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”青い鳥”で幸せは手に入る?

メーテルリンクの『青い鳥』の本当の結末とは・・・

 『青い鳥』(1908年)という話をご存知でしょうか。二人の主人公が、生と死のイメージを映し出したいくつもの不思議な国を巡る物語で、童話劇として知られています。一般的には、青い鳥は外を探し回らなくとも自分の近くに存在していたという部分が結末として提示され、幸せが自分の身近にあるということに気付かせようとしているのだと解釈されています。しかし、どうやらこれには続きがあったようなのです。

 ようやく見つかった青い鳥。チルチルとミチルが喜んでいたら、青い鳥が飛び去ってしまいました。最後にチルチルはこう言います。

”どなたかあの鳥を見つけた方は、どうぞ僕たちに返して下さい。僕たちが幸福に暮らすためにいつかきっとあの鳥が必要になるでしょうから。”

鳥は二人にとって必要なのか?

 主人公は、幸福の条件に鳥は欠かせないと主張しています。この鳥自体に愛情を抱いているのであれば、いつか必要になるという表現はあまりに不自然ではないでしょうか。私はこの物語が本当は、鳥への依存・執着と責任転嫁の物語だったと解釈しています。鳥が返ってきたところで、この二人は本当に幸せになれるのか。私にはそのようには感じません。また、一般的に知られているような結末においては、身近なことに目を向けさせることで、遠くのものから目を逸らさせるという意図までもが伝わってくるようです。

 さらに、『青い鳥』の中では以下のようになっています。

 「思い出の国」で見つけた青い鳥を籠に入れたら黒くなった。
 「幸福の花園」に青い鳥はいなかった。
 「未来の王国」で捕まえた青い鳥が赤くなった。

  この鳥の色の変化は一体何を意味しているのでしょうか?メーテルリンクは、19世紀フランスの象徴主義(サンボリズム)の作家です。象徴主義とは、客観主義への反動として起きた詩運動。名前の通り、内面的な世界を暗示的に表現します。早速色の象徴について調べてみると、以下のことが分かってきました。

 ~欧米での各色の意味~
青・・・希望・忠実・優秀・ゆううつ・わいせつ・陰気 
 『青い鳥』という作品は、ドイツの詩人ノヴァーリスの『青い花』のオマージュだったとのこと。青い花とは、手に入れることの出来ないものを象徴しているようです。青い鳥がなぜ青いのかは、この作品の影響と青という色がもともと表している希望のことではないかと考えられます。
 しかし、それ以外にも思い当たる節が無いわけではありません。blue bloodは、貴族または名門の血統を、blue lawとは、プロテスタント(ピューリタン)的な厳格な規則、blue chipとは、非常に優れたまたは極めて質が高いことを意味し、証券関係の用語としては優良株や優良企業を表しているとのこと。つまり、民主派(左派)のイメージとも重なっています。
➡ リベラル・上流階級を(それに付随して性的なものも)暗示?

黒・・・高価・優雅・高貴・死・不吉・陰険・悲哀・失望・不名誉 
(思い出・過去の)中世の暗黒時代・魔女狩り・黒死病などを暗示?

赤・・・愛・情熱・血気・興奮・革命 ➡ (未来の)共産主義を暗示?
マルクス・レーニン主義系のシンボルは、赤い星です。中国のイメージも赤ですよね。

 幸福の花園に青い鳥はいなかったことを考え合わせると、青い鳥=幸せ(幸せは身近なものである)という刷り込みは元のメッセージをかなり歪めているようにも思われます。心理学用語に“青い鳥症候群”という言葉がありますね。現実を直視せず、青い鳥を探し続ける人たちのことを指すようです。まるで悪いことでもしているかのような言われ方ですが、社会構造の真の姿を丹念に暴いていくと、特権階級を除けばそもそも幸せから遠ざかるように仕向けられていたということが分かってきました。もちろん身の丈の幸せだったら手に出来るでしょうし、それに感謝していくことは大事でしょう。しかし、それはあくまで権力者の仕掛けた枠の中での限定的な幸せだったというのがどうやら真相のようです。どこまで行っても見つからない真の幸せを探して最後は自分の身近なところで妥協する、もしくは何かに依存したまま生き続けるのが人生である・・・。本当はそんな結末だったのだとしたら、なんとも残酷な話です。

 また、作者自身がリベラル寄りの人物だったかどうかは定かではありませんが、色の意味と照らし合わせれば、作者が当時、共産主義化する未来を憂えていたという意味にも感じられてきます。現在問題となっているのは、リベラル(青)と中国共産党(赤)がつながり、人類全体に包囲網を仕掛けているという状態です。さて、私たちは今、何をしたら幸せを手に出来るのか。本気で考えていかなければならない時が来ているようです。

 多くの物語が原作からリメイクされていますが、そのために意図が隠されてしまったり、そぎ落とされてしまったりするケースは多いようです。本当の中身(この世界の真相)とはもっとえぐいもの。もちろん子どもに残酷な話をそのまま伝えるのでは、悪影響にもなりかねません。しかし一方で、本当は暗いはずの話をハッピーエンドに仕立てて社会の闇を消滅、隠蔽させてしまうというのが支配者に加担したエンタメ業界の常套手段でもありました。まさにこの世の中は、罠だらけ。ポジティブシンキング(楽観的に考えること)を奨励することすらも、その罠から目を逸らさせる作戦の一貫だったようなのです。実際、自己啓発の流れには、そうした意図もしっかりと含んでいたというのだから、庶民は油断も隙もあったものではありません。

 本当に大切な情報は削られてしまっているかもしれないという疑い。これを常に意識しておくことで、相手の意図に引きずられることは減っていくのではないかと思っています。

鳥籠の中にいるのって、本当は誰?

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 案外青い鳥が逃げていくということの方が、希望を意味しているのかもしれません。

 この世界をより安全なものにしていくためには、自分から罠にかかってしまう人の数を地道に減らしていくしかないでしょう。どんな形でも構いません。あなたの周りの方々に、真実につながる情報を伝えてあげてください。私からはその切り口となるような話題を提供していきたいと思います。私が創った動画もその一環です。

本日もお読みいただきありがとうございます。

参考文献
『青い鳥』 モーリス・メーテルリンク著・堀口大学訳 新潮社


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