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ドラマ【アンチヒーロー】名台詞集

2024年4月期TBS日曜劇場「アンチヒーロー」より、心に残った台詞をまとめました。

*鑑賞時に書き起こした台詞を記録しているため、表記や文言は脚本と異なる場合があります。恐れ入りますがご了承いただけますようお願いいたします。



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公式サイト

●名台詞集

第1話

だって人殺してるんですから

「人を殺したんですか?もう一度お聞きします。あなたは人を殺しましたか?質問を変えましょう。殺人犯として生きるということはどういうことだと思いますか?人殺し、生きる価値無し、人間のクズ、死んで償え。有罪が確定した瞬間、こんな言葉があなたに浴びせられます。見ず知らずの他人が何千何万というナイフであなたの心を平然と刺していくんです。その矛先はあなただけではありませんよ。家族、恋人、友人、同僚、あなたの人生に関わった全ての人が、"殺人犯の○○"という称号を強制的に与えられるんです。罪の無い人間が犯罪者と同じ扱いをされるんです。むしろ殺人犯として牢屋で過ごすより悲惨かもしれませんね。無論あなたが真摯に罪と向き合い更生したと判断されれば刑を終えることは出来ます、法律上は。でもそれはあなたが罪から解放されたわけではありません。過ちを犯してもやり直せる、日本はそんな優しい国とでもお思いですか?考えてもみてください。あなたの隣の部屋に殺人犯が引っ越してきたら、"私、人を殺したんです”と言われて"そうですか"と笑っていられますか?犯罪者の更生施設だってそうです。社会にとっては必要であるということは誰もが分かってる、しかし自分の近くには来てほしくない、それが人間なんです。もう分かりましたよね。法律というルールの中では許されても、リアルな世界では一度罪を犯した人間を許す気なんかないんです。どんなに心を入れ替えたとしても出所した先に自分の居場所なんか無いんです。幸せになんかなれるわけないんです。やがて絶望し、もう一度人を殺すか、自ら命を絶つか、待っているのはそんな未来だけです。殺人犯になった時点であなたの人生は終わります。仕方ないですよ。だって人殺してるんですから。」

「アンチヒーロー」第1話 - 明墨正樹 

明墨が殺人容疑をかけられた依頼人に対して言った言葉です。
第1話の冒頭シーンでの明墨の畳みかけるようなこの台詞は、明墨という人間のぞっとするような不穏さ、怖さ、冷酷さ、薄気味悪さを感じさせるものでした。
また、こうした内容の台詞を地上波ドラマで主人公に言わせるとはなかなか印象的で、この作品にかける熱量や覚悟のようなものを感じる台詞として、印象に残りました。

絶対に許してはいけませんよ

「業務に影響がない範囲内での病気を理由とした解雇は不当解雇にあたります。今まであなたをクビにした会社を全て訴えれば、おそらく1千万円は勝ち取れるでしょう。酒を酌み交わした仲です、いつでも無償で引き受けますのでよろしければ。まあ私が言うのもなんですが、障害を理由に差別するようなやつらは絶対に許してはいけませんよ。」

「アンチヒーロー」第1話 - 明墨正樹 

自身の病気が公になることを恐れて嘘の証言をした尾形に対して、明墨がかけた言葉です。
どこか薄気味悪くまるで人の心がないかのような明墨。
自分の依頼人の弁護をするためなら手段を厭わない明墨ですが、これまで戦う術すら知らずに不当な扱いを受けてきたであろう尾形に対して、手を差し伸べるような言葉を掛けたシーンでした。
安易に気持ちに寄り添ったり、同情をしたりはしないけれど、戦う気があるのであれば、法のもとできっちりと決着をつけるその術を与える。
まだまだ明墨という人物のキャラクターは謎が多いですが、気になる一面が垣間見えたシーンでした。


第2話

自分自身を捻じ曲げてしまった経験

「皆さんにも心当たりありませんか?組織に属する者なら誰しも、全体がつくりあげた考え方を前に、自分自身を捻じ曲げてしまった経験が。生活のため、家族のため、感情を押し殺すしかない。こうだと決められていることにはなかなか反対しにくいものではないですか?緋山さんがパワハラに声をあげなかったのも、尾形さんが耳の病気のことを隠し続けたのも、すべては生きていくため、仕方のないこと。残念ながら今の日本はまだそんな社会です。
ただ、我々を含め司法に携わる人間は、人の一生を左右する立場にあるということを1秒たりとも忘れてはならない。歪んだ思考が、平穏な暮らしを求めていた罪なき人の人生を奪ってしまう。それだけは絶対にあってはならない。」

「アンチヒーロー」第2話 - 明墨正樹 

緋山の裁判にて、なんとしても緋山を有罪にするために事実を捻じ曲げてまで勝利しようとした姫野検事を前に、明墨が法定にいる全員に向けて言った台詞です。
自分自身や誰かの姿が目に浮かんだ方も多いのではないでしょうか。
明墨の人物像はまだこの時点では詳細までは描かれておらず、どこか薄気味悪くとんでもない姿が隠されていそうな気配はあるものの、法廷で叫ぶ言葉には信念が溢れているような、熱さを感じます。


第10話(最終話)

どう捉えていただいても構いません

「どう捉えていただいても構いません。人は弱い。だからこそ、人が人を裁くことの危うさが司法には付き纏う。そのことを決して忘れてはならないんです。一人の尊い命がかかっています。どうか、慎重に再調査を行っていただけるよう、切に願っています。」

「アンチヒーロー」第10話(最終話) - 瀬古成美 

志水の冤罪の可能性について世論の関心も高まった中、再審について願う会見を開いた瀬古が、「過去の誤審を認めるのか」とメディアに叩かれた時に言った言葉です。
自分のことはもうどう捉えてもらっても構わない。
ただ真実を明らかにし、正しい判決を下すこと。
そのことだけを願う、以前の自分を取り戻した瀬古でした。

強い人だと私は思います

-瀬古成美「羨ましかったの。同じ女性でも、伊達原のそばにいても、あなたは、あなたたちは、自分の信念を曲げなかった。私のような弱い人間とは違う。あなたならやり遂げるわ。」
-緑川歩佳「瀬古さんは閉鎖的な司法の世界で、常に女性たちの先頭に立って道を切り拓いてきた。今も、過去の過ちと向き合おうとなさってる強い人だと、私は思います。」

「アンチヒーロー」第10話(最終話) - 緑川歩佳

瀬古と緑川の会話です。
瀬古の行いには間違いも大いにあったけれど、瀬古が自分の信念を持ち正しく戦っていたことがあったことも事実。
同じ女性として、分かり合える部分や、讃え合える部分もあった二人なのでしょう。
すべては語られなくとも、想いが伝わるシーンでした。

人は人を裁くことが快感ですからね

-伊達原泰輔「この社会は、一度でも道を踏み外した者に、二度とチャンスを与えない。誰もが立ち上がるために必死な世の中で、足を踏み外した人間は踏みつけにされる。それが真理だ。現実なんだよ。」
-明墨正樹「その同じ言葉を、娘さんにも言えますか?ふとした瞬間、意図せず足を踏み外すことは誰にでもあります。その時彼女が踏みつけられたとしても、父親としてそう言うんですか?仕方のないことだと。それが世の中だと。確かにあなたの仰る通り、この世の中はちっとも公平なんかじゃない。なんの落ち度もなく命を奪われる者がいる。何年何十年と悪事を重ねても隠し通し、富と権力を欲しいままにする者もいる。こんな不平等な世の中で、誰もが気付かないうちに、自分のものさしで人を裁き、罰を与える。時には二度と立ち直ることが出来ないくらい厳しい罰を。本当に恐ろしいことですが、これが現実です。だって、人は、人を裁くことが、快感ですからね。法律とは一体何なのでしょう。我々は法律によって白か黒かを公平に判断することが出来ます。ですがそれも所詮、人間がつくりあげた尺度です。法によって白となったことが本当に白なのか。黒の奥には実は限りない白が存在しているのではないか。それを考え続けることこそが、こんな世の中をつくってしまった我々の役割なのかもしれません。大切な人を守るためなら、誰しも人を殺す。確かに今の私は殺すでしょう。だがそれだけではありませんよ。地獄へと引き摺り下ろし、二度と這い上がれないよう見張り続けます。あなたが自分の罪を悔い、償いたいと思うその日まで。共に地獄に落ちましょう。」

「アンチヒーロー」第10話(最終話) - 明墨正樹 

法廷での伊達原との対決にて明墨が言った言葉です。
この物語のテーマが詰まっている、圧巻のシーンでした。

人を助けたからといってあなたの罪が軽くなることはありません

-緋山啓太「俺、感謝してます。犯罪者の俺なんかを志水さんのために協力させてくれて。」
-明墨正樹「私はあなたを利用したまでです。それに、勘違いしない方がいい。人を助けたからといって、あなたの罪が軽くなることはありません。」
-緋山啓太「犯罪者は、希望を持つべきじゃないんですかね。」
-明墨正樹「被害者遺族のことを考えれば当然でしょうね。あなたが傷つけた人々に何を思うか、どう行動するか。目を背けず向き合い続けることが、あなたに残された使命です。必ず、生きてください。」

「アンチヒーロー」第10話(最終話) - 明墨正樹 

目的を果たした後の、緋山と明墨の会話です。
勘違いしないほうがいい。
罪はあくまでも罪であり、許されることはない。
明墨の信念が感じられる台詞です。

あなたを無罪にして差し上げます

-赤峰柊斗「ずっと気になっていたことがあります。なぜ僕を事務所に入れてくれたんですか?」
-明墨正樹「初めて君を見た時…」

~回想・法廷にて赤峰柊斗~
「あなたがたがそこにいるのは、罪の無い人間に罪を着せるためですか?法に携わる人間が、人々の信頼を背負っていることを忘れてはダメです。法廷に立つ者はそれが誇りなんじゃないんですか?ねえ!」

~回想・百瀬礼子のメモ~
「私たちが、司法の信頼と誇りを取り戻せますように」

-明墨正樹「…君のその信念が、志水さんの冤罪を晴らすために力になると思った。人は二通りに別れる。真実と向き合う者と、そこから目を背ける者。君は、見込んだ通りだった。君は言ったよな、大事な人を守るためなら人を殺すと。」
-赤峰柊斗「はい。」
-明墨正樹「必ずやり遂げてくれると思っていた。君を部下に持てたことを、誇りに思う。」
-赤峰柊斗「あの裁判から、ずっと考えていました。法律とは一体何なのか。罪を償い、やり直すためにあるのが法律だと、前までは思ってました。でも今は知っています。罪を償ったからといって許してくれるほど、世の中甘くない。公平でもない。そんな不条理と闘うために、アンチヒーローが必要なのかもしれません。だから今度は僕が、あなたを、無罪にして差し上げます。」

「アンチヒーロー」第10話(最終話) - 赤峰柊斗 

ラストシーンの明墨と赤峰の会話です。
最後にこの台詞を赤峰に言わせるとは。唸りました。
この物語は、明墨から赤峰への継承の物語でもありましたね。
アンチヒーロー。
強い覚悟と意志を感じるドラマで、VIVANTとはまた違う重厚感があり、日曜劇場が還ってきたと思わされる作品でした。




以上、ドラマ「アンチヒーロー」の名台詞集でした。

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