ハーブティーのお話 その3 ドライハーブ
フレッシュハーブを収穫して乾燥させただけのドライハーブ。
年中ハーブティーを楽しむためには、
この乾燥して保存するという事が大事になってきますね。
ハーブティーはできればフレッシュで
召し上がって頂きたいと思っている。
それは、その季節に出るべくして出る「旬」のものを
取り入れるのという事が食にまつわる基本と考えているから。
でも、沢山収穫できたり、後々体調が整わない時に必要だったり
他のハーブとブレンドを考えたりする上では
ドライハーブにする事も必要になってくる。
乾燥の仕方は、
洗ってハーブが重ならないように出来るだけ広げ、日陰干し。
触ってハラハラと崩れるくらいになったら
瓶や缶にいれ、できれば食品乾燥用のシリカゲルを一緒に
入れておくのがベスト。
乾燥させる地域や季節によりうまく乾燥できない場合は
扇風機を使ったり除湿機を使用したり
また、ハーブの本などではオーブンやレンジを使うことも
紹介されているが、いずれにしても
乾燥する目的が果たされればいいので
これでなくてはいけないという事はありません。
無理をせずやりやすい方法でいいと思います。
ちなみに那須高原HERB'sでは、食品として販売する関係もあって
大型と小型の乾燥機を使用しています。
「1カップどのくらいの量のドライハーブを使えばいいですか?」との
ご質問はよく受けます。
ちょっと遠回りのお答えになってしまいますが
フレッシュのハーブ1kgを乾燥させると何gくらいに
なると思いますか?
正解は、
カモミールは180g程度
バジルは100g程度
柚子は皮だけを使う関係もありますが、たった30g程度です。
なんと
歩留まりがいいカモミールでも1/5以下になってしまいます。
余談なのですが、
たまに「いいお値段するのね。安くして」とおっしゃる方もおられますが
一瓶のドライハーブを作るのに最低でもその5倍の量を収穫しないと
作ることが出来ない事をご説明するとご納得いただけます。
さて、
その様にフレッシュとは反対にg当たりの香り成分が相対的に濃いので
ハーブティーにする時は少しの量で香り高いティーになります。
1g程度のドライハーブをポットに入れ1カップ分(約200cc)の
沸かしたての熱湯を注ぎ、ミント系ですと1分程度
カモミールは3分程度蒸らして、カップに注いでください。
こんなに少なくて大丈夫?と心配になるくらいでOKです。
本場ヨーロッパのハーブの本では
もっと沢山の量を使うレシピになっていますが、
これは、先日お話をした「水」が関係しています。
ヨーロッパの硬い水は成分を抽出するのが弱いので
ドライでも沢山の量を使わないと香り高いティーになりません。
よって、スーパーなどで売られているヨーロッパ産輸入ハーブティー
ティーバックを日本の軟水で抽出すると、
とても濃いティーになり美味しくありません。
ハーブひとつ、ひとつの個性や
抽出時間で変化する香りを気に留めて置くと
次のステップの「ブレンド」も思いのままに
表現できるようになりますよ。