見出し画像

『谷崎マンガ 変態アンソロジー』    谷崎潤一郎原作

『谷崎マンガ 変態アンソロジー』
谷崎潤一郎原作

11人の漫画家と画家による、谷崎文学のマンガ化。

『痴人の愛』『陰影礼賛』『台所太平記』から、初期の短篇まで、「変態」「異端」「倒錯」などさまざまに呼ばれた谷崎文学のエッセンスを、11人のアーティストが新たな視点から表現するアンソロジー。

それぞれの作品はもちろんのこと、作家の対談、付録等々、豪華な文学遊びがこの小さな文庫本に詰まっています。中公文庫ですが、これを読んだあとは、中公文庫の谷崎シリーズ、とくに「谷崎ラビリンス(テーマ別短篇集)」を読みたくなることは間違いないでしょう。

古屋兎丸、今日マチ子、中村明日美子、しりあがり寿、山口晃をはじめとする、マンガに疎い私でもその名を知るそうそうたるメンバーが、谷崎作品の中からひとつを選んで、マンガにしています。
絵柄も表現方法もまったく異なる11人が、それぞれ作品に対して独自のアプローチを試みています。ひとつの場面を深く掘り下げているもの、時代設定を変えたもの、語りの視点を主人公ではなく脇役にしたもの、などなど。
古典リメイクでありながら、独立した作品としても楽しめるためいきものの完成度。
「文豪」谷崎潤一郎の作品の、新たな読み方、解釈、楽しみ方、伝え方、がここに繰り広げられています。
こんなに楽しい文学遊びってあるでしょうか。

どうでもいい話ですが、一日文豪プレイができるなら、私は谷崎潤一郎になってみたいです。

#谷崎マンガ変態アンソロジー #谷崎潤一郎 #文豪 #小説 #マンガ  #中公文庫

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?