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城西大学水田記念博物館(東京都千代田区・半蔵門駅)
箱根駅伝によく登場する大学の一つである城西大学。埼玉県にあるキャンパスはよく映画やドラマのロケ地に使われたりしている。紀尾井町にあるこちらのキャンパスの方は比較的あたらしく造られた施設で、創立者の名前を冠した水田記念博物館があり、化石を集めたミュージアムとして知られている。東京大学名誉教授の大石道夫氏と中国の遼寧省古生物博物館から寄託・寄贈を受けた化石を展示している。
大石化石ギャラリーと名づけられた博物館では、地球上における生物の進化と切ってはきれない古代生物の化石を中心に約200種類を展示している。もちろん全て本物で、自然科学に興味がある人であればまず間違いなく楽しめるミュージアムである。紀尾井キャンパスの1階入口から奥へ進んで階段を降りた地下1階が大石化石ギャラリーの入口。巨大な恐竜の骨格標本が聳え立っていてワクワク感が止まらない。
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ドアーを開けた廊下には古代から現代に至る地球の歴史を紹介、展示室へと入るとまずはアンモナイトの化石がお出迎え。そのまま奥へと歩みを進めると、ブラジルやレバノンといった地域で出土された魚類の化石や、水性爬虫類、軟体魚類、サメ類など系統ごとに注視すべき化石をピックアップして紹介している。知識がなくてもかつてこの星を支配していた生物たちの息吹を化石を通して(かなり近距離で)感じられるし、現代では信じられないような骨格をした生物がいたことなど、興味深い研究も紹介されている。
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展示品の中で特に目を惹かれたのは昆虫の化石。生きていたそのままの姿で形が残っているというのが面白い。化石などと違い骨格があるわけではない昆虫がどうやって残るのだろう。めちゃくちゃ巨大な蚊だったり、ある種アクセサリーみたいに小さなトンボなど、地球の環境がかつて全く違っていたことを想像させてくれる。活動していたのは恐竜の全盛期であるジュラ紀や白亜紀。蚊が大きいのはやはり恐竜などの巨大生物の血を吸っていたからなのだろうか。
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生きた化石とよばれるシーラカンスを実際に発見した際の映像や、シーラカンスに関連する魚の化石が紹介されていたり、本物の化石に触れられる展示もあるなど、割とコンパクトなスペースながら、じっくりと楽しめるミュージアムである。トイレは男子共用ウォシュレット式。
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