narimekko

ー放浪の向こう側ー  バックパッカーを経て、帰国後の日本での生活が一番リアルに自分を巡る旅となる。果たして着地点は見つかるのだろうか。

narimekko

ー放浪の向こう側ー  バックパッカーを経て、帰国後の日本での生活が一番リアルに自分を巡る旅となる。果たして着地点は見つかるのだろうか。

最近の記事

行きたい場所にどこへでも行けるという自由

好きな英語のひとつに、spontaneous という言葉がある。 「自然発生的な」という意味の言葉なのだけど、 何かこの響きに、外側からの圧力ではない、自然のはからいで自ずと という意味も込められているように感じる。 写真は、オーストラリアのカンガルー島に一人でマウンテンバイクとともに 乗り込んだ時のもので 島をサイクリングしていたら目の前に綺麗なビーチが広がっていたので 思わずマウンテンバイクを木の柵に立てかけて ビーチまで走っていったという場面である。 この写真を見て

    • 荒野を目指した理由

      それは地平線をこの手で感じたかったから。 ありきたりの言葉かもしれないけれど。 海じゃないんだ。 荒野だったんだ。 その荒れ果てた大地を見てみたかった。 その乾いた土埃を肌で感じることに意義があったんだ。 カラカラになった不毛の地が どこまでも果てしなく連なっているのがなんともたくましく、 枯渇した大地からみなぎるエネルギーは凄まじい。 その中を進む僕らのちっぽけさといったら、 この風景の中にミニチュアみたいに溶け込んでいく。 そうやってどこまでも、車で走ってゆくことに意味が

      • 山彩る -ヤマイロドル-

        9月下旬の北アルプス。 山は色彩のパレット 冬支度前の、純白の山装う前のお色直し

        • 自然との対峙

          そこで虚空を体験した。 ありとあらゆる自分の役割というものから、解放された瞬間。 南オーストラリア、フリンダーズ山脈国立公園にて

          右脳的に理屈を捏ねること、行動に対する合理化、それらの根底にあるのは単純な承認欲求であることが分かった。台風の夜に。

          右脳的に理屈を捏ねること、行動に対する合理化、それらの根底にあるのは単純な承認欲求であることが分かった。台風の夜に。

          マグリットの空

          オーストラリア南西に位置するカンガルー島。 豪州本土から離れているため、オーストラリア独自の生態系を保ち 動植物の宝庫となっている島だ。 私は本土から出向する船にマウンテンバイクを担ぎ、島に乗り込んだ。 自転車で島を一周してみたかったんだ。 しかし島に足を踏み入れた瞬間、自転車と共に上陸した意味を 自らに問いただしたくなる光景が広がっていた。 そこから続くどの道も、突然の急勾配なのだ。 その島は想像を絶する程の、丘陵地帯であった。 自転車で全力で坂を駆け上ってすぐに、全

          マグリットの空

          青空を探して

          30歳の誕生日を目前にした私。 例えるならば、私の空は分厚い雲に覆われていて 青空である本当の自分を見失っていた。 そしてその分厚い灰色の雲を、何か別の美しい色で 塗り替えようとしていた。 人工的な空の色に塗り替えることで、なんとか自分自身を保とうとしていたんだ。 偽ることは、ずっとずっと真実から遠ざかるということを知りながら。 そこで私は旅に出ることにした。本当の自分を探す旅。 向かった先は、突き抜ける青空と赤土のオフロードが広がる 無限の自由を感じる国、オーストラリ

          青空を探して

          昭和ノスタルジーへの旅

          時代を遡る旅は、懐かしさが詰まった宝箱を開けるような幸せを感じることができる。 その銭湯はかつて栄えた城下町の真ん中にある。 ある人にとっては、日常の風景であり また、ある人にとってはノスタルジーの象徴だ。 国の文化財にも登録されている、唐破風屋根の建物と石柱門。 そして夕焼けに染まる時間、ネオンサインが浮かび上がると 昭和の気配が辺りを包み込む。 脱衣場にはえんじ色の革張のソファー 壁に貼られた、昭和を代表する映画のポスター ヘチマコロンの化粧水 閉店が近づく夜の

          昭和ノスタルジーへの旅