人の教育 0101 第一章 総論 01 フローベル著
おおよそ、この天地間に存在するすべてのものには、一つの永久不滅の法則があり、それが万物を生かし、そしてそれを支配している。この法則は、外界、つまり自然の中にも、内界、すなわち精神の中にも、また外界と内界の結合である生命の中にも、同様に常に明らかに現れている。物事の必然性を感じ、それが「そうでなければならない」と考える性質や信仰を持つ者、あるいは冷静で明確な洞察力を持ち、外界や外界を通して内なるものを直観し、外界が必然的に内なるものから生じていることを洞察する者は、常にこの法則を認める。
万物を支配するこの法則の根底には、万物を貫き、明らかで生き生きとし、自覚を持つ永遠の存在である「統一者」が不可欠である。このことは、その統一者自体と同じように、再び信仰と直観によって生き生きと認められ、理解され、把握されるのである。すなわち、静かで注意深い心と思慮ある明快な精神を持てば、この統一は今も昔も変わらず、確実に認められるものである。
この「統一者」とは、すなわち「神」である。万物は神性、すなわち神から生じており、この統一者によって唯一の存在として定められている。神は万物の唯一の源であり、万物の中に存在し、万物を生かし、かつ万物を支配している。万物は神の中に存在し、神によって生かされ、神によってその本質を保っているのだ。万物は、神がその中で働いていることによってのみ存在するのである。
こうして万物の内に働く神性こそが、各事物の本質である。万物はその本質、つまり各々の中にある神性を、また一般の神性そのものを発揮し、神を外的なものを通じて、有限のものの中で表現するという使命を持っている。そして人間は知的で理性的な存在であるゆえに、独自の使命、つまり自分の本質としての神性、すなわち神そのものについて十分に自覚し、生き生きとした知識と明確な理解を得たうえで、自治と自由をもって生活の中にそれを実現し、活動し、表現するという役割を持っているのである。
自覚力、思考力、理解力を持つ人間をして、内的な法則である神聖を純粋かつ完全に表現させるために自覚と自治の力を刺激し始動させ、その表現の方法と手段を示すこと、これこそが人の「教育」である。