【詩】「許してと言えないのは分かってる」
求めるだけ求めて何も還せなかった
君が求めたものを何もあげられなかった
消えた言葉
消えた温もり
ふと思い出したときに
懐かしさが漂うぐらいに時間は過ぎた
涙が君の頬を伝ったのを見たのは一回きり
でも君は泣き虫だった
今は笑って暮らしているだろうか
確かめる術は何も無いけど
僕は相変わらずな詩を綴っているよ
ただ焦りにも似た熱はもうないから誰の心にも響かない
求めるだけ求めて何も還さなかった
それは君に対してだけじゃなかった
僕自身に対してもそうだったみたい
消えた言葉
消えた温もり
ふと気付いたときに
いつの間にか僕の中は空ろになっていた
何を言っても熱を帯びない
何と言っても空しく鳴る声
何を言っても届かないのは分かってる
何と言っても伝わらないのも分かってる
それでも僕は相変わらずな詩を綴っていくだろう
愚かな自分をどうにかしたいと静かにもがきながら