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【詩】「音」

寂しがり屋さんたちがあふれてる
僕もあなたも彼も彼女も
心のどこかにいくつかの傷を負っている

自分の意味すら見失いがちな哀しい場所で
震えてるくせにみんな強がってばかりだ 

心の音が寂しさを奏でる
街のザワメキから離れたこの部屋で
胸の奥が少しずつ壊れていく

憂鬱を振り払うようにカーテンを開いて
窓の外に広がる夜を見上げた

陽光よりも月光が落ち着くのは
その銀の光が傷を癒すからだろう
そして僕は今夜も耳を澄ませている

いつか行ったその場所で
渇ききっていた僕を潤してくれた
今も繰り返されているはずのその旋律が聴きたくて

心の音は寂しさを紡ぐ
誰かに見つけて欲しいと我儘が
胸の奥で暴れ続けている

戻れない場所があるのに気付いてる?
僕もあなたも彼も彼女も
それでも戻りたいと無意識にその場所を求めてる

あなたの寂しさがあふれたときは

いつか訪れたあの海の音を二人で聴きに行こう
この街の喧騒から遠い世界で
いくつかの音を失くしてしまった僕と

ずっとずっと僕は耳を澄ませているよ
今も繰り返されているその旋律をただただ聴きたくて

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