【臨床日記】PBRNというあり方
臨床をしていると、研究論文では見つけられていない原則という物に気づくことが多々あります。
しかし、研究されていなければエベでンスは確立されていませんので、対外的な説得力がありません。
本来気づきというのは研究よりも臨床現場で起こる物です。
研究者は自分が深めたい分野に関して、過去の研究論文を熟知しして、その中になければ新規制のある研究として行い、あればそれをエビデンスとして用いるという方策を取ります。
しかし、現場はまず現象なり変化があり、そこからその背景やメカニズムは何か?という問いからスタートして論文を探します。
現場は論文からはスタートしません。
事実からスタートします。
また研究というのは限界というのが必ずあり、それは収集したデータの属性の偏りや手法、測定機器の精度、時代やタイミング、助成金との兼ね合いなど、結局ある程度の条件付きでの結果になります。
そのため、システマティックレビューという形で、メタ視点で傾向を見るわけですが、そうするともう現場で目の前にいる対象とはかけ離れすぎていて、その結果を当てはめることが適切ではないと感じることもあります。
人間を対象とする場合は、剰余変数が多すぎるので、ウィルスやら細菌やらとは違い、統制がとても難しいのです。
そういう意味で、現場に立っている人間たちの現場の疑問や気づきから、生きた研究というものはどうやったらできるのかを探っていましたが、その中で、PBRNの存在を知りました。
Practice-Based Research Networkです。
米国では古くからあるそうですが、臨床25年の僕でも初めて聞きました。
これは、臨床家が集まってネットワークを構成して、コーディネーター達が臨床家達から研究テーマを募集し、選定したテーマに従って研究計画を立てて、その計画に沿ってネットワーク構成員が分担してデータを取得分析して、研究発表に繋げる仕組みです。
日本での活動については、調べたところ以下のものがありました。
まだ日本ではこれからという感じですが、こういう垣根を超えた現場発信の研究を僕も模索していきたいと思います。
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