発想の転換と容認

アレクサンダー・テクニークのレッスンには、痛みや不具合があって、それを無くしたいという生徒さんも多くいらっしゃいます。

病気や怪我からくる痛みの場合、アレクではなく、医療の方が効果的なこともあります。アレクサンダー・テクニークは治療ではないからです。
なので、レッスンで痛みをどうにかしたいという生徒さんにはまず病院に行ったことがあるか、どんな治療と診断を受けたのかを必ず聞いています。

その上で、アレクサンダー・テクニークがお役に立てそうだとお互いに思えたらレッスンスタートです。

どういうことかというと、痛みや不具合の原因が、自分自身の使い方にある場合、アレクサンダー・テクニークは素晴らしい効果を発揮します。
例えば、首が痛くて目薬をさせないという悩みがあったとします。
その動きを見て、アレク教師は「ああ、首の一部分だけを強く曲げていて、そこに負荷がかかり痛みが出ているんだな」と発見します。
次に教師はその、首の一部分に負担がかからないようにアレクを使い、痛めている箇所以外を使ったり、首の骨の使う順番を変えることで痛みがなくなる動きを提案します。今までとは違うやり方でカラダを動かすのが、一つの発想の転換です。

これで実際に痛みがなくなったとします。
しかし、このやり方で目薬をさすのは何か違う、嫌だ、以前のやり方で痛くないようにさしたいんだ!となると、残念ながらアレクではお手伝いが難しいかもしれません。
アレクサンダー・テクニークは自分のカラダのデザインに沿って、一番効率の良い使い方を見つけて練習するというシステムです。

今の自分の使い方に勘違いや誤解があって、うまくいっていない時、新しいやり方で痛みや不具合のないように色んな動きを試してみるというレッスンなのです。

なので、学ぶ側に必要なのは新しいやり方、つまり発想の転換を受け入れる、容認するという『考え方の変容』です。
これも言ってしまえば発想の転換の一つですね。

文字だけだとアレクサンダー・テクニークって伝えづらいなあ、レッスンで実際にやったらすぐわかってもらえるのになあ。
そんなジレンマを抱えながら、今日もnoteを書いているのです。
よかったらレッスンに来てくださいね。

直塚和紀

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