悪魔の技術【文体実験】【意味不明】【とても読めた物ではない】

バルセゾーナ。またこの場所から始めなければならない。いつも同じ出発地点。いや、同じではないはずなのだが、この逃走にも似た言葉の愚行、どうにかならない物なのか。そもそも世にある価値が分からない。いや、それを俺が言ってはならないな。俺は誰からも逃走し、出来るだけ何物でもなくなるように努めて、この架空の取り組み先を架空でなくする、いわば雲を大真面目につかみにいく行為なのだった。なるほどこれは怪しい生き方である。相当に。しかし、改めてこう言ってみると、なかなか面白い物でもある。シンプルに哲学的であろう。表面的ではあるものの、「人生(態度、言葉)を創る」事、まさにそのものと言ってさえいいかもしれない。この行為は土台が裏切りなのではあるのだが、考えてみれば、想像以上に崇高かもしれない。語りの本質を逆手に取る、「悪魔の暇つぶし」のような物かもしれない。しかし暇つぶしは悪魔にとっては仕事であるので、これはなるほど、人間が請け負う事の出来る数少ない悪魔の仕事なのかもしれない。音楽とも絵画とも違う。独特の背徳。しかしこう書けば書くほど興味深い。人間の本質を唯一逆手に取った「背徳芸術」であるのかもしれない。この世には、聴くべき音楽もないし、見るべき絵画もないし、読むべき本は当然ないとしても、出会うべき人さえいないのは俺の中では周知なのだが、ーー何がどう周知なのかーーその事がヒントであるとまでは気付いていなかった。世界になんら“やり場”がなかろうと、命の使いどころはなんと、あるのであった。それが創造性。創造性は常に「ない物」の事だから、ない物はどんな所にもいつ何時(なんどき)も存在していて、なくなる事がない。ない物はなくならない。この無尽蔵の落し物を、文字通りない物ねだりしなくては、人生ではなかったのだ。大いなるパラドックス。これは悪魔か天の仕掛けであろう。(創造性を求める時、と言いたい所だが、別にそれに限らないかも、とにかく、)まさか生が無を求めるためにあったとは。なかなか気付きにくい事であった。無を求めるとき、人はそこに何かがある振りをする。ここが“いけない”所だが、しかし土台が全部「誤解」であるのなら、無意識に何かがあると思っている方も大概である。分かってやってる方がまだマシかもしれない。いささか屁理屈じみているが。そんなこんなでそろそろ切り上げたいのだが、この事への興味はなかなか大きくて、少し惜しい。創造性の起源としては、常識的に考えれば、やはり経験に基づく誤解であろう。本人は信じてやまないのである。情熱と呼ばれる物だ。他方が背徳の芸術である。なるほど、ほとんど直感で見えてきたかもしれない。創造性は、一般に思われているよりも遙かに邪悪で、究極的に悪魔的な無内容であり、そしてその事自体は邪悪でもなんでもないのであった。勘がそう言う。とすれば邪悪なのは俺達人間だろう。なるほど悪魔の起源が判明した。俺達が自ら惑わされに行ってたんだ。そうだったんだ。これは酷い。もはやこれは一種の悟りじゃないか? 人間の行為は用意されていたんだ。人間には目的があった。意外にも。ま、意外でないかもしれないけど。その与えられた目的のために、人間は惑わされるのである。別な角度から言えば、自ら惑わされに行く事自体が目的であった。これはナンセンスとも言えるし、言えなくもある。磁石のNとSがくっつくのはナンセンスではない。男女の事を特に言いたいわけではなく、だいたいの行為がこういう事なのである。創造性はこれを逆手にとったイタズラである。人生に対する悪戯だ。なるほどこいつは面白い。創造性とは生きる振りである。人間が人間の振りをしているというわけだ。もちろんこれは”誤解の方“ではなく、”分かってやってる方“、つまり背徳の芸術の方だ。そして、これをする目的を考えてみる。すぐに直感できる。否定である。これ以上あまり語りたくない、この事を。創造性が反抗である事は、別に前から知っていた。知っていたというか感じていたというか。分かっているのかは知らないが、そう認識してはいた。あくまで言葉の上でだが。しかし、なるほど否定か。これは”良心家“には務まらないかもな。もとを正せば、創造も非創造も、どちらも悪魔の仕業には違いない。ならば、創造とは、悪魔に悪魔で対抗する事か。悪魔の技術と言えるだろう。そしてこれは単に具体的な技術に限った話ではなく、人生そのものにも言える。悪魔の生き方、ないしは悪魔的な生き方。これは一つの悟りと言っていいだろう。無に向き合う事には実があったのだ。無と有にそもそもあまり違いがないのであった。屁理屈ではない。やってみれば分かる。分からなければやれないかもしれないが。

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「過去最大レベルに独善を強めたこの文章は、多くの人にとって反面教師となるだろうか?」

「お分りの事と思うが、これは散文詩である。これを意味不明と指摘する事は、空を青いと指摘する事と同じだろう。初めて空を見た者のする事だ。」

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