情を、時に窮屈に感じていた水季がそのずっと抱えていた思いを朱音さんと口論しながら吐き出すようなシーンがありました。
だからこそ水季はある意味その反動で、自分で選択することにこだわり、自分で居場所や自由を掴む生き方にこだわり、海にもそんな人生を願ったのだと思っていました。
しかしシナリオブックでその名前に朱音さんが込めた願いを知った時、思わず幸せなため息がひとつ。
ああ、水季が水季になったのは、この水季らしさは、ある意味朱音さんが願ったことでもあったのだなと。
時に水季と衝突しながらも、一人で産むと決めた時も、一人暮らしをした時も、一人で海を育てていた時も、ほとんど実家を頼ってこなかった時も、朱音さんがなんやかんや水季の意思を尊重してきたのは、その願いがずっとあったからなのだなと、じんわりと朱音さんの想いが胸に広がり、その愛情の深さにじんと来ましたし、「お母さん、幸せなの。水季産めて、生意気に育って、わがまま言われて、幸せなの。」と朱音さんが言った時の想いをより一層感じて、泣けてしまいました。
そして、水季が病気になり命がわずかだと知った時、名前をつけた時のことを思い出して自分を責めるような気持ちに朱音さんはなってしまったのではないか、それでも最後まで海のために生きようとした水季を、父親である夏に自分の病気や海の存在を伝えないと決めた水季の意思を尊重したのは、そしていつかのためにと託された夏への手紙を静かに預かったのは、やっぱり一貫して名前に込めた水季という一人の人間の人生に対する愛情、想い、願いが朱音さんの中にあったからなのではないかと、あれやこれやとさまざまな場面がよぎり、思わず涙が出てしまいました。
水季が出産を決意した理由のもうひとつに、翔平さんが水季に読んでごらんと渡した、朱音さんが水季を産む時に日記を書いていた母子手帳の存在もあると思っています。
その中身は本編では明かされることはありませんでしたが、もしかしてそこに、朱音さんが「水季」と名付けた意味が記されていたとしたら、それを水季が読んだとしたら、母から娘へ、そしてその娘へと願いが引き継がれるように、水季が海と名付けた理由や海の人生へ願ったことにも通じる気がするし、朱音さんと水季の親子関係が少しほぐれるきっかけにもなったのではないかと思いました。
(母子手帳の内容についてはわからないので、妄想です。)
シナリオブック、他にもたくさんたくさん素敵な箇所はあるのですが、上巻を読み終えた中、放送にはなかった場面で一番ぐっときたのが、「水季」の名前の由来だったので、思わず書いてしまいました。
シナリオブックをお持ちの方は、第6話、注目です!!
お持ちでない方には思わせぶりみたいな記事になってしまい申し訳ありません!!
シナリオブック下巻、届くのが待ち遠しいです。