工業蒸留への道② 〜沸騰後の混合物組成〜
前回の投稿では物質の沸点について記載しました。
混合物の沸点は、混合比率により変化します。
今回は、混合物が沸騰した後にどのような状態になるのかについて書きます。
沸騰後の組成について
沸騰とは、液体が気体に変化する現象のことを指します。
例えば、水とエタノールが50%ずつ混ざった混合液が沸騰した場合、気化した際の気体中の組成はどのようになるでしょうか。
興味深いことに、気体中では水とエタノールの比率は35%:65%となります。
このことから、混合物を沸騰させた場合、気相部ではエタノールが相対的に濃縮されることがわかります。
エタノールが濃縮される理由について
では、なぜ気相部でエタノールが濃縮されるのでしょうか。
その理由は、水と比較してエタノールの方が気化しやすいためです。
気化のしやすさは、分子の大きさや分子間の相互作用によって影響を受けます。
分子構造によって気化のしやすさは変わり、その度合いが水とエタノールで異なるため、液相部に対して気相部ではエタノールが濃縮される現象が生じます。
まとめ
混合物が沸騰した後の気相部ではエタノールが濃縮されるという現象が観察されます。
これは、エタノールの方が水よりも気化しやすいために起こる現象です。
次回は、この現象をどのように応用するかについて、さらに詳しく掘り下げていきます。