読んだ本 2022年11月号 6冊

開発工程に関する本を3冊、デザインに関する本を2冊、古典として引用される本を1冊読んだ。


Clean Craftsmanship 規律、基準、倫理

★★★☆☆ 
中盤までのテストダブルの話や具体的なTDDの事例は記述が明確で分かりやすいが、博物館的が雰囲気もあり、ブランチは使わないのが好ましい、ミーティングの招待は辞退しよう、など固執すると危険そうな価値観も多く記述されている。
11/8

アジャイルメトリクス

★★★☆☆
アジャイルな開発に特有なメトリクスの話だと思うと肩透かしにあう。どちらかというと、アジャイルな開発においてチームや個人のパフォーマンスをより数値的に評価したりチームの外部に説明したいと考えている人に、従来からあるメトリクスを組み合わせた評価方法を提供するような内容である。
開発プロセスごとのメトリクスを提案して全体像がわかりやすく書かれている点はよかった。
略語が多い、数式の定義が微妙、白黒のグラフの読み取りが難しい、など気になる点がいくつかある。
11/12

ピーターの法則 創造的無能のすすめ

★★★☆☆
多くの場所で引用されている説は原典を読んでこそおもしろみが増す。
ピーター曰く、階層がある限り無能は避けようがなく、我々が身を守る為にできることは無能を創造することである。
共感できる箇所もありビジネス書として読むことはできる。しかしこれは実のところ、無限に生まれるピーターの法則とピーターの皮肉による、社会学の仮面を被ったギャグエッセイなのではないだろうか。
11/13

ノンデザイナーズ・デザインブック

★★★★☆
それぞれの原則が簡単な例を使って説明されているので理屈として理解できる。日本語のための補足が充実しているのもよかった。
しかし参考に挙げられている creativemarket.com を覗くと大量の優れたデザインに圧倒されて打ちのめされた気分になり、インプットとアウトプットのない人間に何も言う資格はないのだという気持ちになる。とりあえず手元の iPhone に Pinterest をインストールした。
11/15

Design Systems

★★★★★
デザインシステムについて考え方や全体像を掴む為にはよい本だと思ったが、デザイナーではないので本職の方がどう思うのかは分からない。
電子書籍に最適化されていて、多くの事例がリンクとして設置されている。名前を聞いたことのあるサービスの章に関連するコンテンツがすぐに参照できる構造になっていてよい。
ただし死んでいるリンクもあり、あと数年経つと更にいくつかは参照できなくなっている感がある。
11/19

Discovery: Explore behaviour using examples

★★★★☆
BDDの工程を大まかに Discovery, Formulation, Automation の3つに分けて説明し、この本では特に Discovery に注目して例を挙げながら丁寧に説明がされている。
Discovery のためのツールやスクラムに組み込むことを想定した説明などがされていてよい。
Formulation は購入したが、Automation は coming soon… になっている。1冊にまとめてくれ〜。
11/23

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