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日本人女性の「やせ」
今、日本の若年女性の5人に1人がBMI18.5以下のやせ状態であることが問題視されています。2013年から国はBMIが18.5未満の「やせ」に該当する割合を、20%未満に抑えることを目標に設定していますが、2019年の調査では「やせ」の割合は20.7%に留まっています。
どうして女性の「やせ」が問題なのかというと、低栄養による筋力低下、貧血、糖尿病、月経不順、無月経などあらゆるリスクが高まってしまうからです。卵巣から女性ホルモンが分泌されなくなると、不妊だけではなく、骨量が低下して骨粗しょう症などのリスクも高まります。また、やせ状態で妊娠、出産した場合、低体重児(2500g未満)が生まれる確率が高く、低体重で生まれた赤ちゃんは、将来、糖尿病や高血圧などの生活習慣病になるリスクが高くなるということもわかっています。
この問題について、一人の栄養士として感じることは、BMIだけでは語れない問題だなということです。
「やせ」が増えている背景には、食べたくても食べられない状況(貧困や働き過ぎなど)や、日本人の自己肯定感の低さなども関係していると思います。そもそも体質的に太れないということもあります。
20代よりももっともっと若いうちから、やせが続くことのリスクとか、自分の健康や毎日の食事を大切にすることとかを知って欲しいし、テレビや雑誌に出てくるモデルやアイドルは体重を公開するのであれば、「こういう努力をして、このスタイルを維持しています。そして健康です。」というところまでみせて欲しいと思います。
近年、体型も含めて自分らしさを大切にしようという流れも出てきていますが、まだまだ「痩せている=可愛い、正義」みたいな世の中になってしまっているから、追い込まれてしまう人もいるのではと思ってしまいます。
私は小学2年生の口から「ダイエットしてやせなきゃ!」という言葉を聞いたことがあります。衝撃でした…
その子は身長があるので、そのくらいの体重があっても全く問題ないのに…そのくらいダイエットという言葉が身近になっているんだなと思うのと同時に、子供たちの社会にも「痩せている=可愛い、正義」の感覚が浸透してしまっているのかなと不安にもなりました。
もちろん気にしなさすぎも良くないのですが(笑)「あの子みたいにスリムじゃないけど、元気な自分が一番!」と思えるような、そんな心を育むことを微力ながらやっていきたいなと思いました。
皆さんは、どう思いますか?
参考資料
https://seikatsusyukanbyo.com/calendar/2022/010664.php
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000761522.pdf
厚生労働省「第2回「自然に健康になれる持続可能な
食環境づくりの推進に向けた検討会」資料