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【海のはじまり】第11話:こまかすぎる感想

第11話。
思ったよりも苦しかった…!
残すところあと1話、最終回どうなってしまうのだろう、と、まだまだ予測がつかない状態で私たちを最後の最後までハラハラさせてくれる素敵なドラマです。
あれ、最終回って2時間スペシャルとかじゃないですよね?
前編・後編の2週に渡ってお届けスタイルでもなかったですよね??(真顔)
あと何時間でも観ていたい。

さて。11話も書いていきます。
「…ママはいない人なの?」て…タイトルよ…(涙)


番組情報

「海のはじまり」公式サイト


第11話 …ママはいない人なの?

ママがいた場所

水季と海の回想シーンからスタート。
入院の前日、実家の自分の部屋のベッドで「くまとやまねこ」の絵本のページをめくっている水季。
駆け寄ってきた海が、水季の顔を不安そうに見て「悲しいの?」と聞くと、「悲しい顔してる?」とひとつため息をついた水季は、入院で海と離れるのが寂しいと伝え、海を抱きしめ、プレゼントだとその絵本を渡します。

「海に言っておきたいことあってね。それだけ説明すると難しいけど、絵本で読んだらわかるかなって。ママね、もうすぐ死んじゃうの。いなくなっちゃうの。」

ぴえん(涙)

…冒頭にしてすでに背負いきれなさそうな悲しみをなんとか軽やかに書きたくて、「ぴえん」と言ってみました。

この絵本、これまでも津野くんが届けにきたり、何度か登場してきました。
以前何話だったか、朱音さんが、水季が小さい頃に本屋から本を買わずに持ち出してしまったことがあるというエピソードを話していました。
それがこの絵本だと明言はされていなかったとは思いますが、そうじゃないかなと勝手に思っている私。
もしそうだとしたら、きっとこれは水季が幼い頃に読んだことがあって、記憶に残っていた絵本。
自分が幼い頃に好きだった絵本を、自分が親になり子どもに読んであげるのって、普通につくると自分が親になったよろこびをじんわりと実感するような、ひだまりみたいなほっこりしたシーンになるのではないでしょうか。
しかしここでの水季は、自分の病気が分かり、海に自分の死について伝えるために思い浮かんだのがこの絵本。
まさかそんな風にこの絵本を海に託すことになるなんて、水季の辛さは想像に耐えません。

この時はまだ、天井のライトから長い紐がぶら下がっていなくて(恐らく体調が悪化した時に起き上がらなくても電気を点けたり消したり出来るように付けた紐)、そういう細かいセットからも、この入院時点から亡くなる直前までの水季の体調の変化、迫りくる死を前にどんな思いでこの部屋で過ごしていたのだろうと、奥行きを想像させます。

シーンは現在に変わり、夏と二人で暮らすことになり、この家を出ることが決まった海ちゃん。
水季がいたベッドの上で一人、水季がいた場所、自分の左側のシーツを小さな手できゅっと握ります。

起き上がり、窓際に並んだ小物を少し触り、イルカのぬいぐるみを抱きしめた海ちゃん。
さきほどの回想シーンではこの窓辺にはティッシュくらいしか置かれていなかったのですが、現在のこの海ちゃんのシーンでは、絵本や扇風機などたくさんの物が置かれていました。
水季が亡くなる前にここで二人で過ごした頃のママとの思い出が詰まった小物たちなのかもしれませんね。
海ちゃんが触れたのは、貝殻と、花瓶のようなガラス瓶に見えました。
ママと一緒に海に行った時に拾った思い出の貝殻だったり、ママとここにいた時にお花を飾ったりしていたのかもしれませんね。
イルカのぬいぐるみはずっと海ちゃんのお気に入りアイテムとして描かれてきましたが、ここでいつも水季がいた方、左側にそのぬいぐるみを置いてぎゅっと抱きしめて寄り添うように横になった海ちゃんを見て、このぬいぐるみはきっと海ちゃんにとって、"ママにもらった大切なぬいぐるみ"というよりも、もう"ママ"なんだろうなと、切なくなりました。

そこにやってきた朱音さん。
「イルカさんも持って行こうね」と海ちゃんに声をかけてあげます。
やっぱり水季を育ててきた"親"であり、海にもこの数ヶ月寄り添ってきた朱音さん、前回も、ママがいた場所を離れることを寂しがる海ちゃんに、「そういうの(夏に)わかってもらってから一緒にいてもらおうね」と声をかけてあげていました。
海ちゃんが漠然と抱いている、どうしようもない喪失感、ママがいた場所を離れることへの寂しさや不安感をきっと朱音さんはわかっていて、その上で海ちゃんにかけてあげる言葉は、いつも海ちゃんを安心させてあげるような言葉で。
やっぱり"親"だなと、素敵だなと感じます。

「ママここいたよね?」と、確かめるように聞く海に、「いたよ。でも全然一人で眠れるようにならなかった。」と、少し話題を逸らしてあげて海ちゃんが笑えるようにしてあげた朱音さん。
水季がお鍋に落書きしたり、きゅうりやピーマンが食べられなかったという幼い頃のエピソードを話してあげると、海ちゃんは「あとは?ママ何が子どもみたいだった?」と、嬉しそうに笑いながら朱音と話しをします。

このシーン、第11話を最後まで観た後に今これを書きながら観直してみると、ああ海ちゃん、ママの話したかったんだよね、聞きたかったんだよねと、切なさ倍増です。ぴえん(もういい)。

海ちゃんにとって、朱音さんや翔平さん、津野くん、夏美先生は、"ママ"を共有している人たちであり、自分が知らない"ママ"を知っている人たち。
それに対して、これから一緒に暮らそうとする夏くんは、ここにいた"ママ"を知らない人。
夏くんはパパだし、大好きで、でも、ママのことを、今までこの場所でしてきたように話したり聞くことは出来ない。
その違いをどこかで感じ取っているような海ちゃん。
ただでさえ引っ越しや転校って、子どもにとっては本当に大きくて重要で影響力のある出来事。
そこに"ママ"とのお別れも紐づいてしまうようなこの状況は、海ちゃんにとって、どんなに苦しいものか。
朱音さんのおかげで海ちゃんは笑顔になりましたが、どうしたってやっぱり苦しい、胸がきゅっとなるオープニングでした。


二人で頑張る

一方夏、海ちゃんを迎え入れるにあたり、大和に手伝ってもらいながら自宅の片付け中。本当に物が多い!(笑)
夏くんが学生時代からずっと変わらずこの部屋に住んでいるという設定、きっと何かしら水季や弥生との思い出の品がまだ残っていたり、そういう展開にするための設定なのかなと思っていましたが、親になり海と暮らすにあたってこうやって盛大な片付けをすることで、夏自身の生活も確実に変わるのだという変化を表すための設定でもあるのかもしれませんね。

「困ったことあったらなんでも言ってね」と声をかける大和に、「大丈夫。二人で頑張る。」と夏。
「うん」と返しつつ、そんな夏を心配そうに見る大和。
ここでの大和のこの言葉って、きっとそんなに重く受け止めずに、「ありがとう」「何かあったらよろしくね」くらいのカジュアルさで夏くんも全然返してしまえる、そんなコミュニケーションだったと思います。
でもここで、「二人で頑張る」と言い切った夏くん。
海が転校により背負う寂しさ、朱音さんや翔平さんの喪失感、なんなら弥生さんの手を離したこと、色々なものを背負った上で決断をした海との二人での生活に対して、自分がしっかりしなければと、よく言えば強い責任感、心配してしまうとかなり背負ってしまっていそうな、そんな夏の様子が汲み取れますね。

何かあったら実家を頼らせてほしいということは、前回夏自身の口でゆき子さんに伝えていましたので、本当に何かあれば夏はやっぱり頼ることは出来ると思うんです。
自分のプライドうんぬんよりもきっと、海ちゃんファーストで、海ちゃんのことを一番に考える夏くんだから、海ちゃんのために必要であれば月岡家でも南雲家でも頼ることは選択肢に入れると思うんですよね。
だからここでは、「何が何でも俺が一人でやりきるんだ!」みたいな自分のプライドだけの頑なさのようなものは私は感じなくて。
代わりに、夏くんだってきっと、二人暮らしを決めたものの壮大な不安の中にいるでしょうから、そうやって「二人で頑張るんだ」ということをあえて口に出すことで自分を奮い立たせているような、そんな感じがしました。

大和くんのことだから、きっとそんな夏くんの様子も感じ取って、何事もなくても遊びにきちゃったとか言って様子を見に来たりしてあげるんじゃないでしょうか。
大和、いつもありがとう。夏くんをよろしくね。


ママのこと

転校前最後の日、学校でクラスのみんなに挨拶をする海。
夏美先生と廊下を歩きながら、「ママ、海のことなんか言ってた?」と聞く海。
「いつも海ちゃんが一番大切って言ってた」と夏美先生が言うと、嬉しそうに微笑みます。

やっぱり海ちゃん、この場所を離れる前に、ママのことをたくさん聞きたいんだよね。
もう一生会えないわけじゃないだろうけど、海ちゃんくらいの年齢の子にとってはやっぱり、もう二度と来れないと思ってしまうくらい、転校って大きいもんなあ。
海ちゃんの気持ちを察してあげたのか、今海ちゃんがいちばん安心するであろう言葉をかけてあげた夏美先生。
きっとこれは嘘でもなんでもなくて、水季が本当にそんな風に言っていたんだろうなと、水季の姿さえ浮かんできます。
小学校入学の時点で、水季は自分の病気のことを夏美先生に伝えていたという描写が以前あったと思います。
自分がどうとかじゃなく、海が一番大切、海のために、きっとそうやって何度も何度も言って、心からそう思ってやってきたんだろうな、水季。

なんだかあれですね、水季って、そもそもこの作品がスタートした時点から亡くなっているけれど、でもやっぱり存在ってずっとあって、回想シーンだったり誰かから語られる水季の姿を私たちはずっと見てきていて。
11話かけて水季のことを丁寧に丁寧に弔ってきたような、そんな感覚さえしてきます。
死ぬ=存在が消えるではない、ということがこの物語のテーマのひとつであり、11話そしてラスト12話に向けてより色濃くそのことが描かれていきそう。
だからかもしれませんが、ここにきてまた改めて、水季を想い弔っていく作業を、12話かけてやってきたのだなという感覚がします。


引っ越し

海を連れて、たくさんの荷物を抱えて、夏の家までやってきた翔平さんと朱音さん。
イルカのぬいぐるみを抱えて元気に「おじゃましまーす!」とやってきた海ちゃんに、「今日からはただいまね」と笑う翔平さん。
前回爆発した喪失感を背負いながらも、夏と海の新しい生活のために、そうやって声をかけてあげる翔平さんです。

荷物を夏に引き渡し、「あとこれ、細かく色々書いてあります」と、一冊のノートを夏に渡す朱音さん。
そういえば、朱音さんが色々と書き込みをしていた水季の母子手帳や、水季が書き込んだであろう海ちゃんの母子手帳の内容は、そんなに深くまではまだ明かされていませんね。
もしかしたらこのまま明かされないかもしれませんが、それならそれでいいです、ちゃんと夏くんや海ちゃんに届けば、それでいいです。

ここで朱音さんが夏に渡したのは、母子手帳ではなく白い表紙のノートのようなものに見えました。
朱音さんが書いたものかもしれませんし、水季が朱音さんに海を託した時から引き継がれてきているものかもしれません。
朱音さんだったり水季だったりの、親としての想いが、この手帳を介して夏にバトンとして渡される。
何気ないように見えて、そんな意味のあるシーンだったのではないかなと思います。

「くまとやまねこ」の絵本を忘れたことに気付いた海。
その大切さがわかっているのであろう朱音さんと翔平さん、はっとした表情をしてすぐ、「今度持ってくるよ」と声をかけてあげますが、「うん…」と不安そうな海ちゃん。
夏くんはここでは何も言いませんが、「絵本?」みたいな表情。
夏くんはその絵本のこと、きっとこの時点ではまだ知りませんからね。
特別残念そうにはしない、ただシンプルに「ん?絵本?好きなやつ?」くらいの表情だった夏くんのリアクションがとてもリアルで、温度差がとてもナチュラルに丁寧に描かれていて好きです。
ここで大げさに残念がったりしたらちょっと違いますもんね。

「おいで」と翔平さんが腕を広げると、笑顔でそこに飛び込んでくる海ちゃん。
「ごはんいっぱい食べてね」と、翔平さんがぎゅーっと海ちゃんを抱きしめます。
その隣で、「おばあちゃんもしてもらおうかな」と朱音さん。
朱音さんの胸に飛び込んだ海ちゃんを、朱音さんもぎゅっとします。
その様子を見て、なんとも言えない表情の夏。
中に上がっていただくように声をかけるものの、翔平さんと朱音さんは部屋には上がらず、「よろしくお願いします」と頭を下げ、出て行きます。
二人なりのけじめですね。
「はい」としっかりと返事をし、頭を下げ、二人を玄関で見送った夏。
閉まった扉を見つめて、少し息を吐き、気合を入れ直したような表情の夏。
そんな夏に、「ぎゅーってしようか?」と言ってあげる海ちゃん。
笑って海ちゃんを抱え上げた夏、ぎゅーっと抱きしめ合う二人。
可愛すぎやしませんか。
ニヤけました。二人とも可愛い。私もぎゅーした(略)

夏くんも、海ちゃんも、たくさんの不安はあるけれど、でも、二人ともお互いを好きで、お互いが大切で、その存在を確かめ合うようなシーンでした。
夏くん、海ちゃんの抱き上げ方もだいぶ上手くなっていて、二人の距離感が話が進むにつれて縮まっている様子もしっかり伝わってきますね。

夏のアパートを出た後、駐車場まで歩きながら会話する翔平さんと朱音さん。
「水季が家出た時もさ、ごはん余っちゃうとか、牛乳が飲み切らないとか、ぶつぶつ文句言ってたよね、寂しそうに。」と笑う翔平さん。
前回はちょっと翔平さんの悲しみが溢れ出し過ぎて心配でしたが、なんとか通常モードに戻ろうとされているようで、安心です。
決して悲しみが消えることなんてないし、海ちゃんがいなくなった家で過ごすほどに水季や海の存在を感じてしまう日々になっていくと思いますが、そういうことを抱えながらも、日々を、毎日を生きていかないといけないのが現実。
悲しみは悲しみとして持ったまま、新しい日を迎えて生きていく、そんな翔平さんや朱音さんの姿がとてもリアルです。

「一人いないと全然違うのよ。水季が帰ってくると今度は足りなかったりして。あの一人分の調整が難しいの。」と返す朱音さん。
「そっか、そうだね、海はまた帰ってきたりするもんね。」と翔平さん。
お花屋さんに寄ってから水季のお墓参りに行くことにした二人。
車に乗り込んだ朱音さんの表情からは、海ちゃんのこれからの生活に対する一抹の不安と、翔平さんの言葉により改めて感じたであろう、水季がもう二度と帰ってくることがないという事実を実感したような、そんな表情でした。
二人にとっては、水季が亡くなった後もずっと、海ちゃんがいたから。
海ちゃんの存在を通じてそばに感じることが出来た水季という存在、その不在を突きつけられる日々が、はじまります。

二人暮らし

一方、部屋で荷物の整理をしている夏と海。
水季が手作りしたバッグや水季とお揃いのTシャツを嬉しそうに見せる海と、うんと微笑んで頷きながら、「持ち物の名前書き替えないとね」と言ったり、海の服をしまう引き出しを教えてあげる夏。
ママの話を夏くんに教えてあげようとする海と、この先の生活のことを考えている夏。
夏くんが海ちゃんをぞんざいに扱っているとか、水季との思い出を軽視しているとか、そんなことは全然、一切なくて。
でも、今までを向いている海と、これからを向いている夏。
二人の微妙なすれ違いが、ここでもじわじわと描かれていますね。

「夏くんはママに何かもらった?」と海が聞くと、「多分別れた時に捨てたと思う」と夏。
お、捨てるタイプなんだ。なんか意外。そこはドライなのね。私も捨てるけど(聞いてない)

こういう、淡々と事実を言う夏くんが、夏くんらしくて、子ども慣れしていなくて、もう!と思いつつ、らしいなあと笑ってしまいました。

夏がハッとして海の方を見ると、海は弥生からもらったピンクのイルカのぬいぐるみを取り出し、これも捨てた方がいいかと夏に聞きます。
弥生さんと夏が別れたということは聞いていた海ですから、別れてママの物を捨てたということは、これも捨てた方が良いのかと、気を遣ったんですよね。
夏は弥生から預かった水色のイルカのパペットを海に渡し、「持ってていいんだよ」と笑います。
弥生さんからもらったピンクのイルカも、パペットも、持ってるままでいいよ。
この言葉はきっと、この時の海にとっては、ママのものを持っていてもいいよという意味にも聞こえたのではないでしょうか。
夏もきっと、別れたから、いなくなったからといって全部捨てなくていいよということを海ちゃんに伝えたかったはず。
海の荷物の中から、翔平さんが用意してくれたという海辺で撮った水季と海の2ショット写真を見つけた夏は、海から見える場所にその写真を飾ってやります。

なんかこう、片付けしている部屋から、水季との写真とか新しく出てきたりしませんかね。
カメラの横に何本か現像していないフィルムも置いてあったしな。
新田写真館にぜひもう一度行っていただいて、最終回でもう一度、コガセン、じゃないや、新田さんに会いたいです(願望)

その日の夜、お風呂を上がった夏、海が寝ているかと思いそろりそろりとベッドの方へ行くと、水季にもらった水色のイルカのぬいぐるみを左側に抱えて横になりながら、まだ起きていた海。
夏が「寝れないの?」と声をかけると、起き上がった海は、「ねえママここにいた?」と、ベッドを触りながら海に聞きます。
ここにいたんだよなあ、水季。弥生も。(小声)

このアパートは二人で暮らすには手狭ですし、今後海ちゃんの成長に合わせておそらく引っ越しをする日がやってきそうですね。
それまでの間とはいえ、水季がいたこの家に、夏が今も住んでいて、そこに海と夏が住む、そういう空間があったことは、海にとっても、そしてこの二人が新しい暮らしをスタートさせるためにわかりあっていく第一段階としても、よかったことかもしれません。

「来たことあるよ。水季がどうかしたの?」と夏が言うと、「いたのかなあって」と言いながら、シーツを触る海。
南雲家の水季のベッドでは、シーツをきゅっと握っていました。
イルカも左側に抱っこしているし、新しい場所で、いつも左側にいたママの存在を確かめたいかの様子。
「思い出しちゃっただけ?慣れない場所だから寂しくなるよね。」と声をかけつつ、明日お出かけしようねと話す夏。
それを楽しみに眠りについた海でした。

まだ初日とはいえ、夏くんも海ちゃんに結構気を遣ってあげてはいるんですよね。
でも、「思い出しちゃっただけ?」とか、決して冷たくない、むしろ夏なりに海に寄り添おうとしてかけた言葉なのに、それがなんとなく海ちゃんの心のささくれを少しずつヒリヒリとさせていくような言葉になってしまっていて。

海ちゃんはこれまで、水季が亡くなってから南雲家で過ごしていた時間の中で、もちろん水季が死んでしまったことを実感することはあっただろうし理解しているだろうけれど、ママのことってきっと、"思い出す"とかじゃなくて、当たり前にそばに感じる存在だったのだと思います。
もう死んでしまっているから、会えないし、生きていないけれど、確かに一緒にいたし、その"いた"ということが、ちゃんとずっといつも心の中に"ある"。
そういう海ちゃんにとって、「捨てる」とか「思い出す」とかって、なんとなく言葉にしがたいような違和感があって、だからそういう言葉に触れる度に、じっと夏くんのことを見たり、何か考えている様子を見せるんだろうな。
一度リアタイして第11話の展開を知った上で観直しているから、いちいち切なくなってしまいますが、夏くんが夏くんなりに、海ちゃんの気持ちに寄り添おうとしながらも親として新しい二人暮らしの生活を始めていこうとする様子はとても真面目で真剣で、頑張れとただただ応援したくなりますね。

ベッドに海ちゃんを寝かせて、自分はその隣の床に布団を敷いて寝る夏くん。
いやー、狭いよね。もうちょっとしたら引っ越そうね(笑)
でも、くまさん?柄のタオルケットとか、新しいシーツとか枕とか、海ちゃんのために買ってあげたのかなと思うとちょっとほっこりしますね。

朝起きると、ベッドにはタオルケットがかかったイルカのぬいぐるみ。
ママ(イルカ)をそこで寝かせてあげた海ちゃんは、夏の布団で、夏の腕にしがみつくようにして夏と一緒に眠っていました。
そんな二人の姿が微笑ましいし、ママの代わりに今はパパがそばにいるということでもあり。
パパの隣で安心して眠れる程度まで、やっぱり二人の関係性は確かに築かれつつあるし、海ちゃんは夏くんを信頼しているし、大好き。
いろいろな不安はありつつも、二人で寄り添って新しい未来を生きていく。
新たな暮らしのはじまりです。


新しい街

翌日、海ちゃんのリクエストで近所の図書館にやってきた夏と海。
新しい図書館に慣れない様子で、俯き加減できょろきょろと辺りを見回す海の様子を見つつ、「何か探してる?」と夏が聞くと、何も答えずに歩いて行く海。
夏くん、海ちゃんのことをじーっと見て、何か様子が変かなと感じ取っている様子。
これまで弥生さんが何かを抱えてしまっている時にその様子をじっと見つつ気に掛けていた時の夏と同じような感じだったので、何かしら海の様子を感じ取りつつ、それがまだ何かはわからない、みたいな状態なのだと思います。

図書館を出て、新しく海が通うことになる小学校までの道のりを手を繋いで一緒に歩いている二人。
学校の前までやってきた海ちゃんの様子はやっぱりどこか不安げ。
そんな海に、「次の学校は俺が一緒だから。最初の日も朝一緒に行くし大丈夫だからね。」と、安心させるように夏は声をかけてあげます。
「ママいないけど?」と不安そうな海の手を握ってやり、「いない分、頑張るから。」と夏。
新しい学校、ちゃんと通えるか、友達は出来るか、そういう心配は当然海ちゃんにあるはずで、その不安を和らげるために、一緒にいるから、俺もいるから大丈夫だよと声をかけてあげる夏くん。
全然不正解じゃないけど、でも、海ちゃんはそういうことに加えて、ママが知らない学校、ママと一緒に過ごした学校じゃない学校に行くということに、不安や寂しさを感じてしまっているんですよね。
こういうことが砂時計みたいに少しずつ溜まっていってしまって、今回は結局海ちゃん家出事件に至ってしまうわけですが、やっぱり夏は夏なりに海ちゃんを気に掛けて声をかけてはいる。
夏くんの人とのコミュニケーションスタイルって結構いつもこんな感じで。
常に相手のことを考えてあげて、相手の表情とか言葉から何かしらの違和感を感じ取るのもわりと出来て、で、自分なりに寄り添おうとするのだけれど、少しズレているところがあったりして。
でも、根本に「わかった気になってはいけない」「相手ファースト」みたいなところがある人だから、自分の中であれこれ考えてもそれが答えだと勝手に決めつけずに相手の言葉を待つし、もう待っていられないなっていう時にはズケズケと(言い方w)踏み込んで心の声を吐き出させるようなところもある。
だから、きっと、海ちゃんとの関係も、きっと大丈夫だな。
うん。そう信じたい。信じさせてください、よろしくお願いします、最終回(切実)

夏くんに対してあまり思っていることを上手に言えなさそうな海ちゃんも、夏くんの顔色を伺って言いたいことが言えずにいる、というよりは、この時点ではまだ、海ちゃん自身の中でモヤっとしているものがまだモヤっとしすぎていて、言葉にしたり感情に紐づくに至っていない段階、っていうことのように見えました。

まだ不安そうに「うん」と答える海の手を取って歩き出す夏ですが、海ちゃん、ママの絵本をおばあちゃんちに取りに帰りたいと言います。
この言葉を受けた夏、少し無言で考えてから頷いてやるのですが、この少しの無言の間の中に、「やっぱりママがいいのかな(俺じゃ不安なのかな)」とか、「引き取って2日目にしてもう南雲家行くのか(ちょっと気まずいな、二人で頑張るって決めたのに)」とか、「新しい環境、海ちゃんやっぱり嫌なのかな」とか、「絵本そんなに大事なやつなのかな」とか、色々な思いが巡っている様子が感じ取れるようでした。
言うて二人暮らし2日目ですからね。
あんな涙の(泣いていたのは私)ハグをしてよろしくお願いしますと預けてくれた翔平さんと朱音さんの元にもう帰るっていうのも、ちょっと気が引けるところあるんじゃないかな。
でも夏くん、いろいろ考えてしまってはいそうだけれど、「うん」とも「ううん」ともつかないあの曖昧な返事って、そういえば海ちゃんに対してはあまりしませんね。
ここでもちゃんと、「うん」って寄り添ってあげた夏くん。
もともと得意ではない子どもとのコミュニケーションを親として向き合ってやっていくにあたり、夏くんも夏くんなりに、自分を変えたり、生活を変えたりして、頑張っているんですよね。


南雲家も二人暮らし

南雲家にて、「海ちゃん!洗濯物干すの手伝って!」と、つい癖でもういない海に呼びかけてしまう朱音さん。
はっと気付き気まずそうにする朱音さんを見て、「はーい。僕やりますよー。」と洗濯機の方へ歩いて行く翔平さん。
こういうムーブが出来る翔平さんが戻ってきてよかった。
こちらもこちらで、また新しい二人暮らしのはじまりです。

翔平さんってやっぱり、朱音さんが弱り気味の時は、こうやって和ませたり、頼もしくいてくれるんですよね。
前回ちょっと弱いところを見せてしまった照れ臭さもあるのかもしれません。
どちらかが弱っている時は、どちらかが放って置いたり支えてあげたりして、この夫婦、きっと不妊治療をしていた時も、水季と折り合いが悪くもめた時も、水季が家を出て行った時も、妊娠出産した時も、病気がわかった時も、実家に戻って来た時も、亡くなった時も、こうやって二人で、寄り添い合って生きてきたんだろうな。
それでもやっぱり、そこにいた誰かがいなくなることって、何度目だって慣れなくて。
受け入れて過ごしていくしかないけれど、やっぱり時間はかかるし、慣れない。
どうしようもなくぽっかりと空いてしまった穴の虚しさや寂しさ、でも暮らしていくんだという現実、暮らしていくしかないし、きっとやっていけるよ、そのうち大丈夫になるよという希望。
この二人だからこそ伝わってくるものがありすぎて、切なく、でも未来を向いていくために必要なシーンでした。

そんな翔平さんのリアクションに少し微笑んだ朱音さん。
買ってきた食材を冷蔵庫にしまいつつ、飲みかけのオレンジジュースのパックを手に取り、「消費期限、絶対飲み切らない…」と呟きます。
買ってきた食材も、1/2カットのキャベツとか、バラの野菜とか。
海ちゃんや夏くんがいた時は丸ごと1個とかパックで買ったんだろうなと思う食材も、翔平さんとの二人暮らしなら、半分で済んでしまうんですよね。
オレンジジュースなんて二人で飲まないだろうし。
夏が南雲家ステイをした時にも、「ごはん何合炊けばいいかな」とか、新しいお茶碗を買うとかで人が増えることを表現する描写がありました。
食べ物とか日用品とか、日常生活に紐づく言葉や表現で人の増減を表現するって、本当にその人の存在が生きることに紐づいているように思えて、嬉しくなったり切なくなったりしますよね。
生方さんの作品では度々登場する表現です。

棚から水季の落書き入りの小鍋を取り出した朱音さん。
ふと横を見ると、「その鍋まだ使ってんの?捨てなよ!」と笑う水季と、「何?」と鍋を見て笑う海の姿が。
ママ子どもみたい、海より小さい子どもの時だよ、と笑い合う二人。
そんな二人の姿が見える朱音さんの表情が、嬉しそうで、眩しそうで、愛おしそうで、切なそうで。
そう、眩しそう。
ここの朱音さんの表情だけで、涙がぽろぽろぽろっとこぼれてしまいました。

ふっと消えてしまった二人の姿。
鍋を抱えてその場に座り込んでしまう朱音さん。
どうしても涙が溢れてきてしまい、声を押し殺すようにしながら、鍋を抱きしめるように泣く朱音さん。
抱きしめているのは、鍋じゃなくて、水季、なんだろうな。

海ちゃんがこの家を離れていくことで、水季をあらためて手放してしまったような喪失感がきっとあって。
海ちゃんはまた会えるけれど、水季はもう戻らないということを思い知る感覚もきっとあって。
夏と海の二人暮らしに反対はしないし、応援しているし、二人の、海の幸せを願っている。
その気持ちに嘘はきっとないけれど、どうしようもない"不在"の大きさをくらってしまっているような朱音さん。
水季と海を眩しそうに見つめる表情から一転した涙のシーンが、本当に苦しくて。
台詞なんて一言も発していないのに、すべての感情が伝わってくるような、大竹しのぶさんの素晴らしすぎる、えげつないシーンでした。

そこで鳴った南雲家のチャイム。
絵本を取りに帰って来た海と夏を、はーいと出迎える翔平さん。
翔平さん、洗濯機の方へ行きつつ、あえて声はかけなかったけれど朱音さんが泣いている声とか姿とか、聞いたり見たりしていたかもしれないですね。

なんとか落ち着こうと涙を拭く朱音さんの元へ、元気よく走って来た海ちゃん。
おばあちゃんの様子に驚きつつ近寄り、「海いなくて寂しかった?」と聞くと、「海ちゃんいなくなって、水季がいないことまで思い出しちゃった。二人分寂しくなっちゃったの。でも大丈夫。今海に会えたからもう平気。」と朱音さん。

「ママはもう会えないよ」とぽつりと呟いた海。
「ね。困っちゃうね。」と、少し笑う朱音さん。
朱音さんの隣にそっと座った海に、朱音さんは水季の落書きを見せて、二人、静かに笑います。

そんな様子を廊下から見ていた翔平さんと夏。
夏くんの表情が、なんとも言えない、何も言えない、そんな感じで。
何かを言うべきでもないもんね。

夏くんのことを擁護しようとかではないんですけど、夏くんにとっても水季の不在はとても大きくて。
嫌いになって別れたわけではない人、自分が知らない間に自分の子を産み育てていた人、今自分が海ちゃんと向き合う中で、水季に会って聞きたいこと、聞いてほしいこと、夏くんだって抱えきれないほどあるはずで。
でも、前に弥生さんや実の父親・基春の前で口にしたように、自分よりも悲しく辛く寂しい人たちの前で、自分なんかが簡単に寂しいとか辛いとか、言えない。
今だってそう思っているであろう夏くん、朱音さんや翔平さんの姿に対して、そしてママがいないことを寂しがる様子の海ちゃんに対しても、「辛いね」とか「寂しいですよね」とか「自分も同じ気持ちだ」とか「わかります」だとか、そんなこと、簡単に言えないんだよね。
わかった風に出来ない夏くんだし、わかることが出来るなんて、きっと思えないくらい、自分はいなかった、自分が知らなかった、そこに責を感じてしまう人だから。

だから黙るしかなくて、背負うしかなくて、ぐっと飲み込んで踏ん張るしかなくて。
良い意味で、時間が癒してくれるものもきっとあるし、何か新しい生活を始めるにあたってはどうしても一定期間伴う痛みのようなものはあるから、今はみんながそれを感じて、向き合って、やっていくしかないのだけれど。
朱音さんの涙に心をぎゅっと締め付けられつつ、夏くんにも想いを寄せてしまうシーンでした。

その日の夜、夏の家で寝る準備をしている海。
水色のイルカのぬいぐるみにタオルケットをかけてあげたところで、棚に置いた弥生にもらったピンクのイルカのぬいぐるみを見つめる海。
夏が「寝る準備出来た?」と声をかけると、海はピンクのイルカもベッドに置いてあげます。
「一緒に寝てあげるの?」と夏が聞くと、「夏くん、スマホ貸して」と海。
海ちゃんが電話をかけた相手は、お友達の弥生さんでした。

ピンクのイルカ。
ママ(水色のイルカ)だけをそばに置いたら弥生ちゃん(ピンクのイルカ)に悪いかな、という気遣いなのかなとも一瞬思ったのですが、そばにいて会える弥生ちゃんが今の海ちゃんには必要で、一緒にいたくなって、会いたくなったのかなと思います。
寂しがるおばあちゃんの姿を見てしまったり、なんとも言えないモヤッとしたものを抱えている海ちゃん、なんとなく夏くんには言えなくて、あ、そうだ、こういう時は友達だ、そう思って弥生さんが浮かんだのかなと思います。

夜々

別日、弥生さんと手を繋いだ海が嬉しそうにやってきたのは、表参道の美容院・snail。
「いちばんすきな花」で夜々が働いていた美容院で、以前髪がテーマとなった回で弥生さんが母親というものをくらったあの美容院。
いつかの回想シーンにて、「いつか東京の表参道の美容院に行こうね」と話していた水季と海。
弥生さん自ら美容院行こうよと海に提案した気がしないので、おそらく海ちゃんがママとしたその話を思い出して、行きたいとリクエストしたんじゃないかな。
ママと来た場所ではないけれど、ママと行こうねって話していた場所。
ママのいない新しい街で、ママを感じたい、そう思ったのかなと思うと、海ちゃん、可愛くて苦しいです。

なんて思ってたらですよ!!!!!!!
夜々!!!!!!!!!!!!!!!!!
夜々!!!!!!!!!!!!!!!!!
夜々!!!!!!!!!!!!!!!!!

リアタイしていた時、3回は叫びました(笑)
夜々だよ!!!!!!!!!!!!!!!!!

「いちばんすきな花」で今田美桜さんが演じた夜々ちゃんが!!!!!!
海ちゃんの髪を切っている!!!!!!!!
夜々ちゃんの子ども時代を演じた星奈ちゃんと共演している!!!!!!
なんなら有村架純さんと今田美桜さんの共演も贅沢すぎんか!!!!!!

以前弥生さんの担当として夜々と働いていた谷本さんもまた登場されていました。
思わず相良くんの姿も探してしまった私。
こういうシェアードユニバース、嬉しすぎます。
椿さんゆくえちゃん紅葉くんも元気にしてる?
未だに家具屋で4人で会ってるの?
ああ、懐かしい!!嬉しい!!!と大興奮でした。
ちなみに「いちばんすきな花」放送当時、夜々が好きすぎてPCに単語登録をしたので、今でも私のPCでは、「よよ」と打つと「夜々」と一発で変換されます(笑)

毛先を巻いてもらって嬉しそうな海ちゃん、微笑む夜々と谷本さん、そして弥生さん。
お会計を終えて、「どっかお出かけ行くの?」と海に話しかける夜々と、嬉しそうに頷き「うん。友達と。」と弥生さんの方を見る海。
「ね。」と笑う弥生と、「楽しんでね。また来てね。」と見送る夜々。
夜々ちゃん登場シーンはこのほんの数秒でしたが、めちゃめちゃ嬉しかったです。
何が嬉しかったかって、夜々ちゃんが変わらずいちばん好きな紫色の服を着ていたことと、弥生さんと海ちゃんの「お友達」という関係値に何も言わずただ受け入れて笑顔で見送ったことです。

好きな色の服を着て自分らしく働いている様子の夜々ちゃん、あれから母親とのことも乗り越えたり、きっとあの3人や美鳥ちゃんとの関係も続けながら、自分らしく生きているんじゃないかなととても嬉しかったです。
そして、性別とか年齢とかに捉われない夜々ちゃんらしい感覚。
弥生さんと海の二人組を、親子とも姉妹とも決めつけないし、弥生さんも特に説明もしないし、それでいい。それがいい。
弥生さんが以前、母親になりますなれますモードでやってきてその羽根を折られたこの美容院に、今度はこうして友達とやってこれたことも、よかったです。
ああ。本当に嬉しいシーンでした。ありがとう夜々ちゃん!!!!!


デート

海と弥生のお友達デート。
お次は海のリクエストで、甘いものを食べにカフェへ。
美容院とこのカフェ、多分どちらのロケ地も本当に表参道で、本当にリアルに近い場所にあるので、行動がとってもリアルだなと身近に感じました。
経堂に住んで表参道の美容院とカフェに行く。
優雅なOLの休日を満喫するかのような海ちゃんがとても可愛い。
こういうのって夏くんとは出来ないから、女同士ならではで、いいですよね。
水季と行ったであろうファミレスや水族館も、弥生ちゃんと行く美容院もカフェも、海ちゃんにとって素敵で楽しい思い出になるんだろうなと思うと、嬉しいです。

カフェでケーキを食べながらおしゃべりする二人。
ママが髪を切ってくれたこと、バッグを手作りしてくれたこと、嬉しそうに水季の話をする海ちゃんと、すごいね、お気に入りなんだね、と話を聞いてあげる弥生さん。
ママがね、ママがね、と、まだ数日とはいえ、南雲家を離れてから言葉に出来ずにいたママとの思い出を嬉しそうにうわーっと話す海ちゃんですが、ふと言葉を止めて、「弥生ちゃん、海に会えなくなるの寂しい?」と聞きます。
「寂しいよ。だから電話くれてすっごい嬉しかった。」と弥生。
「ママの話してていい?」と聞く海に、「いいよ。ママのこと教えて。会ったことないけど海ちゃんのママ好きだから。」と弥生。

弥生さんがこうやって心から言えるのって、やっぱり夏と別れたからだし、海ちゃんと友達になったからだし、水季の手紙を読んだからで。
母親になろうとしていた時は、こんな風に海ちゃんから水季の話を聞くことにも疎外感や辛さを感じてしまう、そんな自分に罪悪感や嫌悪感を抱いてしまったであろう弥生さん。
夏の別れや、海を母というかたちでは手放すという、決して簡単ではない決断をしたけれど、関係性が変わったからこその今だと思うと、その選択を「よかった」と言えるように、弥生さんやみんなのこれからが続いていったらいいなと願うばかりです。


ママのこと

笑顔になってまた水季のことを話す海に、笑いながら楽しそうにその話を聞いてあげる弥生ですが、海の様子がどことなく気がかりそうな表情。
海を夏のアパートまで送り届けた後、弥生さんは夏だけを玄関前に呼び出し、海に聞こえないように話をします。

「海ちゃん、ママの話していいのってわざわざ聞いてきて。」と言う弥生に、「ここ別れたの、自分のせいって気にしてるみたいだから」と夏。
うん、それもあるんだよね。あるっちゃある。

「その感じは前もあったけど…。ママのこと忘れた方がいいとか言ってないよね?」と言う弥生に、「うん、そんなこと言わないよ?」と夏。
うん、そうなんだよね。そんなことは言ってないし、言う人じゃないんだよ。

「だよね。なんだろう、元気は元気なんだけど、水季さんのこと前以上にわーって話す感じあったからちょっと気になって。」と弥生。
うん、そうなんだよね。さすが察しの良い弥生さん。
それに対して、心当たりがなくもないけどありありでもない、みたいな絶妙な表情の夏くん。
うん、それそれ。それなの。合ってるよ。その感覚、大切。(誰)

夏くん、まだそれがなんなのか正体は理解出来ていないけれど、ずっとそのモヤモヤ、夏くんにもあるんだよね。海ちゃんにちゃんと感じてる。
弥生さんにこのコメントをもらったことで、より夏くんが気に掛けることが出来るようになればいいのですが。

しかし、こういう関係性を見ると、やっぱり人って、相手が大人とか子どもとかに限らず、1対1の世界だけでは拾いきれないものとか向き合いきれないものとかってたくさんあるんだな、と思わされます。
少し視点の違う場所から見てくれる人が周りにいるだけで、気付けるものとか、防げるものとか、乗り越えらえるものとかってきっとあって。
シングルマザー/ファザーの二人家族を否定する気はまったくもってありませんが、二人の親で子育てをしていくって、やっぱり二人の大人がそれぞれの視点でその命を見つめていくものだから、見つめる目や考える頭、感じる心が倍になる分、変わってくるもの、見えてくるものって、きっとありますもんね。
だからといって今の夏くんに妻が必要だとか弥生さんとヨリを戻したらっていう話ではまったくないし、親としての二人組に限らず、頼れる人や相談出来る人、わかってくれる人がいればいるほど、絶対に頼もしい。
現実世界では、今の夏くんみたいに、弥生さんや津野くん、月岡家や南雲家のような周りの人と関わることが出来る環境がある人もいれば、そうでなくて本当に孤独に一人で親をやるしかない方もいて、親しかそばにいない子どももいて。
環境って大きいよなあと、つくづく思ってしまいますね。
夏くんのこと、客観的に観ている私たちは、それは違うんじゃないとか、こうしたらもっと良いのではないのかとか、色々思うことが出来るけれど、いざ自分がとなったら、しかも一人でってなったら、間違えることなんて絶対ある。どうしたってある。
だからこそ、誰かが周りにいることとか、周りにいる人に自分を開示したり頼ることが出来る力というのは、生きて行く上で大切なんだなと改めて思います。


新しい学校

朝、登校初日の海ちゃんにトーストを食べさせながら、スーツ姿で三つ編みをしてあげる夏。
うんうん!上手くなってる!!!
ちゃんときゅっとしてあげられるようになった夏くん、偉い偉い(母目線)。
帰りは鍵で入ってね、出来るだけ早く帰るね、名字違うから自己紹介気を付けてね、そんな声をかけてあげる夏と、「月岡海です!」と笑って上手に言う海ちゃん。
夏くんの方が緊張しているみたいで可愛らしいです(笑)
夏くんこれから授業参観とか運動会とかいちいち泣くんだろうな。
ちゃっかり一緒に観に来ちゃう大和も一緒に泣くんだろうな。
ああ、見たいです。スピンオフ「夏くん初めての運動会」(笑)

とは言え海ちゃん、夏の話を聞きつつも、どことなく不安そうな、心ここにあらずといった表情。
「何か不安なことある?」と夏が聞いてあげますが、「大丈夫」と笑う海ちゃん。
首元には、水季の遺灰が入ったネックレスが今日もありますね。

さっそくお話しが出来る友達が出来た様子で、途中まで一緒に帰ろうと声をかけてくれる友達何人かと学校を出て来た海ちゃん。
子どもたちのランドセルの色が当たり前のようにカラフルで、女の子は赤、男の子は黒、という描写にしないのが、もはや当たり前なのかもしれないけれど、良いですよね。
海ちゃんにもさっそくお友達が出来そうでよかった。

一緒に歩いていたお友達に、「海ちゃんってお母さんいないの?」と聞かれ、「いたよ。ママいたよ。」と答える海ちゃん。
お友達の言葉にはなんの悪意もないけれど、転校初日で、きっと良い意味で人気者になってたくさん質問をされたであろう海ちゃん、これからもっと時間が過ぎて、大きくなっていく途中で、ママのことやパパのこと、聞かれて戸惑ったり、複雑な想いをすることも、きっとあるんだろうな。
大人でさえ、誰かの生い立ちや過去に対して、何気ない一言で誰かを刺してしまったりすることって、ありふれていますもんね。

前にいつかの感想でも書きましたが、たとえば水季のことを「恋人に黙って子どもを産んで育てて子どもを残して死んだ母親」とか、夏のことを「知らない間に子どもを産んでいた恋人に死なれて娘を引き取った男」とか、弥生のことを「恋人に子どもがいることがわかって別れた女」とか、海のことを「女手一つで育てられたが母親の死をきっかけに実の父親に引き取られた娘」とか、そんな風に誰かのことって簡単に語れたりしてしまうし、そうやって語られたことを通して人は勝手に過去を想像したり、かわいそうだと決めつけたり苦労したねと憐れんだりするけれど、その人の人生や出来事って、そんな言葉にはおさまりきらないほどのものが一人一人にあるし、誰にもそれを軽んじられたりわかった気で語られる筋合いなんてなくて。
なのになくならない"そういうこと"に触れる度に、海ちゃんも夏くんもみんな、揺らいだり傷ついたり躓いてしまうことが、この先の人生にもきっとたくさんあるんだろうな。
そんな時にきっと、そばにいる人、信頼できる人が、分かってくれている人がいるということに救われる日はきっとくるから、そういう誰かの存在が、みんなにとってありますようにと、願うばかりです。


ママはいない人なの?

一人でアパートに帰宅し、ランドセルから鍵を取り出し、誰もいない部屋に「ただいま」と入っていく海ちゃん。
「おかえり」の声がしない部屋で、一人ぼっちで宿題をしながら、ふと水季の写真に目を向け、「くまとやまねこ」の絵本を抱きしめてベッドに行き、水色のイルカのぬいぐるみを抱っこしながら絵本を読みます。

海ちゃん、水季と二人暮らしの時もこうやって一人でママの帰りを待つことはあったと思いますが、その時は当たり前にママはいて、ママは絶対に帰ってきた。
夏と暮らすようになり、慣れない環境で一人ぼっちというのはやっぱり寂しいし、最近まではずっとおじいちゃんやおばあちゃんがいたし、寂しい時は津野くんに電話したり図書館に行ったりも出来たでしょうから、こんな風に本当に一人ぼっちで過ごす海ちゃんの姿が、とても寂しそうに見えてしまいますね。

夜、帰宅して夕飯をつくる夏。
会社にも相談して、きっと藤井さんも協力してくれていて、出来るだけ早く帰って家事をして海ちゃんとの時間も取ろうと奮闘する夏くん。
公式Xによると、この日は豚肉を炒めつつ、その横にはにんじん、玉ねぎ、もやし、ピーマン。野菜炒めかな?
ちゃちゃっと出来て、野菜も取れるやつ。
夏くんなりに考えて買い物をしてきたのかな~と考えると、ちょっと微笑ましい。

ちょっと話が逸れるんですが、私自身、結婚して夫と暮らすようになってすぐの頃は、仕事をしながらも出来るだけ早めに切り上げて献立を考えてスーパーに寄って料理して、洗い物してお風呂沸かして…と、一応張り切ってやっていましたが、めちゃめちゃ疲れるんですよね。もう超疲れた(笑)
最初って、張り切ってしまうんですよね。
やりたいし、やれる自分でいたいし、やらなきゃって思うし。

私の場合はすぐに"これずっとは無理"と思って(諦めが早い)、共働きのうちは平等じゃと開き直り、夫に出来ることはやってもらったり、出来ない時は料理はサボって外で食べたり買ってきたりしながらバランスを取れるようになっていきましたが、夏くんの場合は、投げ出せないからね。

自分がしんどくなりすぎないように、たまにはお惣菜コロッケ買ったり、野菜もカット野菜を買っちゃったりさ、実家を頼ったりさ、バランスが取れるようになるまで時間はかかると思うけれど、頑張り過ぎないでね。
頑張りたい夏くんの気持ちを尊重して応援はしつつも、自分に重ねてそんなことを思ってしまいました。

そんな夏の横に張りついて、友達が4人出来た、ママが作った上履き入れをかわいいねと褒められた、と嬉しそうに話す海ちゃん。
一人でいた時間はやっぱりきっと寂しかったから、夏くんが帰ってきて、話が出来るのが嬉しいんだよね。
夏くんのパンツのポケットあたりをにぎにぎしながら話す様子が、可愛らしくて、ちょっと寂しかったんだろうなというのも伝わってきます。

その話を笑って楽しそうに聞く夏くん、「あとは?」と海に聞くと、海ちゃんは少し考えながら、「ママいないのって聞かれた。なんて答えればいい?」と聞きます。
手と火を止めて海に向き合い「ママいないけどパパがいるって言えばいいんだよ。俺がいるから。」と夏。
片手間にしないでちゃんと向き合ってあげるのはやっぱり夏くんらしい優しさだし、海ちゃんの温度がちょっと変わったことをちゃんと感じ取ってるんですよね。
そういう人の心のモヤモヤとかには意外とすぐに気付いてあげられる夏くん。
きっと夏くんなりに考えて、今の海ちゃんが環境の変化によって「ママがいない」ということを実感してしまっていると考えたり、片親しかいないということでお友達にこれから何か言われてしまうことで海ちゃんが傷つくこととかも想像したかもしれません。
ママはいないけど俺がいる、だから大丈夫だと、海ちゃんを安心させようと夏がかけた言葉を、「うん」と受け止めた海ちゃんですが、寂しそうな表情は消えません。

海ちゃんにとってずっと引っかかっている、「ママがいない」ということ。
海ちゃんにとっては、ママはいなくなったけれど、会えなくなったけれど、ママがいたことは今もずっと"ある"し、ママは確かに"いた"んだよね。

お友達に聞かれた時に「いたよ」と答えた海ちゃん。
海ちゃん目線で考えてみた時、「ママいないの?」って聞かれて、「いないよ」とは、確かに答えられないよなあ。酷すぎる。
言いたくないし、「いた」し、「いなくなった」けど、「いない」じゃないんだよね。

例えば水季と二人暮らしだった時にも、「パパいないの?」って聞かれたことはあったかもしれないけれど、パパは最初からいなかったから「いないよ」と答えられたかもしれません。
もしくは、水季がいつか海に「パパはいるよ、パパがいないとママになれないの」と話したことがありましたから、「パパはいるけど一緒にはいないよ」とかも、寂しさは伴わずに、シンプルに答えられたかもしれません。
そう考えると、海ちゃんにとって「いない」って、水季と二人暮らしだった時の夏くんみたいなことなんですよね。
生物学的な父親としての存在とか、生存しているかどうかということではなくて、夏くんは自分の目の前にずっといなかったから、自分にとってはシンプルに、「いない人」だったし、「いない」ということに寂しさが紐づかなかった。
でも水季はずっといたから、夏くんと同じ「いない」じゃないんだよね。
だからこそ、「いないの?」って聞かれて、「いない」とするのは抵抗がある。だってママはいたから。
そんな風に考えると、海ちゃんのモヤモヤを、少し理解出来るような気がします。

夕食を終えて洗い物をする夏、海に呼ばれてベッドまで行くと、水色とピンクのイルカのぬいぐるみの間にちょこんと座った海が、「夏くん」と両腕を広げます。
「どうした?」と近寄って、海ちゃんを抱っこしながら背中をぽんぽんとたたいてあげる夏。
こんな海ちゃんがいたらたまらんな。
海ちゃんを抱きしめてあげたいし、夏くんに抱きしめてほしいです。
いやすみません本当にごめんなさい、目黒蓮さんにごめんなさい。
謝罪はしますが訂正はしません、言うだけなので許してください(笑)

夏にぎゅっとしがみつきながら、「ママは?ママいたのに、いた感じしなくなっちゃった。」と海。
これが、そのまんまの海ちゃんの気持ちなんだろうな。

やっぱりこの家に来るまで、水季が亡くなった後も、水季がいた場所で過ごしていた海ちゃんにとっては、ママは"いた"んだよね。
ママが死んじゃったことを感じる以上に、ママがいたことを確かに感じながら過ごしてきた海ちゃん。
だからきっと、寂しくなかったわけじゃないけれど、今みたいな寂しさは感じなかったんだろうな。
ママがいた場所に、ママと一緒に、いたから。

引っ越して、ママにもらったぬいぐるみと絵本、ママがつくってくれたバッグ、ネックレス、写真、ママを感じられる物はたくさんあっても、ママといた場所がなくって、周りの人はみんなママのことをいないって言う。
ママ、いたけどな。いたんだけどな。その感じがしなくなっちゃった。
そうだよね、海ちゃん…。

でもこういう本音を海ちゃんが夏くんの前でこぼせるのって、以前夏くんがこの家で弥生さんと海ちゃんと三人でいた時に、悲しいなら悲しいって吐き出さないとって、海ちゃんを泣かせてあげたことがあったからこそだと思うんですよね。
あと、津野くんが、夏くんのこと困らせてもいいとか、嫌いにならないよって言ってあげたことも大きいと思う。
周りに気遣いする海ちゃん、少し大人びたところもあるし、あんまり感情のままに泣いたり怒ったりすることってないけれど、こうやって少しずつでも夏に気持ちをこぼせるようになったのは、その分夏くんはくらっちゃうことも戸惑うこともあるとは思うけれど、海ちゃんにとって、そしてこの二人のこれからにとっては良いことであり必要なことだと思います。

海の言葉を受けて、優しく話し始める夏。

夏「海ちゃん、水季が亡くなったことはわかるんだよね?」
海「うん。死んじゃったのはわかってる。」

ここでまず夏くんは、死というものについての理解を海ちゃんに確認をするんですよね。
海ちゃんが抱えている不安が、「なんでママはいないの?」「どうして死んじゃったの?」「死んじゃうってどういうこと?」だとしたら、話しをする内容って変わってくるから。
やっぱりまず海ちゃんの気持ちを知ろうとする夏くんのコミュニケーションスタイル。
きっと環境が変わったから余計寂しさ感じちゃってるんだろうな、みたいなことは頭の中では考えていたとは思うけれど、どこか様子が違う海ちゃんのことを気にかけて、子どもだからこうだろうとか、こういう場合はこうだろうとかっていう決めつけをせずに、ひとつずつ確認をしながら向き合う、そういう真剣さが感じられます。

その上で、話しを続ける夏。
「おばあちゃんちより一人でいる時間長いから、寂しいよね。ごめんね。思い出して寂しくなるなら、無理に水季の話しなくてもいいからね。」

ママが死んじゃったことはわかるけど、今までしていた"いた感じ"がしなくなっちゃった。
そう話す海ちゃんに対して、"いた感じ"がしなくなった明らかな原因としてはやっぱり暮らす場所や一人時間の増加という環境の変化がありますから、それに対して謝った夏くん。

夏くんなりに仕事を調整したりしてはいるだろうけれど、おじいちゃんおばあちゃんみたいに一緒にいてあげることは出来ないし、どうしたって海ちゃん一人ぼっちの時間が増えますからね。
これからは例えば月岡家で過ごさせたり、お友達と遊んだり、習い事をしたり、学童とかがもしあるなら通ったりすることで一人時間は解消していけるかもしれませんが、まずは暮らしを整えることが最優先のこの状況で、どうしても以前と比べたら増えてしまった一人の時間、その時間の中で海ちゃんが余計に寂しさを感じてしまうというのは、事実としてあると思います。

一人の時間に、ママのことを考えてしまう。思い出してしまう。
いないんだなって実感してしまう。だから寂しい。
だとしたら、ママの話、無理にしなくていいよ。
ママのことを俺に教えようとしてくれているんだとしたら、それで寂しくなるなら、無理に話さなくてもいいよ。
…ということなのかな?

確かに夏くん、自分からママってどうだったのって海ちゃんに聞き出すようなことは全然していないですよね。
夏くん的には知りたいことっていっぱいあるんじゃないかなと思うけれど、聞いてしまうことでママのことを思い出させて海ちゃんが寂しい思いをしないように、とかまで配慮しているかもしれないですね。
そういう思いからのこの言葉だったのかな?

夏くんの知らない海の様子まで目撃している私たち視聴者的には、「水季の話しもっとしていいよって言ってあげて!」と夏に言ってあげたくなってしまうところなので、なんで「無理に水季の話ししなくていいよ」って言ったのかな~と考えてみているのですが、こういうことですかね?

弥生さんから玄関前での話しを受けた時も、夏くんの思考回路的には、「海ちゃんは自分と弥生が別れたのは自分(海)のせいだと思っているから、弥生の前で自分(海)の母親の水季の話をしてしまったことを気にしたのでは」でしたもんね、きっと。
ママの話しをすることで、自分のせいでという思考に海がなってしまったり、ママがいないことを実感してしまうなら、話さなくてもいいんだよ。
そういうことかい?夏くん。

でも、「ママのこと忘れなよ」とは絶対言わない夏くん。
二人で頑張ろう、俺が親をやる、俺がそばいにいる、そうやって自分を奮い立たせたり追い込んだり、ちょっと父親ハイみたいになっているところはあるかもしれないけれど、ママの代わりになるとか、水季の存在を消すとか上書きするってことでは、ずっとないですもんね。
ママのことを覚えていることも、ママとの思い出を大切にすることも、ずっとそのままでいいけれど、もしそれが辛いんなら、しなくてもいいんだよ。
忘れる必要もなかったことにする必要もないけど、あえて口に出さなくてもいいよ。
そういうことなのかな。

「ママはいない人なの?」と聞く海ちゃんに、「俺はいなくならないから。二人で頑張ろう。ね。おいで。」と言い、海ちゃんを抱きしめる夏くん。
その表情からは、母親を失った寂しさに直面している海ちゃんを心から守りたいと寄り添っているようにも見えましたし、「俺の対応これで合っているのかな?」みたいな、海ちゃんの気持ちに自分は寄り添えているのだろうか、その上で適切な対応をしてあげられているのだろうかと、少し不安を感じているようにも見える絶妙な表情でした。


海ちゃんがいない

別の日、学校から一人で帰宅する海ちゃん。
歩道橋から道路を眺めていると、どこかから水季が「海ー!」と呼ぶ声が聞こえたような気がして、辺りを見回します。
かつて水季とよく渡った歩道橋とは違う、とても長くて、何車線もある大きな通りを跨いで架かる歩道橋に、一人ぼっちの海ちゃん。
その姿が引きで映されたカットによって、その一人ぼっち感が濃く描かれます。

一人で階段を昇って、ランドセルから鍵を出して、誰もいない家に帰って来た海ちゃん。
「ただいま」と小さな声で言いながら部屋に入って、宿題をして。
またふと眺めた水季との写真。
胸元のネックレスに触れてきゅっと握った海ちゃんは、水季手作りのリュックを背負って、一人で玄関の方へ歩いて行きます。

少しして、帰宅してきた夏。
まだ明るい時間。今日もなるべく早く帰ってきたのでしょう。
玄関の鍵が開いていることに気付いた夏、嫌な予感がしつつ中に入ると、広げられたランドセルと宿題、でもそこに海ちゃんの姿がありません。
靴がないことも確認した夏、慌てながら「海ちゃん」と何度も呼び、姿を探します。

このシーン、怖かったですね。

一人の時間が寂しくて大変なのはもちろん海ちゃんなのだけれど、海ちゃんをそうやって一人にさせてしまう間に不安なのって夏くんもそうで。
子どもを一人にしてしまう時間、その時間にそばにいてあげられないことって、親はすごく不安ですよね。
東京のアパート暮らしなんてご近所付き合いなんてほとんどないことの方が多いし、いろんな危険がある場所で一人で通学させるのも、家にいてもらうのも、心配だらけ。
ましてや慣れない環境で、こんな風に海ちゃんがいなくなったら、心臓飛び出るわ…。
やっぱ子ども用のスマホとか持たせた方がいいですよね。
なんとか月岡家に協力してもらってたまには預かってもらうとか、色々やり方はありそう。
ひとつひとつ考えて、変えながら、やっていくしかないですけど、そして今回結局海ちゃんは見つかったからよかったけれど、本当にひやっとする、二人暮らしのリアルな怖さを感じシーンでした。
ただでさえ子どもを育てるって大変なのに、街や悪い人間によって引き起こされるかもしれない悪い可能性にまで配慮して心配しなければいけないなんて、本当に厳しい世の中ですね。


海の家出

図書館の津野の元へ、慌てた夏から着信。
「海ちゃんですか?まだいますよ」と普通に答える津野に、「いますか?」と驚きつつ、よかった…と安心して玄関で膝から崩れるように座り込んだ夏。
海ちゃんの姿がないことに気付いて、鞄やジャケットも持ったそのままで飛び出して近所を探して戻って来たんだろうな。

「一人で来たんですか?」と聞いた夏に、「もしかして家出でした?」と、状況を察した様子の津野。
夏に送ってもらったと言う海を信じて、特に心配もしていなかったことを詫びる津野に、いるならいいんです、迎えに行きますと伝え、謝ってお礼をする夏、すぐに迎えへと急ぎます。

海がいなくなったことを南雲家へも連絡していた夏くん。
慌てて海を探しに行こうと飛び出そうとする翔平さんに、夏からの連絡を受けて海がいたことを伝える朱音さん。
安心して座り込む二人。
月岡家でも同様の連絡を受けていたゆき子さんと大和くん。
ぐったりした様子の二人に、何事かと聞く帰宅してきた和哉さん。
一連の出来事を聞き、「大和もママのとこ行くって勝手に出かけようとしたことあったわ」と話す和哉。
夏もそうだったと話すゆき子。

-和哉「一緒にいた場所に行きたがるんだよね、いないのはわかってても。」
-ゆき子「なんだろね、あれ。いたって実感したいのかな。」

「海のはじまり」第11話より

「いたって実感したい」。
きっと大和も、夏も、してきた経験。
だからこそ、きっと二人ならその気持ちに寄り添うことが出来るという風にも受け止められるし、みんな通ってきた道だから海ちゃんもきっと大丈夫になる、そういうあたたかさも感じられる月岡家の会話でした。

とにかく海ちゃんが見つかってよかった(涙)

一人で小田原の方まで行くって、何度か水季や朱音さん、そして一人でも通った道とはいえ、なかなかの行動力ですね、海ちゃん。
本当に無事でよかった。

津野くんが普通に海ちゃんを受け入れていたことからも考えると、海ちゃん本当に、普通にしれっといつも通りな感じで図書館に来たんだろうな。
ママがどうこうとか、寂しいとか言わず、自分でだけその気持ちを持って家を飛び出して、ここまでひとりで、来たんだね。

南雲家に帰るのではなく、図書館にやってきたというのも、一人が寂しいからおじいちゃんおばあちゃんに会いたくなったということではない、やっぱり「ママを感じたかった」に尽きますよね。
津野くんがいる図書館なら、遊びに来たっていえば深く追及もされないだろうし、ママがいた大好きな場所で、ママのことをたくさん感じられるから。
そんな想いでここまで一人でてくてくやってきたのかと思うと、苦しいです。


忘れた方がいいの?

海の後ろをついて歩きながら、夏くんから電話きたよ、お迎えくるって、と伝える津野。

-津野「新しい学校がやだ?家がやだ?」
-海「ママがいた場所、行けなくなっちゃった。」
-津野「そうだね。」
-海「ママがいた話すると、夏くん、ママいないって言うの。海もいないのはわかってる。」
-津野「そうだね。」
-海「津野くん、ママいたのわかるよね?」
-津野「わかるよ。一緒にいたから。」
-海「夏くん、わかんないみたい。水季はもういないから二人で頑張ろうって。水季の話しなくていいよって。ママのこと忘れた方がいいの?もういないから?」

「海のはじまり」第11話より

涙。

新しい環境に移った海ちゃんを心配していないわけがない津野くん。
海ちゃんが夏に黙って一人でここにやってきたことを知り、夏には言いにくいことがあってここにきたのかなと思いを巡らせたのでしょう。
学校が嫌だとか家が嫌だとか、ぽつりぽつりと聞いてあげながら、海ちゃんの話を静かに聞いてあげる津野くんでした。

海ちゃんにとって、津野くんは、ママと二人で暮らした時にいちばん近くにいてくれた人。
ママのこと、ママがいたこと、ママと自分が一緒にいたこと、そのことを一番知ってくれているのが、津野くんなんですよね。
図書館にやってきたのは、ママがいたことを確かめたかったのに加えて、ママがいたことを知っている津野くんに、「ママいたよね」って確かめたかったというのもあったのかもしれません。

夏くんは、ママがいたってことを、わからない。
だからママのことを、もういないって言う。
ママはいたのに、いたことを、夏くんは知らないから。

やっぱり「いた」と「いない」って、大きく違うんだよね。
そしてママは、「いなくなった」けど、無くなってないんだよね。

「もういない」「二人で」
そういう夏くんの言葉に、海ちゃんは傷ついたというよりも、その意味がわからないんだろうな。
なんで?ママはいたよ?いないって何?無くなるって何?
いないから、いたことを、なかったことにしないといけないの?
死んじゃったママのことは、忘れないといけないの?

静かに海ちゃんの言うことを受け止める津野くんも、気の利いた上手なことをぱっとは言ってあげられなくて。
夏が何か言ったのか、海との間に何があったのかもわからないし、なんて言ったらいいか、津野くんだってわかんないですよね。はあ。


いなかったもんな

海を迎えに走って図書館までやってきた夏を出迎える津野。
ドアを手動で開けている様子から、もう図書館は閉館時間を過ぎていて、それでも津野くんは残って夏を待っていてあげたのだと思われます。

朱音さんのお迎えで海が実家へ戻ったことを伝える津野。
実家へと急ごうとする夏を「ちょっと」と引き留めた津野くん。
呼び止め方が、これは月岡さんに伝えた方がいいよなと思いつつも何て言ったらいいのかまだ作戦を立てきれていない、みたいな感じでしたね。
それでも海ちゃんのためにと、話し始める津野くんです。

「もう二人なんだから、今こそ前みたいに水季水季ってうるさくていいんですよ。海ちゃん、いるいないの話してないですよ。わかります?いるとかいないって話してるの月岡さんだけです。いたとかいなくなったって話してるんです。わかんないですよね、南雲さんいた時もいない時もお前いなかったもんな。」

「海のはじまり」第11話より

淡々と冷静に話を始めつつ、だんだんと語気が粗くなっていく感じ。
初めて津野くんが夏と二人でちゃんと話した時みたいでしたね。

ここでの津野くんは、海ちゃんのことを想いつつも、やっぱり水季という大切な存在を失った側の人間、"いた"水季と"いなくなった"水季、その両方を背負っている側の人間として、津野自身の感情も溢れているような感じでしたね。

「...すいません、お前とか言って。」と冷静になろうとする津野くんと、言葉に圧倒されたかのような、そういうことなのか、いやどういうことなんだ、と戸惑っているような、そんな表情でただ何も言えずにいる夏。

夏が迎えにくることは伝えたが海ちゃん自身がおばあちゃんのところへ行きたいと希望した、と伝える津野くん。
朱音さんが勝手に連れ帰ったんじゃないよ、ということを伝えると同時に、海ちゃんが夏を待たずに朱音さんのところへ帰りたがったこと、何があったのか詳しくは聞かないけど海ちゃんは今そういう状態になっちゃってるからよろしくな、みたいな、津野くんなりの夏へのアシストだったように思います。

さきほどの津野の言葉の余韻も盛大に残っている中、海が自分に会いたがっていないことも突きつけられてしまったこの状況で、何も言えない夏くん。
瞳の揺れだったり、喉が動く感じだったり、呼吸の整え方だったりから、夏の気持ちの揺らぎが感じ取れます。

ずっと書いてきましたが、海ちゃんと二人暮らしを始めてまだ数日とはいえ、夏くんなりに海ちゃんのことを気遣って、何か抱えていそうだなと察して、あれかなこれかなと出来る限り寄り添おうとしてきた夏くん。
夏くんが自分のことばかりでいっぱいいっぱいで全く海ちゃんの気持ちに寄り添えていない、とかだったら、何やってんだよ夏くん!と視聴者総出でツッコミながらお説教してあげることが出来るのですが、夏くんなりに向き合おうとはしてきていて、それでもやっぱり理解しきってあげることが出来ないもどかしさがあって。
少しずつすれ違っていく夏くんと海ちゃんの様子に、大丈夫か大丈夫かともどかしく思いながら、遠目に心配するしか出来なかった私たち。
そこでこの津野くんの言葉。
「わかんないですよね」。「いなかったもんな」。
前回放送された次回予告の時点でも「お前」って言葉が結構注目されていましたが、ここで一番夏くんに刺さったのって多分、「わかんないですよね」と「いなかったもんな」だと思います。

多分この、「いる」「いない」「いた」「いなくなった」の違いや、海ちゃんにとってのその言葉の意味、水季の存在感というものを、なんとか歩み寄って、寄り添って、摺り合わせて、一緒に背負っていく二人になれるまでの道のりが最終回までで描かれるのかなと思いますが、この言葉の意味について、水季や海のそばにいた津野さんは、実感としてわかってる。
朱音さんや翔平さんも、もしかしたらわかってる。
だとしたら、俺だけ?え、俺だけがわかっていないのか?
俺だけがいなかったから、水季がいた時にいなかったから、わからないのか?
そう突きつけられてしまったかのような夏くん。
第1話や第2話で、実の親で一番の当事者なのに圧倒的な線を引かれてしまって部外者のような扱いになってしまい真っ暗な海に突き落とされたかのような夏くんの姿がありましたが、ちょっとその記憶がよぎるようなシーンでした。

水季の死を、残された者たちはずっとそれを背負っていくというか、亡くなったからといってその人のことをいなかったことにして進んで行くことは誰も出来ないから、その意味でみんな、これからも水季と一緒に生きていく。
でも、水季と一緒に過ごした時間があって、死へ共に向かって生きた上でその死を経た人たち、つまり朱音さん、翔平さん、津野くんや海ちゃんは、水季のことを「いた」「いなくなった」と表現出来るのに対して、「夏だけがいるいない」の話をしているというのは、比べると夏がまだ水季の死を受け止めきれていないという意味なのかなと思います。
前提としてみんなが水季のことは引きずっているし、背負っているし、抱えて生きて行くし、なかったことにはならない。
でも、南雲家や津野くんは夏よりもひとつ先に進んでいて、水季がいたことを受け止めて生きようとしている中で、夏だけが「もういないんだから」「水季はいない」「だから俺が一人で」と自分に言い聞かせてもがいてしまっているという状況が今で、そこの温度差が、海ちゃんとのずれや津野くんのこの言葉につながったのかなと思います。
でもそれは夏が鈍感とかっていう話じゃなくて、夏にはどうしたって水季がいた頃に水季や海と一緒に過ごした時間がないし、病気や死を知ったタイミングも遅いし、水季の言葉や表情を直接見て聞くことが出来なかったから、時間がかかってしまうことは仕方ないことですよね。

自分がそこにいなかったことは、夏くんにはどうしようも出来なかったことで。
いるべきだったと責められたところでもう戻れないし、自分が一番悔いたり自分を責めたりしているはずで。
いなかったけれど、でも、親になろうと決めて、水季や朱音さん、翔平さんから海ちゃんというバトンを託されたような覚悟で、これからはそばにいようと覚悟して歩き出した夏くんにとっては、仕方ないこととはいえ、この言葉を受け止めるのはとてもしんどいシーンでしたね。

なんとか絞り出すように「ご迷惑、おかけしました」とだけ言って、とぼとぼと背を向けて歩き出した夏くん。
こんな気持ちのまま海ちゃんに会いに行くの、怖いよね。
何をどう話せばいいのか、聞いたらいいのか、非常に難しいですし、わからないと線を引かれてしまったような感覚で、どういうことですかって津野くんにもっと詳しく聞き出す気力ももうないですよね、ここでは。

津野くんは津野くんで、ちょっと言い方あれだったかな…みたいに気にするような表情ではありましたが、夏と海のこれからの二人を考えるときっとこれは乗り越えなければいけないものだからこそ、心配しつつもあえてそれ以上は言わなかったし、言えなかったのではないでしょうか。
背を向けて図書館へと戻っていった津野くんも、ひとつため息をついていましたね。


いなくなる

海ちゃんを連れて帰宅した翔平さんと朱音さん。
海ちゃんは真っ先に水季との写真を手に取り、「ママ、ただいま」と言い、縁側に寝そべって「くまとやまねこ」の絵本を広げます。
その様子をただ見つめている翔平さんと朱音さん、この二人も、何の言葉もかけることが出来ません。

ここで回想シーンに切り替わり、冒頭の水季と海が二人でベッドで話しているシーンに替わります。

-水季「ママね、もうすぐ死んじゃうの。」
-海「死んじゃったらママどこいくの?」
-水季「わかんない。でも、ここからいなくなっちゃう。」
-海「やだ。」
-水季「ママもやだ。やだけど、死んじゃうんだって。」
-海「やだ。」
-水季「やだね。ママもすんごいやだ。だから、海が寂しくならないようにこれあげる。まあ寂しくなる時は絶対あるんだけど、でも、海はママがいなくても他の誰かと生きていくの。」
-海「ママじゃなきゃやだ。」
-水季「今度これ読んであげる。おっきくなるまでに何回も読んで、ちょっとずつわかるようになって、それからママがいなくなっても大丈夫になるから。」
-海「いなくならないって言った。」
-水季「いなくなるの。でも、一緒にいたことは、なかったことにならないよ。」

「海のはじまり」第11話より

もう(号泣)

自分が死ぬことを知った上で、水季が一番に考えていたのは、海ちゃんの未来なんですよね。
どんな想いでこの絵本を渡して、どんな想いで海ちゃんを抱きしめて、どんな想いで残された時間を生きたのか、想像したところで計り知れないのだけれど、水季のことを想像すると、どうにも涙が止まりません。

水季がここで言ったのもあって、やっぱり「いなくなる」と「なくなる」は、海ちゃんにとっては違うんですよね。

この「くまとやまねこ」の絵本って、くまが大切だったことりを亡くしてしまうことからその物語が始まり、そのことりのことを忘れた方がいいと周りから言われることでふさぎ込んでしまったくまが、やまねこと出会い、ことりのことを忘れた方がいいと言わないやまねこと新しく友達となっていく、そんな物語で。(めちゃめちゃざっくりですみません、もっと深いです)

水季が海に伝えたかったことのひとつはきっと、「ママは死んじゃっていなくなるけど、ママがいたことは消えないよ。ママがいたことはずっと海の中にあるし、あっていいし、だから大丈夫だよ。」ということ。
でももしかしたらきっとそれよりも、「ママがいなくなっても、海は生きていくんだよ。いつかママはいないけれどいたから大丈夫って思えるようになって、新しい出会いもあって、海の人生を生きていくんだよ。」ということを、この絵本を通じて伝えたかったのかもしれません。
死を前にして、自分の命よりも、海のこれからを、海の未来をきっとひたすらに願っていたであろう水季。
「いるよ。いるから大丈夫。行きたいほうへ行きな。」
この物語の最初の頃に、水季が海辺で海に向かって言った言葉を思い出します。

これはきっとこの物語の終着点にも通じる大切な言葉だったと思うのですが、「ママは海の心の中にずっといるからね」というありふれた言葉が最も伝えたいことではなくて、やっぱり、「行きたいほうへい行きな」が、水季が海に伝えたいいちばん大きなことだったのかなって、今あらためて思います。
ママのこと忘れないでねとか、ずっと空から見守っているよとか、そういうことがいちばんじゃきっとなくて。
「ママがいたことはずっとあるからね。だから大丈夫。それはずっと大丈夫。でも海は、これからを生きていくんだよ。海の人生を、未来に向かって、生きていってね」、そういうメッセージを、自分といたことはお守りみたいにして、海自身の人生を生きていってほしいということを、一番に伝えたかったのではないでしょうか。

海が生きていく未来に、海のこれからの人生に、自分は参加出来ない。
そんな現実、辛すぎて寂しすぎて。
でも、海が生きる未来は、自分といた過去の続きであって、自分がいたことはずっと消えないし、誰からも奪われずに、きっと海の中に残っていく。
その続きを海が描いて生きていく未来が、明るいものでありますように。
大丈夫でありますように。
母としての水季の想いが、あまりにも大きな愛情で溢れていて。

水季にとって海は、未来であり、希望であって。
自分の分まで生きてね、なんてことは水季はきっと言わないし思わなくて。
海らしく海の人生を生きてね。未来に向かっていってね。
水季がこの絵本を通じて海に託したであろう想いを、海ちゃんはきっと、幼いながらに絵本のページをめくるたびに感じたり考えたりしていて。
今も、これからもずっと、そうやって、水季のことを感じながら、水季といた世界の続きを生きていくんですよね。

その"これから"のそばにいるのは、夏くんでよくて。
水季がいた時間のことを、水季と海の今までのことを、夏くんが知らないのは当然だけれど、海ちゃんが大丈夫なら、もっと水季のこと、水季といた時間のこと、水季といた海ちゃんのことを、海ちゃんから聞くことで、いなかった知らない時間を少しでも埋めて共有していくことは、きっと夏くんにも出来るから。

津野くんが言うように、「水季水季」「ママママ」って、二人で自然に話して笑えるようになったらいいな。
この絵本を一緒に何度も何度も読めるようになったらいいな。
大丈夫じゃなくても、大丈夫そうになるところまで、ぜひ最終回で描かれてほしいものです。


どうぞ

南雲家にやってきて玄関で頭を下げる夏を出迎えた朱音さん。
夏くん、どんな想いでここまで来たのよ、偉かったね(涙)

ただでさえ申し訳なさやら情けなさやら色々な思いでぐちゃぐちゃだっただろうに、図書館前の津野くんの攻撃(ではない笑)を受けて、もう満身創痍じゃないですか。
地獄を背負うかのごとく疲弊しきって絶望に満ちた表情でやってきた夏くん。
玄関の前で扉を開ける前にしばらく立ち尽くしていたのではないでしょうか(笑)

そんな夏くんを迎えた朱音さんは、少しだけ頷いて、少しだけ微笑むようにしながら、「どうぞ。会いたくないのかって聞いたら、違うって。だから、どうぞ。」と言います。
もう一度頭を下げて海の元へと向かって行った夏くん。
朱音さんが「どうぞ」と最初に言った時、一瞬驚くような感じだったんですよね、夏くん。
「何してるのよ!!」「何があったのよ!!」「海に何か言ったの?」「しっかりしてよ!!」「もう任せられません!!」「いきなりこんなで大丈夫?!」とか、怒られる覚悟で来たところで、拍子抜けしたのかな。
朱音さんが感情的に怒らなかったのはきっと、海ちゃんの行動を見ながら海ちゃんの気持ちを想像出来ていたからだろうし、夏が一方的に何かを失敗したとか悪いとかっていう問題ではないと理解していたからですよね。

例えば夏と海ちゃんが交流を始めた初期の頃、お出かけ中とかにこういうことがあったら、朱音さんも翔平さんも感情的にブチギレただろうけれど、夏くんと過ごしてきた時間の中で、朱音さんの中での夏への理解度も高まっているからこそ、夏にあたるようなことはしなかったのだと思います。
こういう経験も、夏くんが必要以上に一人で一人でって背負わずに、何かあったら南雲さんに相談しようと思えるようになるためには、必要なことかもしれませんね。

無くなる

海がいる水季の部屋までやってきた夏。
結構いつもこの部屋の扉って開いているけれど、今日は閉まっていて、夏がそっと扉を開けると、海ちゃんはベッドで絵本を読んでいました。
夏の姿を見つつ、声はかけず絵本を読んだままの海ちゃん。
その横にそっと腰を下ろす夏。

-夏「その絵本好きだね。」
-海「何回も読んでって、ママが。」
-夏「そっか。」
-海「何回も読んだけど、まだ大丈夫じゃない。」
-夏「わかんないことあるの?教えるよ?」
-海「違う。」

「海のはじまり」第11話より

海ちゃんに話しかける時の夏くん、説教をくらった子どもみたいな、恐る恐るな感じで(笑)
それに対して海ちゃんの、答えはするけど説明不足な感じがどこかやっぱり夏くんに似ていて(笑)
この親子は、想い合えるしお互いに優しすぎるけれど、きっと説明不足同士だから、こうやってひとつひとつやっぱり向き合って越えていくしかないよね。
頑張ろう夏くん。頑張ろう海ちゃん。

「わかんないとこ教えるよ」と的外れな夏くん。
でもこの的外れは仕方ないですよね、夏くん、わからないもん。
海ちゃんの「違う」の言い方も、「夏くんにはわからないもん」みたいな、ちょっと付き離すみたいなところもあって、水季みを感じます(笑)

図書館に一人で行った理由を聞くも、答えない海ちゃん。
心配だから一人で行くのやめてと伝えつつ、「家で待ってるの寂しかった?」と、夏は海に聞きます。
一生懸命海ちゃんに理由や考えていることを聞こうとするも、ガン無視の海ちゃん。
少しして、絵本を閉じた海ちゃんが、話し始めます。

-海「ママと二人だった時、保育園の子に言われた。パパいなくて寂しくないの?って。海ね、夏くんいなくて寂しかったことないの。おうちにいるの、ママだけで大丈夫だった。パパいらなかった。だから夏くんと二人も大丈夫だと思ったの。ママいなくても夏くんがいるから寂しくないって。」
-夏「でも、寂しかったの?」
-海「(頷いて) 夏くんと二人、寂しかった。ママいなくて寂しいから、図書館行って、ここに帰って来た。」
-夏「図書館もここも、水季いないよ。水季が亡くなってから時間経って、ほんとに水季が亡くなったこと、実感してきただけなんじゃないかな。だから大丈夫だったのに急に寂しくなって、」
-海「なんで大人は死んじゃうこと“なくなる”って言うの?いなくなるから?だから死んじゃった人のこと、いないいないって言うの?」

「海のはじまり」第11話より

「亡くなる」と「無くなる」。
ここでの海ちゃんの言葉を聞いた時、衝撃でした。
そうか。そうだよね。そっか。
夏くんと同じで、私も言葉が出ませんでした。

夏くんがいなくても寂しくなかった。
海ちゃんには夏くんを傷つける意図なんてないけれど、子どもならではのスパッとした言い回しに、少なからずダメージを受ける夏くん。
いなかったのは夏にとってはどうしようも出来なかったことだし、今からどう取り戻すことも出来ないけれど、他責思考にならない夏にとっては、自分があの時水季ともっと話をしていたら、くらいついていたらと、たくさんの後悔があるでしょうから、海ちゃんにこんな風に言われることさえ、罰かのように受け止めてしまうのではないかなと思いますし、反論も言い訳もゼロなんだろうなと思います。

海ちゃんの言うことも、海ちゃん目線での筋がちゃんと通っていて。
ママといた時はそもそもパパがいなかったから、ママがいればよかったし、パパがいなくて寂しい思いをすることはなかった。
きっとそれは、パパがいないからといじわるを言ってくるようなお友達がいなかったこともあるし、水季が父親の事を、そばにいないけれどパパという人は存在しているのだということを伝えた上で、今パパがいないことを、夏を責めるような言い方で話さなかったこと、むしろ水季が夏のことを海の前で話す時ってどこか嬉しそうだったりポジティブなイメージだったから、海ちゃんの中でもパパがママを傷つける存在ではなかったから、だから"パパがいないけれどママと二人でいる"ということを、海ちゃんは寂しいと思わなかったのだと思います。

だから今度は夏くんと二人でも大丈夫だと思った。
それで転校も受け入れて、ママといた場所を離れることを決断出来た海ちゃんだけれど、夏くんとの"二人"は、ママとの"二人"とは違った。
夏くんとこれから過ごしていく時間は、どちらかというとママもいる"三人"の時間なんだろうな。

二人で二人でと夏が頑張ろうとするほど、海ちゃんにとっては確かにいたママの存在をなかったことにされるような感覚で。
その感覚の答えが、「亡くなる」と「無くなる」にあったんですね。

「なくなる」という同じ響きの言葉。
大人は、誰か人が死んだ時に、直接的に「死」という単語を使用するのを避けて「亡くなる」という言い回しにするけれど、海ちゃんの感覚としてそれは、「無くなる」んだったんですよね。

ママはいたのに、無くなっちゃうの?
無かったことにならないってママは言ってたのに、もう無いの?
死んじゃったから?死ぬと全部無くなっちゃうの?
忘れた方がいいの?話さないほうがいいの?

絵本を何度も何度も読みながら、ママが言ったことを思い出しながら、そんなことを考えていた海ちゃん。苦しすぎます。

夏くんも、あれこれ想像を巡らせてはいたものの、この「亡くなる」と「無くなる」のトリックまではさすがに思い至らなかったですもんね。
私も海ちゃんに言われて、なるほどねって、目から鱗だったもん。

この海ちゃんの言葉を受けて、そういうことかとやっと理解した様子の夏くん。
自分に対する情けなさが漏れだしたかのようなため息をついて、「ごめん。俺がいっぱいいっぱいで、ちゃんと話聞いてあげてなかったから。帰っていっぱい話そう。」と言います。
この「ごめん」も、自責思考が癖の夏くんは、そういえばよく言っていた言葉。
水季に電話で別れを告げられた時とか、ちょっと感情的になってしまった後のごめんだったり、一人で妊娠を把握した水季へのごめんだったり、水季の前で夏くんが言っていた「ごめん」のシーンが、いくつか蘇ってくるようでした。

帰って話そう。
そう言った夏くん、きっと津野くんから言われた言葉の意味とか、朱音さんが何も聞かなかったことの意味とか、もっと言うと前回朱音さんに聞かれた海ちゃんがここを離れたがらない理由とか、ママの話しをしたがると弥生さんが言っていたこととか、全部がここで少しずつきっと繋がり出して、今ここでちゃんと海ちゃんと向き合ってしっかり話をしなければと、誠実に思ったんだろうな。

でも夏くんの「帰ろう」には応じず、拒否するかのように布団に入ってしまう海ちゃん。
続けて、話をします。

-海「海のせいでみんな寂しいって。海がいるからお別れしたんでしょ?」
-夏「弥生さん?海ちゃんが悪いわけじゃないよ。」
-海「でも海がいるからでしょ?おばあちゃんとおじいちゃん、海が夏くんのとこ行くって言ったせいで寂しくしてる。津野くんも言ってた。家も学校も遠くなるし会えなくなっちゃうねって。海、夏くんといないほうがよかった?みんなそう思ってる?」
-夏「思ってないよ。」
-海「みんなが寂しいの海のせい?」
-夏「違うよ。」
-海「海、最初からいなければよかった?」
-夏「…そういうこと言わないで。いなければよかったとか、そんなのないから。もう絶対言わないで。」
-海「ママも寂しそうだった。ママいたのになんで一緒にいてくれなかったの?まだパパじゃなかったから?」

「海のはじまり」第11話より

もう(号泣)
誰も悪くない。誰も悪くないんだよ?
海ちゃんも夏くんも朱音さんも翔平さんも津野くんも弥生さんも水季も、誰も悪くないんだよ。
悪いとしたら水季の命を奪った病気だけ。
みんな誰も悪くないんだよ。
だから大丈夫になる?なるよね?ねえなるって言って?
大丈夫なところに流れ着いてね。
あと1話だけど、絶対だよ?お願いだよ!!!(嗚咽)

夏くんと二人で大丈夫だと思ったから、夏くんと暮らしたかった。
暮らしはじめてみたら、寂しかった。
海自身も寂しかったし、周りもみんな、寂しいって言う。
海がここに戻れば、海もみんなも寂しくなくなるの?

そんな思いから、弥生さんと夏くんが別れてしまったことだったり、もしかしたら夏くんとママが別れてしまったことも以前弥生さんに聞いていましたから、ずっと気にしていたんだろうな、海ちゃん。
全部海のせいなの?いなければよかった?の思考に至ってしまった海ちゃん。苦しすぎる。そして大人すぎる。

前回の感想だったかな、いずれこういうことを海ちゃんが成長したら思ってしまう日がくるのでは、と書きましたが、まさかこんな早い段階でくるとは。
この12話の中でこの段階まで描かれるとはと衝撃でしたし、いやでも確かに海ちゃんに言わせないといけない避けては通れない道かと納得でもあったし、いるいないの話から夏がいなかった時間を責めるようなかたちになってしまった言葉が海ちゃんから発せられて夏に投げつけられた展開に、衝撃を受けました。

そうだった。
人はいつ父となり母となるのか、父性とは、母性とは、親になるとは?
そういう話だった。
そして、どんな事情があったとはいえ、やっぱり命を生み出す可能性を伴う行為をした者が背負い続けなければいけない責任はあって、それを背負わなかったり背負えなかったりした親によって子どもが傷つくことは確実にあるということ、それにどう向き合っていくのかということを問う物語だった。

まだパパじゃなかったから?今はパパだから?
もうママはいないからママじゃないの?
いつからパパなの?パパって何?

この展開の時の私、多分夏くんと同じ顔してました。
何も言えない。言えないよ。
何か言わなきゃいけないんだけど、なんとか海ちゃんの心に触れて抱きしめてあげたいんだけど、何も言えねえ。無力。完敗。情けなし。

そんな苦しい気持ちになった矢先にですよ、次の回想シーンですよ。
ここでこのシーンを挟むだなんて、もう本当にひどい…!!(褒めてる。好きです。海のはじまり。最高です。)


責任

中絶手術を受けに産婦人科に向かう水季と、その後ろをただ追いかけるようについていく夏の回想シーン。
なんでついてくるの?と夏に言う水季ですが、深刻に思い詰めるような夏の表情を見て少し笑って、「大丈夫だって。責任感じないでよ。夏くんまだ親じゃないんだから。」と水季。
何も言えず、先を歩く水季の背中をただ見つめて立ち尽くす夏。
妊娠や出産、それに伴う出来事を前にした、夏の、男性の無力感が強く表現されるシーンでした。

この時点での水季は堕ろすつもりだった頃で、きっと堕ろしても夏と別れるつもりはなかった頃で、夏に背負わせたくない、迷惑かけたくない、だから自分の意思で堕ろすと頑なだった頃。
だからきっとここでの水季のこの言葉は、夏に背負わせたくないがための言葉だったのだと思うけれど、「まだ親じゃないんだから」という水季節炸裂の言葉選びによって、親ってなんだろうって、きっと夏くんはこの時も思ったのではないでしょうか。

画面切り替わって現在、海の言葉を真正面から浴びる夏くん、水季の前で立ち尽くしていた夏くんと同じ顔してます。

親ってなんだろう。責任ってなんだろう。

あの時の自分は、あれ以外に何かを選ぶことも何かをすることも出来なくて。
今の自分は、今の自分なりになんとかもがいているけれど、やっぱり上手く出来ていなくて、どうしたらいいのかもわからなくて、そのせいで海ちゃんが苦しんでいる。傷つけてしまっている。それだけは確かにわかる。
そんな状況にもう言葉も出ない夏くん。
そんな夏くんに、海ちゃんがとどめを刺します。

「なんでママいた時パパになってくれなかったの?なんで二人でって言うの?なんでママいないって言うの?海、ママとずっと一緒にいたもん。いなかったの夏くんじゃん!」

泣きそうになりながらそう叫んで、絵本を持って部屋を出ていった海ちゃん。
何も言えず、海ちゃんの背中を追うことも出来ず、ただその場で固まる夏くん。
夏くんはもう、目から涙だけただ流れてくるという感じ。
目に光がなくなって、心が止まってしまったかのような、いちばん苦しい時の夏くんの表情。
そっと目を閉じて、組んだ両手に額を乗せるようにして、顔を伏せた夏くん。
色々な涙の流し方を見せてきてくださった目黒蓮さんですが、ここでの泣きのお芝居もまた新しくて。
なんかもう、いろんなものを突き付けられてしまって、頑張ろうとしてきた気持ちもふっと途切れてしまって、自分が情けなくて虚しくて、やったことのない問題すぎてどうしたらいいのかわからなくて。
ここで終わってしまった第11話。
あと1話ですよ?次週最終回。
この状態から夏くんどうやって立ち上がるのだろう。
次回、最終回で何がどこまでどう描かれるのか、もう想像は一切しません。ただ受け止めます。
ただ受け止めるから、なんでも受け止めますから、どうかどうかみんな笑って、幸せに向かって歩み直していく一歩目だけでも、見ることが出来ますように。懇願。

そうだ夏くん、君にはまだ、水季の手紙が残っている。
今こそ水季の言葉に頼るべきだ。
水季が「いた」ことを海ちゃんと感じていくためにも、水季が残してくれたものを、今こそ貪欲に知りに行こうよ。
とりあえず今日は一人で帰ってもいいから、手紙を読む。レッツ手紙。

夏くん自身だってきっと、周りへの優しすぎる配慮だったり、親をやっていく責任感に押しつぶされそうになる中で、ちゃんと向き合いきれていないだろう水季の不在。
俺だって悲しい、苦しい、辛い。
その想いを、海ちゃんとこそ、共有したっていいんだよ。
親だから強くなきゃとか、いなかったから悲しんじゃいけないとか、そんなことないから。
津野くんが言っていたように、今こそ水季水季って言って、ね、やっていこう。やってみよう。ねえ夏くん???(号泣)



いやー、第11話の終わり方がこんなにも悲しみに打ちひしがれるとは。
毎週のように絶望に突き落とされて終わっていた初期の頃を思い出しました。

泣いても笑ってもあと1話です。
終わらないでほしいとか言ってたけど、なんかもう、早く観たい。
早く幸せになりたい(笑)

撮影もそろそろ終わりでしょうか。
全然部外者なのに、クランクアップする現場に勝手に思いを馳せる私(笑)

「海のはじまり」。
丁寧に真摯に大切に届けられてきたこの物語が、無事に終結しますように。

ちなみに公式サイトに掲載されている次回のストーリーの一節に、こんな記載があります。

▼「パジャマ姿のまま寝そべっている海に、朱音と翔平は「朝ご飯を食べようよ」と声を掛けるが、海は「…食べたくない」とそっぽを向く。朱音は台所でおにぎりを握り、「食べなきゃダメ。生きなきゃいけないから」と海におにぎりを差し出す。そして、水季が亡くなった日におにぎりを食べた話をする。


食べたんですって、水季が亡くなった日に、おにぎり(涙)
おにぎり(涙)

特別編で塩むすびを見て以来、実は毎朝塩むすびを食べている私。(要らなすぎるカミングアウト)

あと数日、最終回の日の朝まで粛々と塩むすびを食べながら、心を整えたいと思います。
はあ。楽しみ!みんなで幸せになろうね!!!!!!

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