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デザイナー長嶋りかこさんの3箇条
『デザイナーが未来に残したい私の3ヵ条』から、長嶋りかこさんの仕事で大切にしているルールを紹介します。本書には、作品も紹介されていますので、詳細は是非そちらをご覧ください。
①何のために自分がデザインをするのかに自覚的であること
何のための成長か、誰のための質か。何のためにデザインがあるのか・どんなデザインかの前に、そもそもデザインの存在意義とは何なのか。
どんな形や色であるかを語るよりも、まずは何のためのに形や色をつくるのか。そこをまず問い、自分が何のためにデザインをするのかに、自覚的であること。
それは新奇性の追求ではなく、自分が何に対して色や形を与え、どのような問題に出口を与えるのか自覚する姿勢を持つことであり、グラフィックデザインの今後の存在意義を考えることであり、さらには「人としてどう生きるのか」を問うことでもある。
②自分が嫌がることはしない
グラフィックデザイナーは、依頼者の意志の翻訳を職能としている。それゆえデザインが語られる時も、どうやってそれを伝えたのかという手法にフォーカスされがち。
どうやってという手法への興味が、何のためにそれをするのかという内側の目的意識を薄める。そのことが環境や文化や人道的な配慮をなくさせてしまった過去がある。
だからこそ、私達のように外側を作る人々は、その能力を何に生かすか自覚的になるべきだと思う。
③見えないもの、聞こえない声に、敏感であること
環境への配慮なしに天然資源を消費し続ける世界的な状況に対して、別の価値を提案することに、デザインはもっと貢献できないだろうか。
誰も見向きもしない社会の陰が、陰でなくなるような活動に対して色や形を与えていくことに、デザインの意義があるような気がしてならない。
私はできるだけ、「自分が共感できる活動、個人、企業」の役にたつためにデザインという職能を使うことにしている。
すでに大きな声を持つものに、さらに拡声器をもたせるような行為に対して、私は意義を感じない。
小さな声によって話された内容を、一人ひとりに向かって丁寧に話しかけて、その本質を理解してもらう。そんなデザインの仕事の仕方を目指している。