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予防運動関連まとめ

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予防医学を運動の側面から実現するのが予防運動療法です。予防運動の考え方や啓蒙のための記事を集めました。
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記事一覧

【臨床日記】結果に対する対症療法が西洋医学、原因に対する原因療法が東洋医学

基本的に西洋医学は、結果に対する対処が得意です。 熱が出てればそれを下げる。 痛みがあればそれを感じなくさせる。 咳があればそれを止める。 悪いものがあればそれを切除する。 切れていれば縫ってつなげる。 東洋医学はというと、それらの症状は原因に対する結果なので、その原因を見つけ出して、原因を改善するように、生活習慣や冷えや血流不全などを見直していく。 即時的に改善させるなら西洋医学、ゆっくりと時間をかけて原因を改善するなら東洋医学という感じでしょうか。 それぞれのいいと

【臨床日記】憶測が事実を歪める

よく臨床の報告で「%」を多用して話す人がいる。 〇〇のパターンは概ね◯%ある。 全体の把握としてはもちろん有用で、例えば対象とする疾患の中で、原因別にその割合%を提示することで、何が一番影響が大きい傾向があるのかを把握することができる。 ただ、これは研究などの引いた視点なので、実際のクライアントさん、患者さんに関してはほぼ意味をなさない。 クライアントさんそのものは、自分だけが興味の対象なのでそれは100%だ。 他の人にどういう傾向があるかはどうでもいい。 自分がどうなっ

【臨床日記】因果関係の明確化は、今の原因を過去にある結果で説明する作業

どこか不調があるとして、その不調は今起こっていることである。 今起こっていることは結果なので、原因は過去にある。 それを明確にするのが、因果関係を明確にすることであり、必ず過去の出来事を引き合いに出さなければできない。 この過去の出来事を確認する作業が問診である。 過去のことを根掘り葉掘り聞くことはとても重要だ。 いつから? その時何をしてた? イベントは? その時よくやっていた座り方、動きは? その時の趣味は? その時の習慣は? もっというと、人生の中で、多くの時間を

【診療日記】整形疾患のイノベーションを起こす

腸内細菌や腸内フローラが分かってきてからだいぶ西洋医学も変わってきているように感じる。 アレルギーもそうだが、外のものだけ問題ということだけではなく、患者自身の性質にも原因があるということだ。 卵アレルギーの方にとって卵は禁物だが、そのアレルギーを持っていない方にとっては卵は美味しいバランスの取れた食べ物だ。 ウィルスだって、病原体として恐れられることは当然だが、患者の免疫の状態にも発症するかどうかは影響を受ける。 同じウィルスでも免疫が強ければ発症しない。 免疫が落ちてい

【予防運動日記】ぶら下がり健康器が終焉した理由とは

昭和で流行っていた健康機器で復活して欲しいものは何か? と尋ねられたら、間違いなくぶら下がり健康器と答えるでしょう。 老化は悉く姿勢の問題です。 肩こり腰痛から始まって、股関節痛、膝痛などありとあらゆる運動器疾患の背景にあるのは、重力に負けた潰れた姿勢です。 そういうのを予防するには身体を引き伸ばして重力にかつ体にすればいいのです。 ぶら下がり健康器は、最適な姿勢矯正機器です。 昭和のドリフ世代のものにとって、ぶら下がり健康器は、どの家庭にもあり、何度8時だよ全員集合を

【予防運動日記】内股歩きはいけないのか?いや治さなくていいんです

「内股で歩いていたのですが、親や学校の先生から治すようにいわれて、無理につま先を外にするようにして矯正しました。」 こう言われる方時々いらっしゃいます。 内股は恥ずかしい、つま先が当たって転びやすい、、、。 確かに一般的なつま先の向きは、踵をつけた時に、つま先が約20度開いたい位置といわれています。 踵をつけて、つま先はゲンコツ1つ分空けましょう、というやつですね。 確かに、標準はそうです。 しかし、、、。 つま先の向きは、大腿骨の前捻角という形状に依存します。 これを

【臨床日記】PBRNというあり方

臨床をしていると、研究論文では見つけられていない原則という物に気づくことが多々あります。 しかし、研究されていなければエベでンスは確立されていませんので、対外的な説得力がありません。 本来気づきというのは研究よりも臨床現場で起こる物です。 研究者は自分が深めたい分野に関して、過去の研究論文を熟知しして、その中になければ新規制のある研究として行い、あればそれをエビデンスとして用いるという方策を取ります。 しかし、現場はまず現象なり変化があり、そこからその背景やメカニズムは何か

【臨床日記】重力に負ける習慣が体を蝕む

不良姿勢の代表は猫背や腰曲がりなどでしょう。 それらは、重力との関係でいうと、重力に負けた姿勢です。 僕たちは脱力すると丸く潰れます。 これは重力が僕らを上から押し潰しているから(引力が地面に引っ張っているから)です。 重力に抵抗する筋肉は抗重力伸展活動といわれ、いわゆる背筋の深層筋である多裂筋になります。 UPRIGHTには様々な方が相談にいらっしゃいますが、その中でも腰痛はやはり多い悩みになります。 よく見ると脊柱に変形を起こしていたりします。 ではなぜそのような不良姿

【日記】関節が緩い人が避けるべき運動とすべき運動

「自分は体が硬い」という人がいます。 ヨガやってみませんかと促すと決まって出てくることわりの言葉は「いや、体硬いので無理です、、、」。 関節の硬さがまるで自分の個性であり変えられない性質のようにいいます。 しかし、多くの硬さの原因である制限因子は「筋肉」です。 筋肉は緊張ですから、可変的です。 つまり筋肉の場合は、緩めることができるので、硬さは変えられます。 硬いから無理だという人には、「いやその硬さは筋肉なので、大丈夫緩められますよ。」と返せます。 更には、硬い筋肉を緩め

【日記】幸せは何かが多いほど拡大していくものなのか?

お金があると幸せ。 家族がいると幸せ。 友達がいると幸せ。 確かにそうですね。 ではそれが多いと多いほど幸せは拡大するのでしょうか? でも実際には、それが多いほどいいと思われがちです。 そういう考えをフォーカシング・イリュージョンというそうです。 僕は、現実的にお金で最適化された社会では、確かにお金は必要ですので、あった方が幸せということは否定はしません。 でも、お金というシステム外であれば、お金は幸せとは関係ないですね。 僕にとって幸せというのは、プラスよりもマイナ

【予防運動日記】ミビョーマン、、、これは凄い

とにかくこれをみて下さい。 神奈川県この活動すごいっす。 小さなチラシも作って啓蒙活動もしっかり。 いやぁ勉強になります! 公的な機関が協力してくれるって良いですね。 八王子はなぁ、、、。 神奈川の方々、神奈川の予防運動のセラピストさん、チャンスですよ!

【宣伝】4/30 DVD「関節のニュートラル」by BAB ジャパンが発売になります

ヨガもピラティスも、理学療法も予防運動療法も全てに通底する概念である、ヒト特有の構造である関節ニュートラル! この事実はヒトが関与する全ての諸問題の捉え方を一変させます。 雲が晴れるように、納得できる法則です。 当たり前すぎて多くの人がその重要性に気づいていない部分でもあります。 冥土の置き土産ではありませんが、こうやって形にして残せたことは感慨深いです。 多くの方にインストールして欲しい事実です。 発売は4月30日です。 中年太りは気にしないで下さいね(汗)。 写真

【予防運動日記】宮本武蔵の五輪書におけるいい姿勢とは

五輪書は武道を齧ったことのある方なら必ず知っている宮本武蔵による二天一流の兵法が書かれた奥義書です。 宮本武蔵は巌流島での佐々木小次郎との一戦があまりにも有名ですから、五輪書を知らない人でも剣豪の名前は知っていますよね。 彼の書いた水墨画「枯木鳴鵙図」も有名ですから見たことのある人も多いで多いと思います。 この五輪書の中で、先頭態勢、つまりは戦いのための姿勢について記されている部分があります。 そこから、彼がどんな姿勢を良しとしていたかが分かるので見てみたいと思います。

【子育て日記】麻布大学いのちの博物館に行ってきました

比較解剖学の勉強の延長上で、霊長類以外の骨格も見てみようということで、春休みの次女を連れて行ってきました。 次女は骨を別に怖がることもなかったので助かりました。 ほぼ自分の興味中心の選択でした。 予約制ですが、当日でも空きがあれば入館できますので、取り敢えずタイミングがあったら電話されることをお勧めします。 場所は、JR横浜線の「矢部」駅から徒歩5分くらいです。 八王子からは近いのでアクセスは楽でした。 公共交通機関を使ってくださいと案内があります。 麻布大学獣医学部は知