【詩】「Kiss」

ただ抱きしめたいだけ
そして柔らかなKissを

あなたと別れて駅へと向かう道すがら
僕とあなたが放り出した言葉を手繰ってみる

だけど戻ってくることのないような
そう思うのは気のせいだろうけど

分からなくなるよ
というより最初から分からないままだよ

どれだけあなたに「好きだ」と言っても
それが何か違うような感じはなかなか拭えない

ただ抱きしめたいだけ
そして柔らかなKissを

あなたと何を見つけられるのだろう
手を繋いだときにふとそう思った

僕は知らぬ間に諦めることに慣れていた
あなたの横顔を見つめながらそんなことを振り返った

分からないままで
分かろうとしないから分からないままで

どんなにあなたに「好きだ」と言っても
言葉以上の確信を今も心に見つけることができない

ただあなたを抱きしめたいだけ
せめて寂しさ減らすKissを