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立っている日
先日、久しぶりに「立っている日」があった。
何となく忙しなく、気も休まらず、ひたすらに動いていなければならない日。
体が熱を帯びるのがわかり、思考を回転させ続けていて頭も痛くなり、とかくに忙しない。
一歩引いて余裕を、なんていう気持ちを持ちながらもそれを実行できないほどに、なんだか「立っている日」であった。
原因も要因もつかめている。そう、初めから、それを覚悟していた。けれど、それに向かう気持ちがやはり、落ちつかない心持ちであったのだろう。
不動心、なんて私にはほど遠い境地ではあるし、きっとそんなふうには生きられないとは思う、けれど。
静寂不足を補うために、そんな日をかえって戒めにして、意識して静かさに身を置く気持ちになることは、よいことなのだと感じる。
幸田文の『静か』を思い出しながら、そうした一日を乗り越えて、過ぎ去った後に苛立ちもせずにほっとできる自分に、少しずつでも前を向けるようになってきたかしら、と、思えもする。
そうした心持ちがほんの少しでもまた、できるように。私は、
静寂に身を置いて、深呼吸を、してみた。
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