【日記】身に沁みて分かる
昔、早稲田大学名誉教授の春木豊先生にヨガ療法の同期の有志に対して、定期的に講義をしてくれた時期がありました。
春木先生が提唱する「身体心理学」は自分のヨガや予防運動の活動における基本的な理論背景になっています。
理学療法士でありながら、心に関しても関与したいという思いを身体技法から可能でと背中を押してくれたのが身体心理学です。
先生の新書はバイブルですので、ぜひ読んだことない方は読んでいただきたいです。
その春木先生がよく「身に沁みて分かる」ことが重要なんだよとおっしゃっていました。
頭で分かるは「知っている」レベル。
実際に体で分かるは、身体知として体でも分かること。
この違いを理解しておかなければいけないと。
これが言葉を使ったカウンセリングだけでは人は救えないというメッセージでした。
いくら「リラックスしましょう」と言っても、分かっていてもできないから苦しいのであって、だったら肉体の緊張をとってほぐしたらどうなるか。
弛緩した体に緊張した心は不釣り合いで、結果心も緩むと。
ここで使われている「沁みる」は「染みる」とか「滲みる」、「浸みる」などがありますが、「沁みる」が一番しっくりくるなと。
水が心にしみわたる、、、しみじみ(沁沁)と。
「染」は「染める(そめる)」という感じがあり、「沁」と似ていますが、染め物の字ですから、どこか物質的な感じがします。
「沁」は心ですから、もっと自分自身という主体性を感じます。
漢字というのは、音ではなく象形ですから、やはりその字が表しているイメージがありますね。
先日のクラスで僕はボードに「身に染みる」という字で書いたのですが、ふと「沁みる」じゃないかなと思い漢字の成り立ちなどを調べてみました。
あぁやっぱり「沁みる」だなと。
次からは「身に沁みて分かる」と書きたいと思います。
日本人の感性に気づかされた瞬間でした。