見出し画像

ハーブティーのお話 その5 ブレンドの流れ。

ハーブの特徴をひとつ、ひとつテイスティングして

自分のハーブティーカラーチャートを制作してみる。

キャンパスに色彩を置くようにブレンドしていく作業は

とても楽しいもの。

でも、そこにはもう一つ難問があります。

それは、

ハーブによって抽出時間で味わいが変わっていく事です。

そんな事、当たり前といえば当たり前の話なのですが。

画像1

シングル(単品)ではその変化も楽しめるものの

ブレンドは美味しさの広がりを得るものですから

上手く調和させないといけません。

例えば、ペパーミントとアップルのブレンドハーブティーを

作ろうとする場合

まずは、それぞれのテイスティングをします。

ペパーミントにお湯を注ぎ

タイマーをセットして少しずつテイスティングしていく。

すると30秒くらいでは薄い感じ

1分程度になると清涼感が出てきて

3分を過ぎたあたりから葉っぱの香りが強くなり薬臭さが出てくる。

1分位の抽出が美味しいなーと判断できます。

次に

ドライアップルにお湯を注いで

タイマーをセットして少しずつテイスティングしていく

30秒くらいではただのお湯の感じ

1分程度になると薄っすらと抽出してきて

3分を過ぎたあたりから甘みが強くなり美味しくなる。

アップルは3分程度の抽出が美味しい。

この異なる美味しさのピークを合わせる作業が

必要になります。

つまり、それぞれのハーブは色彩を持った立体なのです。

美味しさのピークを合わせるのは、比率で決めていきます。

1カップ分に必要な量を仮定して

その中にペパーミントとアップルが

どの比率で混ぜ合わさると全体の美味しさの調和が保てるか?

あるいは、コンセプトにあう香りや味が引き出せるか?

という作業をします。

この例の場合は

長い時間かけると美味しくなくなってしまうペパーミントの量を

少なくして

短い時間だと薄くしか抽出されないアップルの量を多くします。

1:9  2:8  3:7  4:6  ・・・・

それぞれの比率でサンプルを作りテイスティングを重ねながら

美味しさの調和が取れるポイントを探していくのです。

1杯のカップに抽出される色彩を持った立体の面積を決める作業です。

私は、こうした一連の流れでブレンドをしています。

これを、複雑系のブレンドですと7~8種類のハーブで行うことになり

この作業で何リッターのハーブティーを飲むか分からないのですが、

これらの作業自体は、さほど大変ではありません。

ブレンドハーブティーを作る上で一番大変な作業

それは・・・コンセプト作りなのです。

ただ混ぜ合わせて美味しいだけではダメなのです。

いわば美味しいは当たり前。

その美味しさの中に物語を持たせる。

お客様の想いをくみ取って実現する事。

この「0→1」の何もないところから、あるものを

引き出すことができれば後は作業するだけなのです。

その0→1のお話は、また次回に書きますね。




 

いいなと思ったら応援しよう!