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ライヴでの選曲の意味〜THE MODS "READY TO ROCK"

1976年に生まれて初めてBAY CITY ROLLERSを観に行って以来約50年、ライヴの虜になっている。今回はライヴに於ける選曲の意味について思うことを書いてみたい。


THE MODSの"READY TO ROCK"はコロナ禍真っ只中の2021年にリリースされた。

3曲入りマキシ・シングル

その年に行われたツアーや、デビュー40周年を記念して行われた日比谷野外音楽堂でのライヴ、「約束の夜」でもプレイされた。

この時の野音のライヴはDVD化されている。

病んだ世界
答えもなくゴールも見えず
漂流時代
脱出するんだ
霧中のドライヴ再び
解放区まで

歌詞の通り、先の見えないコロナ禍の不安と、そこから抜け出すんだ、という強い希望が込められている。2021年のライヴは声出し禁止や客数制限などの規制があった。そこで翌2022年も40周年のアニバーサリー・ツアーを続行したし、再び野音のステージに立った。こちらも『続・約束の夜』としてDVD化。

また野音でTHE MODS観たい…

2年に渡る40周年ツアーでセットリストは変わったが、"READY TO ROCK"は毎回演奏された。それだけ大きな意味のある曲なのだ、THE MODSにとって。


その後、森山さんの病気療養のため、活動休止を余儀なくされたが、昨年一度だけ待望のライヴ、『RevRehab』が行われた。リハビリの意味もあり、アコースティック形式だった。

そこで選ばれた曲は、森山さんの病気療養中の心境や活動再開への意思、ROCKへの愛、メンバーの思いが反映されていたと思う。

THE MODS公式インスタグラムより

一曲一曲を噛み締め、全身で受け止めながら聴いていた。そして、2回目のアンコールに、"READY TO ROCK"が歌われたのだ。ストレートなTHE MODSらしいロック・ナンバー。それをアコースティック・スタイルの、あのRevRehabでやってくれたことが、僕はとても嬉しかった。

手放すな
好きでキザんだ十字架
不自由なクイを打ち砕け
投げ出すな
この世界が朽ちるまで生きてゆけ
Let's Get
Ready To Rock

そう、「俺たちはROCKする用意は出来てるんだぜ」という意思表明をあのステージで行ったのだ。

Let's Rock Again
愛したモノ
愛した時を愛し続け

愛したモノ。それはROCK。Let's Rock Againの宣言として、"READY TO ROCK"を選曲に入れたのだと思う。


そして、この曲を久し振りにライヴで聴けたのも嬉しかったし、歌った意味を感じた。
LIVE WITH ROCK'N' ROLL

感謝します 出会った事を
感謝します 逃げなかった事を
ずっと ずっと

ライヴの選曲には、いつも意味があるのだ。シンガーやバンドが、「今歌いたい気持ち」を曲に込めてオーディエンスに届けたいのだ。それを受け止めた僕ら自分自身と曲を重ね合わせる(=トレース)するのだ。そういうことを感じさせるライヴ、バンドが好きなのだ、僕は。だから約50年、ライヴに通っているのだ。"READY TO ROCK"はコロナ禍で生まれたけど、今も歌い続ける大切な曲。

THE MODSはツアーを控えている。会場に駆けつけよう。I can't wait!!

my note #228

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