手摘みのカモミール。
カモミールの収穫期に入って来ました。
葉っぱを収穫するハーブ、例えば・・ミントやバジル、
レモンヴァーベナなどは6月に忙しくて収穫できなくても、
秋までずっと成長しながら収穫を待っていてくれますが
お花を収穫するハーブ、この時期のカモミールやバラ、
ラベンダーなどは、あっという間に咲いてしまって
待っていてくれません。
咲いてしまったらもう来年を待つしかないのです。
わずかな期間で1年分を賄わなければいけないので
それはもう、とにかく必死で収穫します。
そんな事情があるので、
いっぺんに、ぶわぁーっと収穫できないの?
って素直に思いますし、ずっと思っていました。
海外の大規模プラントではこんな感じで圧倒されますねー
これは無理だとしても何かないのか?
もう10年程前の事ですが、色々と探しましたよー
その中で当時、これは使えるかなと思って取り寄せたのが「ピッカー」
海外では主に野生のベリーを摘む時に使う道具で
櫛状のところに引っ掛けてすくい取るように摘みとるもの。
手摘みより早く収穫出来きて
おおっ!!いいの見つけたかなー
と思ったのだけど
収穫したカモミールを見て、使うのをやめてしまった。
実は、カモミールは1本の茎に数輪お花をつけるのだが
一輪一輪咲くタイミングが異なっている。
1、~花芽が出てきて花びらが出てきたところ~
まだ固く青い菊のような香りの段階。
2,~花びらが開き始めたことろ~
まだ香りが乗っていない段階。
3,~花が成長し熟してきたところ~
この段階になりようやくカモミール独特の甘い香りが乗ってきて
収穫出来るようになる。
つまり、
機械的にいっぺんに収穫してしまうと、
開花過程の様々な花が混ざってしまい
青く香りが乗っていない花と、最高に香りが乗っている花との
その平均値を超えて、より香りのいいハーブティーを
作り出すことができないのだ。
私達がカモミールを収穫する時
無意識の中で完熟したオレンジ色のカモミールだけを摘みとっていた事に
このピッカーを使ってみて気がついたのだ。
以来
いっぺんに、ぶわぁーっと収穫できないの?
とは考えず(たまに思うけど)
むしろ、手摘みでしかできない事、
手摘みのよさを生かした事をして行こうと考えるようになった。
種を蒔く事、自然の中で育てる事、そして収穫する事。
どこを切り取っても自然の理にかなっている事を大切にしたい。
それは、
最終的にハーブティーを飲む人のココロとカラダに大事な何かを
届けられる。
そんな気がしているから。
だから今日も、一輪一輪手摘みで収穫する。
2020年はとてもいい出来です。
よろしければいかがですか?