疾病恐怖のこと その2
こんにちは、河村尚弥です。今日は疾病恐怖の続きを書かせていただきます。よろしくお願いします。
疾病恐怖が強くなっていた20代の頃
22歳の頃、児童養護施設に勤務しました。その頃、なぜかいろんな病気がうつる感覚、観念がとても強くなりました。
そんな中、外国製品が全て使えなくなりました。
商品のラベルを確認するのですが、メイドインジャパンでないと使えなくなりました。
それは当時、流行り始めたある感染症が、最初に外国人に起こったことによります。それで、外国人とすれ違っただけで全身が汚れて、感染症がうつる感覚に支配されてしまったのです。
おかしいな!そんなことは全くあり得ないと理性的にはわかっていますが、その感覚に支配されてしまいます。前回も書いたように病気に対する差別・偏見はなかったですし、また外国人に対する差別・偏見も全くありませんでした。
それでも汚れた感覚に陥り、シャワーが止まらなくなり、消毒も止まらなくなりました。
狂ったようにシャワーに入り全身を石鹸でこすり続けたり床を消毒し続けたりしました。それが何時間も止まらなくなります。
そして、外国産の商品を触るだけで全身が汚染されて汚れた感覚に陥り、体が重くなりました。
当時、お米が不作な年があり、海外から輸入米が入ってきましたが食べられなくなってしまいました。
またある日、子供たちと一緒に米軍基地のパーティーに招待されました。
到着しバスから降りた瞬間、全身が汚れた感覚に陥り、体が急に重たくなりました。パーティーは全く楽しめずに食事もとれず苦しいばかりの一日でした。帰宅しシャワーや消毒が止まらなくなりました。
その頃、電池やバッテリーも怖くなりました。液漏れしていると思い始めました。スタンドにガソリンを入れに行くと、液漏れしたバッテリー液がついてくる感覚に陥り恐怖しました。
コンビニ等で電池を見ると液漏れしていて、籠に入れた商品に移っている感覚が強くなり、窮屈でしんどかったです。
買った商品に液漏れがついてないか、何百回も確認しました。
当時、通院して医師に必死で訴えましたが、頭を抱えて何も言わない医師、また「気にしなければ良いんだよ」と言う医師ばかりで、解決はできませんでした。
現在の私からーよく多くの症状に耐えたと思います。多くの症状で大変ですが、何か一つ、できる訓練があるとよいと思います。
例えば、スタンドに給油に行き、バッテリーがつく観念が想起されても「これは強迫観念が送ってくる誤ったメッセージだぞ!」と思って、強迫観念に騙されないことが大切です。そのように、たくさんの症状の中でも何かひとつ訓練するポイントを作れるとよかったのですが、私が疾病恐怖に苦しんでいた当時はまだ訓練の仕方があまり知られていませんでしたし、参考にできる書物もあまりなかった時期でした。
引き金としては、恐怖に関係するものを目にするだけで強迫観念が想起されています。その強迫観念に騙されて、洗う、拭く、回避する、確認する等、強迫行為を行ってしまうのです。この状態を改善するためには、強迫行為を意識的に止めます。
強迫症状に苦しんでいる時はこのようにまずは、「我慢法」、つまり反応妨害法を行っていきましょう。
まずは、先ほど例に挙げたような、「対処の基点」を作りましょう。強迫観念に基づく行為では、実際には「何も悪さをしないもの」、「無いもの」を洗う、拭く、確認する、避ける、という行為をしています。つまり、本当は怖くないものを怖がっているのです。
だからこれらの行為をやめます。やめても大丈夫です。なぜなら元々何もないもの、さらにいえば安全な物や事だからです。
読んでくださりありがとうございました。