鍛え抜いたこの期間は裏切らない。
昨日、長男が所属する高校野球部の応援に行ってきた。
そこは、これから始まる夏の甲子園につながる地区予選ではなく、ベンチ入り出来なかった三年生が特別にエントリーした軟式野球大会。
日頃、硬式球に慣れた三年生たちが、軟式専門で練習してきた相手軟式野球部と、どんな戦いを見せてくれるのか。勝つことはできるのか。記念ではなく、ぜひとも勝ち進んでほしい。そう願いながら観戦をした。
レギュラー陣と1、2年生はスタンドで応援。これまでレギュラーが戦う試合をスタンドで応援してきた補欠の三年生達にとって最後の晴れ舞台。
掴み切れなかったベンチ入り。特別に用意してもらった軟式野球大会への出場。複雑な心境もあっただろうと推測するが、晴れやかな顔で行進する三年生たち。開会式。見回すと、坊主頭は、うちのチームだけだった。硬式野球大会(甲子園)に出ることを夢見た三年生たち。
同じ高校生。同じく野球というスポーツに汗水流してきた球児たちが集まっているが、彼らだけ、他チームとは違うオーラをまとっているように見えた。
普段、主力として出ていないメンバーだが、試合が始まると、声の迫力、外野からの送球、果敢な走塁、どれも相手とは比べ物にならないほどレベルが高く、気迫のこもったプレーを見せてくれた。
三年間、頑張ってきたんだよな。
想像して、涙がこみ上げてきた。
試合は圧勝。彼らの夏はまだ続く。
スタンドで応援していた、一年生の長男。彼は二年後、どちらのベンチにいるだろうか。この先、どんな結果になったとしても、今日の彼らの奮闘と笑顔を見ると、途中頑張ったことは裏切らないんだよな、と思わずにはいられなかった。
帰り道、長男に聞いてみた。
「これからどういう道をたどるんだろうね?」
「一年の秋にはベンチ入りするから」
力強い言葉が返ってきた。
息子がこれから歩む道が、どんどん彩り豊かになっていく。