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東京大学駒場博物館(東京都目黒区・駒場東大前駅)

東京大学に数多くある博物館のうち、駒場キャンパスにある博物館がこちらの駒場博物館。美術博物館と自然科学博物館の機能が一体となって、パーテションで区切られている。規模はそれほど大きくはないながら興味深い展示を行っており訪問。

入場してすぐのコーナーで実施されているのはオマーン展で、オマーン政府から提供された中東地域の生活・文化に関する資料を展示している。興味深いのが教育についてで、向こうの教科書では日本の存在について風土・歴史・文化はもちろんのこと、日本史における人物や文化形成の経緯に至るまで割と細かく記載があるということ。逆に日本から見てオマーンの国をどれだけ知っているだろう。位置でさえ明確でないかもしれない。教育レベルの違いに唖然とする。

オマーンの紹介

企画展としてまずあるのは「もうひとつの一高」について。東京大学の前身となる旧制第一高等学校における留学生関係の資料を公開している。太平洋戦争という激動の時期において中国人留学生がどういう歴史を歩んだのか、といったことが当時の留学生課長を務めていた藤木邦彦が遺していた資料によって紹介されている。

左が自然博物館、右が美術博物館ぽいけど繋がっている

もう一つの企画展は「美術展を本の世界で」と称して、過去2年で行われてきた全国各地の美術展の展覧会カタログを紹介している。東京近辺の美術展は行ったことのあるものが多かったものの、全国を網羅しているためもちろんその数は膨大。なにしろ展覧会のカタログを実際に手に取って見ることができる機会はあまりない。机と椅子も用意されているので、時間の許す限りカタログを眺めていたいものである。ちなみにそれ以前の展覧会について使用されなくなったカタログが無償で配布されている。今年だったか練馬美術館で初めて見てファンになった香月泰男の過去の展覧会『シベリヤ・シリーズ』があったので秒速で入手。来てよかったぜ。

見学者はもちろん誰もいない

館内にはマルセル・デュシャンの代表作『花嫁は彼女の独身者たちによって裸にされて、さえも(通称「大ガラス」)』のレプリカが展示されている。世界に4つしかないレプリカで、瀧口修造や東野芳明を監修に迎えてデュシャンの遺志に沿って作られたものだという。デュシャンらしくかなり抽象的。タイトルにもそれが表れてますね。トイレはウォシュレット式。

マルセル・デュシャン『花嫁は彼女の独身者たちによって裸にされて、さえも』
なんつータイトルだよ


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