📦筍の叔母のうちに行こうミッション① 5/4
この日、水曜日の夕方、実家に行くと、玄関にどーんと生協で買ったペットボトルの箱が置いてあった。置き去り。
完全に運んでもらう気である。
これは重たいのでまあ良い。
そして書斎に入ると、何故か、謎の木箱が置いてあった。
なんだこれ。
木箱が突然出現した意味も分からないのだが、なんだかこのあいだ中、客間で母親が何かゴソゴソしている音がする。
何をしているのかと思って見に行ったらこの有り様。
筍を送ってくれた叔母の家に、5/7(土)連れて行くと言っていたので、持って行くものを物色中らしい。
木箱は余波。
かねがね、「持っていきたい」物としては、奥のステンドグラスのランプくらいしか聞いていなかったのだが、形見分けのつもりなのだろうか。
ものすごく散らかしており、
「あんた、ちいさんところに皿とか持っていこうと思うとやけど、どれを持っていったらいいと思う?」
と聞く。
知らん。
一応、自分が実家でいつも使っているやつと、錦鯉だけ残してもらえたら、後は基本母の好き嫌いで決めたらいいのでは無いかというが、ずっと迷っている。
楽しそうですね。
白い皿のセットと花柄の皿のセットを見比べながら、
「これはどっちが良かろうか?」
と聞くので、
「普通は白い方が使いでがあるんやないん。」
と言うと、
「でも私はこの花柄の方が可愛いと思うんよ。」
と言う。
答えが出てるなら聞くな。
放置して、書斎に戻っていたら、大声で呼ばわる声がした。
「ちょっと!
ちょっと来て!!
これどっちを持っていったらいいと!!
このひな人形どうしたらいいと!!」
割とうるさい。
見ると、テーブルの上に、初めて見るひな人形が鎮座ましましていた。
いや、初めて見るし、全く思い入れもないし、正直どうでも良かったのだが、そもそもそれが何か母に聞く。
母の言うには、昔(多分二十年くらい?)、出入りの仕立て屋が仕事が少なくなって古物商まがいのことをしていた時に、いよいよご高齢になって施設に入ることになったお客様から譲っていただいたひな人形を、うちの母に安価に売った…と言う話だった。
母は、本来(おそらく伝統工芸で)高価なひな人形が安く買え、生活に困っていた仕立て屋さんにも小銭を落とした善行を積んだ(と思っている)ことで、ご満悦の様子だったが、どこまでディテールが正しいかは分からない。
「それでね、買ってやったんやけど、忘れて(押入れを指差す)、あそこの下の段に入れっぱなしになっとったんよ。」
存在を忘れてるじゃねーか。
どう考えてもいらんのやろ。
「いやそもそも初めて見たし、思い入れもないし、もう飾らんやろうし、いらんのやないん。」
そういうと、母は叫んだ。
「飾らんことはないよ、飾るよ!」
「えっ誰が?」
「私よ!」
あんたかよ!
飾るんなら、本当に、聞くな!
話は終わりそうになかったので、とりあえず。
今日はここまで!
帰った(当然翌日に続く)。