村は死によって包囲されている。『屍鬼』という作品の話。
どうもお疲れ様です。今回は漫画の内容でいきたいと思います。本日ご紹介するのは、『屍鬼』という作品です。
こちら知っている方ももしかしたら多いかもしれません。何故なら1998年〜新潮社より発行された小説が原作だからです。
そしてこの作品を、藤崎竜先生(封神演技、銀河英雄伝説など)が小説の原作を漫画化したのが2008年からスクエアジャンプにて連載が始まります。
更に累計110万部を記録する人気作品ともなっています。アニメ化ももちろんしました!ではまずどんなお話なのか紹介しますね。
(※軽くネタバレ含むのでご注意ください)
①あらすじ
199X年。人口1300人の小さな村、外場村。外部からは1本の国道しか繋がっておらず、周囲から隔離され、土葬の習慣も未だ残っている。
そんなある日、山入地区で3人の村人の死体が発見された。それは村を見下ろす高台に建てられた、城のような屋敷に桐敷の一族が引っ越して来てから起きていた。村で唯一の医者・尾崎敏夫は、このことに不信感を持つが、村人達の判断で事件性は無いとされ、通常の死として扱われた。
しかし、その後も村人が次々と死んでいき、異変は加速していった。死の連鎖は止まらず、医師・尾崎は苦悩する。 しかしやがて屍鬼の存在に気付いた尾崎は、村を救おうと躍起になる。
*屍鬼とは?
屍鬼とは、簡単に言ってしまえば吸血鬼なような存在。日光や神聖的なものに弱い、つまりは吸血鬼伝説とほぼ同じ設定。
また、屍鬼に血を吸われると屍鬼の奴隷状態になる。(命令をすれば従う催眠術のようなイメージ)
そして毎晩のように血を吸われるため、血液不足となり最終的には死に落ちる。が、半分より低い確率で屍鬼に吸われて死んだものは『屍鬼となって蘇る可能性が出てくる』わけだ。
つまり、村はどんどん人間から屍鬼の村に変わっていくものがたりなのです。
②見所
個人的な見所を紹介します。見所としては2点ほどあります。まず一つ目。❶屍鬼の存在です。最初は人々の死が疫病かなにか?という「得体のしれないもの」として恐れられてきたところから始まっています。
しかし、それが徐々に疫病ではなく、「人々を襲う何か」というキーワードに結びついていくわけです。そこの設定がとても上手に表現されていて、みているこっちがえらく緊張感漂ってしまいます。
❷劇的な展開が2つ目です。まず最初は人がどんどん死んでいくというはじまりなのですが、とても漫画としての作品としては『地味』なのです。
人と人のドラマがあって、そして人が死んで、次はこの人が。。。という展開なので派手ではありません。しかし、初めはこんなにも地味なのに後半がとても波乱なのです。この見せ場まで持っていくドラマティックな展開がとても見所ですね。
初めは地味と思っていた印象が、後半になると素晴らしく一変します。こんな漫画にであったのは初めてでした。
③問いかけがとても難しい
この話はある種の生物にとても着目されて書かれております。つまり人間、屍鬼、両方がテーマになっています。
作品を読んでいるとわかるのですが、共存は難しいことがわかる。しかし仮に共存できたとしても誰もが共感できるのか?という点があるでしょう。
そして作品を最後まで読んだことある方は、少し伝わるとは思いますが、この作品を読んで、「屍鬼の恐ろしさ」はもちろんの事、「人間の恐ろしさ」も際立っていると言えます。
何か現代を表しているようで興味深い内容です。そしてなかなかエグいお話しですのでもしグロテスクなシーンなど苦手な方は注意してください。(※思ったよりグロくないかもしれない)
そして恐ろしく哀しい話です•••
そして最後に、小説版と漫画版は内容が大きく変わっている点が多数あります。漫画ならではのアレンジも見所ですので是非機会あれば両方ともいかがでしょうか。
本日は以上です、ありがとうございました!!