いらない
それは、本当にふいに、ふとしたときに感じる。何かが舞い降りてきて、突然昇天するようなものなのかもしれないし、見知らぬ方に肩を叩かれて、振り向いた先には誰もいなかったようなそんな衝撃的なものかもしれない。
でも、それは本当にそんな突然やってくるものなのだろうか? それとも、もしかしたら初めからそうなのかもしれない。
いや、いつもいつもそうではないのだから、やっぱり、突然、ふいに、なんて言葉が似合うかもしれない。
……正直、どちらでもいい。
どちらにしても、私は今すぐにでも耳を塞ぎたいと思い、目を閉じてしまいたいと願い、何も感じず、何も考えず、過ごしていけたらいいのに、なんて甘いことを考えてしまっている。その時点で矛盾が生じているのだから、救いようもない。
それは、バランス、なのだろうか。
バランスを整えようとする、ものなのであろうか。
もしそうだとしたら、それこそ人知の及ばない世界の構造として、やむなしなのかもしれない。
私みたいな人間が淘汰されてしまうのも……納得は、できない、けれど。
それでも、私も、感じてしまっている。ふいに、感じてしまっている。ふと、そう、感じて、しまって、いる。
私なんて いらない のだと。
私はここに必要ない、のだと。
それはどうしようもない事実で、真実で、抗いようもない現実なのだと、知っている。わかっている。
あぁ、私なんて、いらないんだ。
改めて口にすると、やっぱり、衝撃も感じる。
あの人も、あの人も、そう思っているし、声も聞こえる。ささやく声は鼓膜を通さず直接脳に伝えるみたいだし、目なんて介さなくてもそんな映像が見えてしまう。
世界が 私を 否定 している
存在を 私を 否定 している
それはでも、仕方なかった。仕方なかった。仕方なかった、と、思うしか……。
なんで、こんな声が聞こえるんだろう。
なんで、こんなこと思ってしまうんだろう。
もう、いやだ。いや、だ。
でも、そうなのだから。私は、そうなのだ。
私を否定しているのは私かもしれないし、本当に世界かもしれないし、もう何もかもわからない。わからないまま時間ばかりが過ぎていく。
何度、同じことを繰り返し、何度、同じことを繰り返し、こうして巡り廻ってこんなことを感じているのだろう。
わからない、わからない。
それでも、
朝が くる
夜が 明ける
また、一日が、始まる。
私に、何が、できる、だろう。
いつも、ありがとうございます。 何か少しでも、感じるものがありましたら幸いです。