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【偏屈者Aの嘆き】 文章を書くことは壁を作ることに似ている。あなたが文章を書けばそこに壁が生まれ、それに直面した私はそれに沿って歩くことしかできない。あなたの文章は「ここからは先へ進めません。先へ進みたかったら迂回してください。ここでは私が案内人として、あなたの手を引いていきます。さあ、気張らずに、安心して身を委ねなさいな」と言って、私を横道に連れていこうとする。それは、道端で子供を誘拐しようとする詐欺師に似ている。「ワタシが君のホントのお父さんだよ。やっと会えたね。ああ、
理解の囚人の没落せし暗号を拝呈する徒人。 臥城の床で十戸の畠に叛く暴君の轍を遡る影。 世時の亡骸を携えし北郷羅の堤防でうらぶれた背中を臨む我が黙歌。 直立した情念の踵を返上せんとする文言。 肝の柄の切先が撫でる透明の視線。 法師の懐にそよぐ一楽章。 ーー以上、明晰なる思考の足枷。 君子よ、跪け。 多義的な一節の翻訳と邂逅せんことを。 詠唱。 広場、 朝。
『ふりがなの詩』 ーー押忍ーー 「ふりがな」で真剣に試用んでみようと思う。 二年前から不変の「作文」にかける想い、矜持、フンコロガシ。 逆流する運命の哲学をこの人生に賭した瞳と天蓋を埋め尽くす黄金の星屑。 俺を笑え。 教室の隅で呼吸する天使の笑顔が俺に接吻するんだ。 古傷がうずく。 俺はどこにいる? お前の言葉はどこへ向かう? 錯乱の狂気を俺は土に還す。 西陽。 憧憬。 ーー嫌いだ。 会おうーーまたいつの日か。じゃあな。