【週2で広報】改めて、移住前も後も想像していなかった仕事をしている
もう、長期的な目線での見通しや目標を意図的につけないようにしている節がある私。
移住して2年経ち、予想通り(?)なことは長野県の山奥に住み続けていることと子どもたちが元気にすくすく大きくなっていることだろうか。それ以外のことはいつでもどこでも予想の斜め上を行くことばかりだ。
春の始まりからせっせと通っている週2で広報の仕事。まず、アパレル店員だった私に観光広報の仕事のお話が来ることが予想外。Webデザインの勉強をしている、という口コミのみで採用してもらってほんと、なんか、ありがたい気持ち。
幸い広報の仕事のパートナーとも相性がいいのか楽しんで仕事させてもらっている。…が今までの人生では考えられない仕事もある。
東京にいたころ、仕事が休みの日は美術館に通っていた私。上野に始まり六本木、日本橋、東京、渋谷…と大都会の中の美術館を飛び回っていた。貯金がたまればヨーロッパに行ってそこでも美術館や歴史的な建物を観まわる。「人」が作った作品を観て「人のすごさ」を目の当たりにして衝撃と感銘を受けることが独身時代の生きがいだったともいえる。
それから数年たった今。長野市の山奥で「自然」が生んだ「大自然」の中を歩き回り、季節の移ろいに敏感になって「自然のたくましさ」を実感している。おい私、真逆のことを始めているよ?と時々頭の中がささやいてくる。
先日、登山道の整備に参加した。要は草刈りだ。草刈り機を担いで燃料をリュックに入れる。え?広報の仕事は?そうなんです。この山に登るイベントの開催は我々観光広報なのです。役所の土木課の方にも手伝ってもらい登山口から車で行けるところまで乗って、そこから頂上まで草刈り。え?頂上?
いくつかのチームに分かれて登山口周辺、中間地点から頂上に向かうチーム、一度山頂に上って下ってくるチームと別れ、私は中間地点チームに。初めて上る山だし、山の整備も初めてだし…
草を刈りながらなので歩きはゆっくりになるけれど、確実に目の前にある登山道イコール上り坂をこれから登山をする人が上りやすいように歩く幅や見晴らしを気にしながら草を刈っていく。頂上についた時の達成感たるや。一緒にいた上司が「こんな楽しい仕事はないね!」と笑顔でお弁当を食べていた。
登山すらまだまだ初心者レベルの私が登山をする人のための道を整備するなんて全然予想していなかった。これからもし登山をする時は背景にいる整備してくれている人のことを想って登ろうと思う。
ここでの広報の仕事は自然と向き合う仕事でもある。美術からは距離を置く今だけど、またその趣味を満喫できるときに今の自然と向き合っていることがまた何か違う視点となって表れてくれたらいいなぁと思っている。
私も夫さんも今の働き方を1年前は予想すら出来ていなかった。見通しをつけたらわかる、ことでもなかった。子どもたちが興味あることがどんどん変わっていくのと同じように環境や考え方の変化が目まぐるしい。とにかくいつでも「今」を暮らすために生きている、というのは大げさに聞こえてしまうのだろうか。