そのときの想い
下書きを見ていると、メモのように二言三言残されているものや本当に途中まで書かれているものなどなど、様々なものが残されている。
どうして、ここまで書いて、途中で辞めてしまったのだろう。
どうして、そのあとこのまま放置して、残されてしまっているのだろう。
それはどことなく、手紙のようにも思えるし、過去からの通信にも思える。けれど、それは中途半端な、もの。それでも、残しておきたかったに、違いないもの。
それは、誰に向けて、伝えたかったものだろう。
それは、誰に向けて、残したかったものだろう。
なんにせよ、それをしたのは、紛れもなく、間違いなくーー
それは紛れもなく、わたし、なのに。
それをしたのは、間違いなく、わたし、なのに。
どうしてこんなにも、別の人物を思わせてしまうのだろう、か。
そのときの、わたしの想い、考え、深層、心象、様々なもの。
それは、他の誰でもない、わたしのものの、はずなのに。
書いたタイミングによって、こんなにも違っているのは、なんでだろう。書いたタイミングとのラグが、どうしてここまでの違いを生むのであろうか。
変化していないように見えて、変化してしている。
変わっていないように感じていても、変わっている。
あのときのわたしは、もう、どこにもいないのかもしれない。
いま、ここにいる、わたし。
それも、もしかしたら、明日には消えてなくなっているのかもしれない。
それでも、わたし。
わたしは、ここに、いる。
不思議なものですね。
わたしなのに、わたしではない、それでも、わたし、わたしである。
ちゃんと、日々を過ごしている、日々を重ねている。変わっている。変わっていないように思えて。
それでも、そのときの想いも、わたしの心から溢れでた、本当のもの。
そのときの想いを見つめながら、この人はどんな人だろう、って想像するのもおもしろい。
不思議なものですね。
わたし、なのに、知らない、わたし。
願わくばーー
それがいつまでも、続いていきますように。
変わらずに、そうして、変わっている、わたし。
その想いをどうか、残していけますように。
伝えて、いけますように。
いまの、いまの、わたし。
いつ、どこにいても、いまの、わたし。
わたし、だから。
きっと、大丈夫。
だと、思う。