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【風の時代の養生学】ぎっくり腰で動けない!即効で腰痛を和らげるツボ「腰痛点」

ある日の夜、電話が鳴った。

「やっちゃった。どうすればいい?」母である。
「どうしたの?」
「さっき、テレビを見ようと思って、ほら、あのリンゴのドラマに出てた俳優さんが出てる、あれ面白いのよね。すぐケンカするんだけど。昼間にデパートで美味しいもの見つけて、ごはん食べてたら時間になってて、あわててテーブルの向こうっ側にあったリモコンを、、、」

要するにぎっくり腰だ。痛くて床に転がっているというのに、なぜこんなに不要なことを話すのか、というのは別な問題なので、今日は置いておこう。

■ぎっくり腰とは

さて、ぎっくり腰。ドイツ語ではHexenshuus=魔女の一撃といわれるように、ある瞬間に突然「ギクっ」と痛みが走り、激痛で身動きが取れなくなる腰の捻挫。

基本的なことは、こちらのオムロンのサイトで簡単にまとめられています。

■鍼灸治療にかかる回数は

ぎっくり腰は、鍼灸がお得意とするところで、すぐに治療すれば、腕のいい先生なら1回で、帰りはスキップして帰れる。そうでなくても2〜3回で痛みをかなり痛みを軽減できる。

「なんで、みんなすぐに来てくれないかな〜」と鍼灸の先生は言うけれど、とりあえずは室内で動けるくらいにならなければ、タクシーに乗って、鍼灸院に行くこともできない。

ということで、自分でぎっくり腰や腰痛の痛みを緩和するツボを紹介します。

■腰痛の予防や治療のツボ「腰痛点」の位置

「腰痛点」というツボはその名の通り、腰痛、とくにぎっくり腰の治療や予防に使われるツボです。

位置:
手の甲側。
小指と薬指の骨の間を手首方向にたどっていった行き止まりの凹み。

8腰痛点2取穴

人差し指と中指の骨の間を手首方向にたどっていった行き止まりの凹み。

5腰痛点1取穴

左右2カ所ずつで計4カ所です。
人によってもう少し位置が上の場合もあります。響き(痛み)を感じる場所を見つけてください。


■正しいツボの見つけ方

「動ける〜?」
「動けな〜い」
「じゃあ、痛みが楽になるツボ押しをしてみて〜」
「どうするの〜?」
「まず左手の甲からね。小指と薬指の骨と骨の間に、右手の人差し指を差し込んで、軽く押しながらむ手首の方に向かって、骨が合わさるところの手前指をすべらせて、ぎゅーっと押してみて
「痛〜い」
「1分くらい、力を入れたり抜いたりして刺激してね」

「次は、人差し指と中指の間を同じようにやってみて」
「あんまり痛くない」
「少し位置をずらして、痛いところを探してみて。痛くない場合も、軽めに30秒くらい押しておこう。そしたら右手も同じにやって」

「右手の人差し指と中指の間が、びっくりするくらい痛い!」
「じゃあ、ここも1分ね。痛いところを1分、痛くないところを30秒くらいずつやったら、一番痛かったところを、もう一度1分でおわり」

■まずはゆっくり四つん這い

「どう?動けそう?」
「楽になった。動ける気がする」
「じゃあ、ゆっくりと四つん這いになってみて」
「できた〜」

「そしたら、ゆっくり正座の姿勢になってみて」
「は〜い。うん、なんとなく動けそう」

こんな感じで5分ほどで、だいぶ痛みが和らぎます。

■ツボを刺激しながら、腰をほぐす「運動鍼」

痛みがひどい場合は、これでとりあえず様子見。できれば鍼灸院へ。

「あ、意外に動けそう」と思ったら、立ち上がって、もう一度いちばん痛かったツボを押しながら、ゆ〜〜〜っくり腰を回します。くれぐれも慎重に、無理しないように。

中国の病院では、ツボに鍼を刺したままの患者さんが腰を回したり歩き回ったりしていることがあります。これは「運動鍼」というテクニックで、痛みや可動域制限の治療に効果的。

■ぎっくり腰の予防、腰痛の緩和の方法

「腰痛点」は、ぎっくり腰の治療だけでなく、慢性腰痛の緩和にも効果的。テレワークで腰回りがこわばったときは、一番痛いポイント一カ所を1分ほど刺激するだけでも効果があります。

①小指と薬指、人差し指と中指の、それぞれの骨が合わさる手前の凹みを見つける。
②指を骨と骨の間に押し入れるような要領で圧を加える。4カ所で計4分。(押しながら、ピアノを弾くように指を動かすと刺激が強くなります)
③いちばん痛かったポイント押しながら、1分間腰をゆっくりと動かす。

■ぎっくり腰が長引く、繰り返す時は

とりあえず、3日程度の急性期を過ぎたら温めたり、ストレッチをして気血の流れをよくするのが基本。怖がって動かないようにしていると、治りも悪く、また再発もしやすくなってしまいます。

ぎっくり腰が長引いたり、繰り返し発症するような人は、まずは、日頃の姿勢や運動習慣を見直すこと。それでも改善しないときには、中国鍼の鍼灸師さんに相談をして、原因(寒湿、湿熱、気滞、瘀血、腎虚など)に応じた根本治療をするのがおすすめです。


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