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元地方公務員が考える「ふるさと納税」の決め手

 12月に入り今年中にやることをやらなきゃなーと思って先送りにしている日々です。

 その中の一つがふるさと納税。みなさんもどの自治体に寄付しようか上限額と返礼品を比べて考えていることと思います。私もどうしようか悩み中です。

 私自身が元地方公務員なこともあり、税収のことも何となく気にしながら毎年寄付先を決めています。今回は自分なりの決め方をまとめてみました。

 私個人としてふるさと納税を批判する意図はありませんのであしからず。

そもそもふるさと納税って?

 「ふるさと納税をやると税金が安くなるし返礼品がもらえる」「年収によっていくらできるか決まる」という認識の方も多いと思います。

 国税庁のホームページで調べてみました。

ふるさと納税は、ご自身の選んだ自治体に対して寄附を行った場合に、寄附額のうち2,000円を超える部分について、所得税および個人住民税からそれぞれ控除が受けられる制度(注)です。

国税庁ホームページ
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1155.htm

 ふるさと納税という名前ですが、その分所得税と住民税から寄付金控除が受けられるというものです。詳しい制度については国税庁のホームページをご参照ください。

 “ふるさと納税”と検索すると各種ふるさと納税のサイトでも解説してくれています。

「住民税の控除」が意味すること

 自分で決めた自治体に寄付をして所得税と住民税の控除を受けるとはどういうことか考えたことはありますか?

 これってつまり、自分の住んでいる自治体の税収が減るということです。

 所得税は国税ですが、住民税は市町村民税です。ふるさと納税の制度上、多くの控除が受けられるのが住民税のため、自分の住んでいる自治体の税収が減ってしまうのです。

 実際、東京23区や政令指定都市では住民税の減収が問題となっています。

ふるさと納税を利用して住民がほかの自治体に寄付を行った影響で、今年の住民税の税収が減る見通しの自治体を、減収額が多い順にまとめました。
1位 横浜市 304億6700万円
2位 名古屋市 176億5400万円
3位 大阪市166億5500万円
4位 川崎市 135億7800万円
5位 東京・世田谷区 110億2800万円
6位 さいたま市 100億6900万円
7位 福岡市 96億5100万円
8位 神戸市 92億6400万円
9位 札幌市 89億7400万円
10位 京都市 82億4300万円
11位 東京・港区 81億8600万円
12位 千葉市 66億5300万円
13位 広島市 57億5000万円
14位 東京・大田区 56億3100万円
15位 東京・江東区 54億200万円
16位 東京・杉並区 53億2900万円
17位 東京・品川区 50億9500万円
18位 東京・練馬区 49億8700万円
19位 仙台市 49億2300万円
20位 東京・渋谷区 49億2100万円
減収が多くなったのは、前の年度と変わらず政令指定都市と東京の特別区で、すべての自治体で減収額が拡大しました。

NHK首都圏ナビ/2024年8月2日
「ふるさと納税 2023年度の寄付総額1兆円超 横浜や東京・世田谷区など住民税減収額が拡大か」
https://www.nhk.or.jp/shutoken/articles/101/009/74/

 東京23区や政令指定都市とはいえ、減収が続くと将来的に今受けている行政サービスが縮小してしまったり廃止になってしまう可能性は否めません。

じゃあ寄付先はどこにする?

 減収になってしまうからふるさと納税するなとは思っていません。寄付で助かってる自治体ももちろんたくさんあります。でも大切な税金を寄付するわけなので、どこに寄付するか考えるのが大事だと思っています。

 私の寄付先を決める基準は2つあります。

 1つ目は親族が住む自治体です。私はよく祖母の住む自治体に寄付しています。理由は少しでも生活が快適になってほしいと思うからです。

 2つ目は災害などの被害を受けた自治体です。少しでも復興の足しになればと思いよく寄付先として選びます。先ほど紹介したNHK首都圏ナビの記事の中にも能登半島の自治体への寄付額が増えていることが紹介されていました。同じように考える方は多いようです。

 これ以外でも例えば「〇〇城が好きだから維持のために△△市に寄付する」とか「特産品の〇〇が好きだからこれからも食べられるように△△市に寄付する」というような理由も素敵だなと思います。

考えて決めることが大切

 控除されて税金が安くなる上に返礼品がもらえるお得なふるさと納税。

 応援したい自治体に寄付するのもいいし、自分の住む自治体に使ってほしいから寄付しないのもいい。どこに自分の税金を使ってほしいか考えて決めると、少しいいことしたなという気持ちになります。

 魅力的な返礼品で決めたとしても、その自治体のことを少しでも調べてみると、こんなところで税金が使われるんだなとイメージできていいかもしれませんね。

 いずれにしても負担する税金なので、考えて決めることが大切だと考えています。

 さ、私も重い腰をあげて決めていきます。

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