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代金請求は一瞬でも「ためらい」があってはならない

今回は、商売の根幹ともいえる最終場面「代金請求」の話をしたいと思います。

常識的なことですが、モノやサービスを売ったあとはお金をもらわなくてはいけません。当然ですね。このために仕事をするわけです。仕事はするけどお金はいりませんじゃあボランティアです。

お金稼ぎを声高に熱く教える人は多くいますが、集金の大切さを説く人はいません。なぜなら、お金稼ぎがゲーム化しているからです。
さらに、キャッシュレスの時代なので余計に現金のありがたみが薄く、細かなことにこだわらない人が多くいます。

私は昭和生まれの人間なので、1円が落ちていても必ず拾います。自動販売機の前に立つと、条件反射が発動して下にコインが落ちていないか見てしまいます(笑)。

話を元に戻します。
これは過去に私が営業部員として勤めていた会社でのエピソードです。
その会社は、毎月一度の全体会議の日に、未回収金の報告を経理担当者が全員の前でやるのです。

例えば、「山田太郎さんは先月の未集金が〇〇〇〇〇〇円あります。いつ頃入金予定ですか?」なんて具合に皆の前で追及されるのです。

これを見ていると面白いことに、毎月必ず同じ人が追及されています。つまり、仕事は完了しているのですが集金が遅いのです。これはお客様にお金をくださいと言えないその人の性格によるものが大きいと思うのですが、会社勤めなので集金が遅くなろうが自分の腹は痛まないので本人は改めることはありません。

お金にルーズな困った社員です。

集金とは商売の一番最後の大事な場面です。今書いたような人が起業すれば一発アウトです。すぐに事業資金が回らずショートして廃業の憂いを見ることになるでしょう。

でも実際に、このような例に該当する人も自営業者にいるのです。
ここまでひどくなくても、集金日を思った以上に延ばされても相手に言いにくい人。

もちろんその人の性格にもよるのでしょうが、毅然とした態度で代金を請求できなければ商売をやめたほうがいいと断言します。

私はコミック本で大人気の「ワンピース」が好きなのですが、7巻の第65話でのセリフを引用してみます。

ゼフ『生きるか死ぬかの海賊の戦場じゃあ 一瞬でも死に臆した奴はモロく
   くずれる』
サンジ『何の話だよ』
ゼフ『少なくともあの小僧にためらいはない』
サンジ『・・・・・・!』

これは、主人公ルフィーと首領・クリークとの目の前の死闘において、ゼフとサンジという2人の会話の一部です。

要は、主人公ルフィーは生きるか死ぬかの瀬戸際であっても、戦うことに全く「ためらい」がないと言っています。

少しオーバーな引用になりましたが、大事な場面では、ためらってはならないということです。

ここからは私の体験談です。
起業後5年ほど経った頃のことです。あるお客様(中年女性)から仕事の依頼を受けて無事完了させました。6万円の仕事です。

支払いは月末にしてほしいと事前に聞いていましたので、請求書を先に渡し集金日を決めていました。

ところが、集金日の当日の朝、都合が悪くなったので日を変えてほしい旨の電話があり、集金日を変更。
さらに、また延期してほしいとなりました。

これは少しの間、代金回収が遅れそうだなと感じまして、当分の間静観することにしたのです。
そして2週間が過ぎるも音沙汰がないので、これ以上待つこともないと判断し、直接そのお宅へ訪問しました。

愛用の自転車があったので在宅を確認しインターホンを押しますが、出てこられません。表に回って洗濯物を確認、おられるようです。

玄関の前に立って携帯電話に電話しました。すると電話に出られたので訪問を伝えるとすぐに外に出てこられました。そこで集金の旨伝えると、バツが悪そうにしておられましたが、今はお金がないとのこと。

私「・・・」
ま、想定はしていましたが、ためらわず代金を請求いたしました。結局1カ月は過ぎていましたので、今まで連絡放置の音沙汰なしは社会通念上いかがなものかということを訥々と諭すように話しました。

正直言いまして私自身、こんな取り立てのようなことはしたくないですし、今までもなかったです。でもこういう毅然とした態度で臨まないと商売人としてのその存在意義が問われるのです。

そのあとどうなったと思います?
その方、さすがに悪いと感じたのでしょう。愛用の自転車で友人宅2件を回って6万円を借りてこられました。

私もそこまでしていただいたので丁寧にお礼を述べました。これでやっと帳簿から売掛金が消えました。

これも、ためらいがあるとこの日に集金できたかどうかわかりません。たぶん相手の口車にのせられてまだ先延ばしになっていたのかもしれませんね。

最後に控えた大事な代金の請求。延ばされれば延ばされるほどストレスも溜まります。
我々のお客様は、対価をいただいて初めてお客様と言えます。なぜならお客様に成果(仕事の完了)を与えたままならバランスがとれないからです。

支払いがルーズな方は顧客リストから削除しても構いません。

仮にBtoBで大型の案件であった場合、先方が倒産でもされたら目も当てられませんよね。小規模の個人事業主は体力がないので、資金繰りには注意しなければいけないのです。例えば、金額が大きい取引の場合は必ず安牌で半金を前受けしておくことです。

自らの事業を守るためにも請求への「ためらい」は抹消しましょう。

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