樹のぬくもりを感じる。
冬の晴れ間をぬって
農園の草刈りに精を出していたら
遠目に
新芽を吹いて見える樹があった。
あれ。
そんなに春が早いのかな?
近づいてよくよく見ると
それは、
種をこぼした後の花殻だった。
この樹が「真弓」という名前ということは
以前
知り合いの造園屋さんから聞いていて
この花殻についていた実は
薄紅色でとてもきれいなものだった。
実が落ちても
満開の花を思わる花殻を見上げる。
きれいだね。
グレーの空からは
綿のような雪が降ってきた。
枝を何本かもらって
アレンジに使おう。
気が付けば
どんどん、どんどん降っていて
窓の外は一面の雪
でも、
小さく束ねた花殻は
樹の息づかいを宿して
あたたかなぬくもりがあった。