悩むのは簡単じゃない。スキルが要る。
「みんな自分は頑張ったと言います。
でも本当に頑張ったかどうかはすぐにわかります」
これは『スッキリ』で放送されていたオーディション企画『虹プロジェクト』のプロデューサーであるJYパークさんが練習生にかけた言葉である。
JYパークさんのことを深く知っているわけではないのだけど、このフレーズは今も記憶に残っている。
実際に「言うほどじゃないよね」ってことは、身の回りにたくさんあるんじゃないだろうか。
たとえば「めっちゃ悩んだ」という人はたくさんいるし、多かれ少なかれ誰もがそんな経験はあるはず。
一方で、自称・悩んでるマンの話を聞いた際に「え、それって悩んでんの?」と感じた経験がある人も多いように思う。
恋愛相談なんかは結構そのようなケースが多くて、
「俺はこう思うんだよね」
「私はこんな風に考えてる」
「どうしたらいいと思う?」
と問いかけてくる割に、さして耳を傾けない人とか。
アドバイス求めてるんじゃないのかよ…と、お手上げ状態になった人もきっとたくさんいる。
はたしてこれは「悩んでいる」のだろうか?
あるいは仕事においても、アドバイスを求められたとき目についた部分を指摘すると「こんな悩んだのにひどい!」みたいな逆ギレを受けるパターンだってある。
繰り返しになるが、これは「悩んでいる」のだろうか?
いや結論から言うと「悩んだのは確か」なんだと思う。そんなの悩んだうちに入らん!なんてのは他人が言うことでもない。
ただ双方わかっておいた方がいいのは「悩むにもスキルが必要」だということなんじゃないかなと思う。
悩むスキルに長けている人は、行き詰まりを感じたらすぐ人に相談していろんなフィルターを取り入れる。
・時間がさほど経ってない段階で
・自分以外の視点を受け取る
だから解決が早くて、たぶん「悩んでる」なんて自覚もない。
あるいは「悩みのない人間なんていなくね?」みたいなことを言うのもこのタイプ。
悩みを解決する作業が日常に馴染みすぎて、お腹が減ったらそりゃご飯食べるよね的なニュアンスでいる。
一方でこじらせる人は、行き詰まりを感じながら自分で答えを探そうとする。
・時間だけ過ぎていって
・結局なにも進んでいないことに凹む
ゆえに「自分はなんでこんなことも出来ないんだ」といった他の悩みまで併発させてズルズルと沈んていく…というのが特徴だ。
さらに言うと悩んだ自覚が強すぎるゆえ、簡単に解決策を導き出されるのも癪に障る。否定されたような気分にもなる。だから逆ギレする。
僕は以前、圧倒的に後者だった。
悩みが全然解決しなくて、途中でやさぐれた経験が腐るほどある。相談に乗ってくれた人に噛み付いたことも一度や二度じゃない。この行為は亀裂以外になにも生まない。
だからもしも今、当時の自分にアドバイスできるなら「いいから早く相談しろ」の一択だ。
「こんなこと相談していいのかな」
「もうちょっと答えが見えたら…」
とか言っている場合ではない。ちょっとノドが痛いときに放っておくからこじれるカゼと同じだ。いいから早く受診(相談)しなさい。
冒頭の虹プロの話に戻して、練習生のメンバーが飛躍的にスキルアップした背景として、プロデューサー(あるいはボイストレーナーなど)がいたのは言うまでもなく大きい。
定期的に練習で顔を合わせたり、パフォーマンスへのアドバイスをもらったりできる。
一方で僕らの生活では、基本的に「自分から相談にいかない限り」悩みに対しての有効な視点は手に入らない。
「悩んでいる風」なんてのは誰も得をしないから、
・プライドを捨てて
・主観も横に置いて
・とりあえず早くアドバイスをもらう
この三拍子を意識するといいんじゃないだろうか。
もちろん自分で考えることは大事だけど、真面目な人ほど一人で悩みすぎる傾向にある気がするから。
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