アヒル・メイキング
ケーキがある。このケーキはたぶんアヒルのものだった。ケーキの尻尾に羽毛が付いていたからだ。
「ちょっと待って。また意味不明の文章にするつもり?」
そうだけど。なにか問題ある?
***
ここで二択がある。①私はアヒルだった。②私はケーキだった。どちらにするか迷っていると、新案を思いついた。私は尻尾だった。それだ。それでいこう。私は、私に付いた羽毛に、ケーキを食べさせた。
さて、ここで問題が生じる。もし、論理的に考えるのであれば、先に「ケーキの尻尾」という言葉があるので、尻尾である私は、すなわちそのケーキの尻尾なわけだが、その私が羽毛に、なんとケーキを食べさせたのである!
「ツッコミどころ多いよな」
そうです。指摘してくれてありがとう(涙)。私は羽毛に、私の本体を食べさせたことになる。これは残虐描写か? それともただのナンセンスか。
「どうみてもただのナンセンス」
それな。ただ一つ、密かに注意を払いかけたことは、私の本体であるケーキを羽毛に食べさせるという論理関係は、“ナンセンスが過ぎる”と見て、そのような展開を避け、もう少し意味のまともな(理性的な)繋がりを重視し、ストーリー性をどちらかというと尊重する方向性を取ることも出来るということだった。例えば、私は、私に付いた羽毛とともに旅に出た。ケーキは私をご機嫌に振っていた。私は羽毛が飛んでいかないか心配だった。といった具合である。ナンセンスのレベルが多少抑えられている。
「うーん。思ったよりまともな解説だった」
でしょ。では、続けよう。私は、今度はアヒルにケーキを付けたかった。ケーキを付けると言っても、名札のようにペタリと付けるのではない。もっと、木にコアラが付くように、大胆に付着させたかった。しかし、アヒルに付着するにはケーキは大きすぎるので、ケーキをパートに分割する必要がある。パートはパーツの単数形である。アヒルの用法については、また次回!
「ええ...(なにそれ。意味わからん)」
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