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利益の上がる見積りの作り方
いよいよ今年も大詰め。
一年の締めくくりに一気に稼いでおきたいところです。
そんなわけで、今回は「利益」について少し書くことにします。
商売をしている以上、誰だって多くの利益が欲しいわけですが、そう簡単にはいきません。
簡単ではないからこそ面白いし、脳天に汗をかいて考えるのも楽しいものです。
今回は私が生業をしている住宅サービス業を例に書きます。
さて、まず初めにお伝えしておきます。
相見積もりは決して受けないことです。これは以前にも書きました。相見積もりイコール利益は出ないと心得えてください。
そもそも、相見積もりをするような顧客とは付き合ってはいけません。あなたが生涯お付き合いしたい優良のお客様とだけ付き合いましょう。
ところで、我々の業界、つまり住宅サービス(建築リフォーム)の業界の粗利益ってどれくらいかわかりますか。
別に決まっているわけじゃないので正確ではありませんが、概ね平均30%目標です。
工事代金から職人等の手間代と材料費を引いたものが粗利益。
ざっくりの利益だから粗利益。
純粋な利益とは、その粗利益から電気代だのガソリン代だの電話代だの必要経費を引いたもの。
結局のところ、30%儲けを乗せても残る純利益はしれたものです。
だから皆、粗利を多く取りたいのですね。
ここで単純に粗利30%と書きましたが、実際はそうとは限りません。施工内容によってかなり粗利は変動します。
例えば、外壁や屋根などの塗装工事はもっと利益が多いです。40%はざら。業者によっては50%なんかもあります。比較的利益が取りやすい分野なんですね。そのかわりどんどんと取れない工事です。
逆に大工工事や水廻り工事やサッシ工事はあまり儲かりません。なぜなら、商品や材料代と職人手間代がはっきりしているからです。
そのへんを踏まえておいて、ここからが大事なところ。
あなたは、見積り依頼があったお客様と打ち合せをするときに、予算を聞いているでしょうか。
実は見積りを作る上で非常に大事なのです。
お客様に予算を聞いたとき、大概この2パターンになります。
①「素人だから予算なんてさっぱりわからないわ」
②「〇〇〇〇円までだったらできそうなんだけど」
こんな感じの答えになるはずです。
①の場合、予算を業者に言ってしまえばその予算ギリギリに見積りを作るのではないかということを警戒されている可能性もあります。なので「そうですよね」とスルーでよいです。
②の場合、ありがたくその情報を参考にさせてもらいます。
但し、例えば300万の予算があるとして、200万で見積りができるのに300万の見積りを出したらぼったくりになりますよね。200万の見積りが完成した時点ですでに利益を入れているからですね。こんなのは利益を乗せすぎの悪徳業者です。
300万の予算があるとして、300万近くの見積りが出来た場合、お客様の心象を良くしようと300万を少し下げた金額を出しがちですが、それはしないほうがよいです。なぜなら、予算いっぱいで見積りを作ったように思われるからです。
わざわざあなたの利益を減らす必要はありません。
こんなときは、あえて逆に数万円オーバーさせた見積りにします。
このほうが逆に信憑性が増すのです。
「私の努力不足で300万を少しオーバーしてしまいました」というトークは有効になります。
幸運にもその金額で決まればラッキーですし、仮に「300万、丁度にしてほしい」とお客様の希望に応じ、300万で決まっても想定内で収まります。
参考のために他社の見積りを見ることがよくありますが、「なにこれ?」っていう項目があって笑えます。
いろいろと作業項目を独自に考えて、少しでも利益を出そうと涙ぐましい努力をしているのがわかります。
但し、ありもしない架空の項目を作って見積りに反映させるのはアウトです。そういうのを詐欺と言います。
長くこの仕事を続けていくのなら、悪いウワサが立たないよう注意しないといけません。自分で自分の首を絞める行為はダメです。
そうは言っても利潤を反映させる元となる見積書は慎重に作成します。これが儲けの元となるからですね。
この業界独特の概念を見積書の最後の項目に目にすることがあります。
それは「諸経費」です。
この諸経費ほど曖昧なものはありません。
ただ、曖昧だからこそ、ここに利益の一部を反映させている業者が非常に多いので、もはやデフォルトです。
諸経費10%とかざらにありますね。300万の工事で10%だと30万。
しかも曖昧で実体のない項目。
でもある意味必要なものではあるのです。
実は見積りにはこまかな項目までは書ききれないという側面があります。
純粋な工事内容以外にも、例えば工事を監督する管理費、ガソリンなどの交通費、文書などのペーパー代、書類を発送する郵便代、挨拶廻りに使用するタオル代など際限なく経費が発生します。
これらをいちいち見積りには書けません。
更に予備費的な要素も含めておかなくてはなりません。建築やリフォーム系の工事って、何が起こるかわからないものです。
一部やり直しただけでも数万円が吹っ飛ぶこともあります。
そんなときのためにということで、表向きは諸々の経費ということで項目に乗せてはいますが、裏向きは想定外の予備の費用ととらえることができます。
これは業界の慣例になっているので、諸経費と言う項目が見積りにあっても、お客様からは別段不思議がられません。
この諸経費を利用するしないはあなた次第ですが、善良に利用できればこれも利益の一部となります。
単純にモノやサービスの価格を上げる以外にも、上記のような利益の上げ方があるということを少し紹介しました。
結局、商品の値段を上げることも見積りの項目の値段を上げることも値上げ手法としては同じこと。
そこに正当な理由はありません。
古くからある「松竹梅」という画期的見積り手法があるのをあなたはご存じでしょうか。
これは、一つの案件の見積りを三種類に分けて作成するというものです。
一番安い見積りを「梅」、二番目が「竹」、一番高い見積りを「松」と呼び、この三種類の見積りをお客様に選んでもらいます。
これは少しでも高い見積りを選んでもらう心理的戦術なのです。
人の心理というのは、価格帯が3種類あると一番下の価格に価値を感じにくくなるので、どうせ買うなら一つ上または二つ上のランクにしたいと思うものです。
高額な見積りには大変有効です。
大手家電メーカーのチラシでも、安い価格の釣り商品を掲載して、実際に見に来たお客様は結果的にそれよりも高い商品を買うようになります。
人の心理はそうしたものなのです。l
結論。
利益が欲しければ上げればよろしい。
あとはいかにお客さんに納得してもらえるかはあなたの誠実な対応次第ってことになります。
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