「朧月みたいね」

そう言った人との日々は
いつかの春の前に敢えなく終わり
記憶は霞んでいる

それでも完全に消えることなく
僕の暮らしに染み付いている

部屋に漂うようになった香りも
暗闇を怖がっていた人のための
やわらかな灯りも

今でも似た背格好に振り返ってしまう冬の日も

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集