メトロノーム (1、2)
1
誰の言葉にも真実は詰まっていて、
それらは送電線のように結局は繋がっていて、
だからその意味で、
本当に孤独な言葉はどこにもないんだと、
今朝の大雨が教えてくれた。
全く不愉快な朝。
健康な掛け声の全盛期の丘の上の太陽に、
やつれた顔の影法師が、
ひとつ、
ふたつ、
やがて待ち構えている破綻に備えて、
互いに嘘をつく練習をしていた。建設。
2
小鳥たちがやって来た空を見上げると、
そこには昔の大陸があり、
あまり大きな声では言えないが、
馬鹿みたいな王国が広がっていた。
あたりはやけに静かで、
草木もそこに居ないふりをして、
ここにあるのは滑車、荷台、そして古ぼけた手帳。
きみと俺は、小鳥たちの行方を話し合い、
雨の降って来た土地に逆に向かい、
王国に自ら囚われに行った。有終。