- 第14話 - 人生最大の危機!タクシー同乗指導のペア決め【確率は2分の1】
やあやあ。
Nariです。
\\最年少//
\\女子//
\\\元ペーパードライバー///
タクシードライバーとして働いています。
入社して一週間。
待ちに待った同乗指導初日です。
同乗指導とは、
現役タクシー運転手の先輩と一緒に乗りこんで、
実際にお客さんを乗せるというもの。
つまりタクシー運転手になるための最後の研修です。
一人でタクシーを運転する(独り立ち)まで、この同乗は5回行われます。
4回までは先輩と、最後の5回目は班長と行います。
相変わらず連絡が遅い上司から
昨日の夜分に電話がありました。
12:30に営業所に集合、
着替えてもろもろ準備し13時からミーティング
とのことです。
朝10時に起きてメイクして、
軽くサンドイッチを食べ、
通勤ラッシュのないガラガラな電車に乗り込みます。
これからこの時間に出勤できるなんて、
意外といいかもしれないと思いました。
ピッタリ12:30に着き、
制服に着替えて更衣室で待機していました。
チサトはずっとため息をついて、
セイコはスマホでsnsかなんかをチェックし、
アキナは派手に寝っ転がっていました。
13時になるとキョウコ先輩とモモエ先輩が
ノックもせずにドアを開けて入ってきました。
そして一緒に会議室みたいな部屋に移動します。
同期の男子4人とキョウコ先輩と色々あるらしい5人の男性の先輩たちもいました。
聞かなきゃいい話を聞いてしまったがために、
何となく変な印象を持ってしまいそうになり、見ないようにしました。
詳しくはこちら
↓ ↓ ↓
同乗指導は実際にお客さんを乗せて営業します。
つまりほぼタクシー運転手体験。
そう。
見知らぬ先輩と約20時間一緒にいることになります。
しかも丸4日間。
馬が合わないなんてなったら地獄ですよね。
ボケーとしていると、
ある大切なことに気づき、
急に心臓がバクバク音を立てました。
そうです。
キョウコ先輩とモモエ先輩しか女性の先輩がいないんです。
2人だけなんです。
つまり、
セイコ・アキナ・チサト・私の中で、
2分の1の確率で男性の先輩とペアになるということです。
いやー。
困り果てました。
チサトはそのことに気づいたのか、顔面蒼白です。
アキナとセイコは何にもわかってないような顔しています。
主任が前に出てきてホワイトボードに何やら書き込みます。
同乗のペアです。
運命がここで決まります。
先に男性の同期のペアが書かれて、
ペア同士の顔を合わせが始まりました。
一人だけ隅に立っている男性がいます。
キョウコ先輩たちの同期の先輩、マサヒコ先輩です。
この先輩と私たち4人の中の誰かがペアになるに違いありません。
さすがに一個上の見知らぬ先輩、しかも男なんてキツすぎる。
何としてでも避けたいこの状況。
あれ?
考えてみたら、
この男性の先輩、キョウコ先輩、モモエ先輩…
あと一人足りない。
え…?!
まさか…!?
と思ったその時でした。
会議室のドアを開き、入ってきたのは
「ごめんごめんタバコ吸ってたわ〜!ハッハッ」
60歳くらいのおじさん。
シャツは出てるわ靴はかかとを踏んでるわハゲてるわでツッコミどころ満載。
はい。
最後の一人は現役タクシー運転手のおじさんでした。
アキナとセイコもこの絶体絶命の状況にようやく気づき、
ガタガタ震えながらホワイトボードをみると、
・キョウコ & ナリ
・モモエ & アキナ
・マサヒコ & セイコ
・60歳くらいのおじさん & チサト
と書かれています。
手には緊張で汗びっしょり。
危機一髪でした。
アキナは小さくガッツポーズを決めています。
セイコは彼氏が欲しいとか出会いが欲しいと言ってたものの、
これとこれとは話が違うみたいな顔してこっちを見てきました。
チサトは…
ご想像にお任せします。
次回に続きます。
ではでは。
nari